ISM製造業景気指数48.5 3ヶ月連続50割れ
ISM製造業景気指数とは
毎月第一営業日に発表される指数。
全米の製造業の300人以上の購買・供給管理の役員に、生産・新規受注・在庫・価格・雇用などの項目について、前月と比較し、「良い」「変わらず」「悪い」から選択してもらい、結果をパーセンテージで表したものになります。
指数の50が景気判断の分岐点となっており、50を上回ると製造業の景況感が良く、50を下回ると景況感悪化とする。
■結果
製造業景気指数は48.5と3ヶ月連続50割れ。
このところの米経済指標は景気減速の予兆を示す内容が相次いでいるが、その見方を追認する内容ではある。
■内容
前回大きく落ち込みを見せた新規受注も上昇はしたものの50を下回っており、生産や雇用も50を下回った。仕入価格も低下。
ISM製造業景気指数(6月)23:00
景気指数 48.5(48.7) 予想49.0
新規受注 49.3(45.5)
生産 48.5(50.2)
雇用 49.3(51.5)
入荷遅延 49.8(48.9)
在庫 45.4(47.9)
仕入価格 52.1(57.0)
輸出 48.8(51.1)
()は前回
前月大きく落ち込んだ新規受注は回復。総合指数を下げた要因は、仕入れ価格が大きく低下したこと。また、その他も低下しており、唯一入荷遅延のみ増加。
ISM製造業景況調査委員会のティモシー・フィオーレ委員長は、製造業者は「現在の金融政策やその他の状況により、資本や在庫への投資に消極的」と述べた。
パンテオン・マクロエコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、オリバー・アレン氏は「製造業は今後数四半期にわたり弱い状態が続く」と予想。「昨年末以来の社債利回りの低下は、投資支出をいくらか支えているようだが、製造業を再び成長させるには十分ではない。これを変えるには金融情勢の大幅な緩和が必要だ」とした。
一次金属と化学製品を含む8分野が成長した一方、機械、輸送機器、電気機器、電気製品および部品、コンピューターおよび電子製品など9分野が縮小した。
価格指数は5月の57.0から52.1に低下し、昨年12月以来の低水準となった。
供給業者の納入を示す指数(入荷遅延)は5月の48.9から49.8に上昇した。50を下回ると工場への納品が速いことを示す。
ブリーン・キャピタルのシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「サプライチェーン(供給網)の改善は、商品の需給バランスを再調整するという観点から、連邦準備理事会(FRB)にとって好ましいとみなされるはずだ」と述べた。
■出典
https://minkabu.jp/news/3959335
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/IABV4CHZUBIUHCACJ6H3D6XE7E-2024-07-01/
https://www.ismworld.org/supply-management-news-and-reports/reports/ism-report-on-business/pmi/june/
マーケットの反応
製造業総合指数発表後
3指数とも上昇 ダウ平均は小幅高の一方、IT・ハイテク株は次第に買い優勢となり、ナスダックは上げ幅を広げた。
■NYダウ
ゴールドマン、JPモルガン、マイクロソフト、アップル、アマゾンボーイング等が寄与
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
■ナスダック100
マイクロソフト、アマゾン、アップル、テスラが寄与
エヌビディアは0.62%上昇に留まっている。