【イニストラード・プレミアドラフトピック方針覚書】
せっかくプレミアドラフトにおけるピック方針概論を記述したので、そろそろ環境の煮詰まってきたイニストラード・真夜中の狩りについて、自分のピック方針を記述していきたいと思う。
今回も、ある程度「環境で強いアーキタイプ」「環境で強いカード」がわかっているけど、勝ちきれないんだよなー、っていうあたりの人向け。
基本的にはコモン・アンコモン前提で話を勧めます。レア以上については自分で研究してね。
●序論:色の優先度
既に散々語られていることと思うので、色の強弱/アーキタイプの強弱についてはサラッと解説するにとどめたい。
まず、カードパワーそのものの強弱は、
黒>青>白=緑>>赤
黒が最強、青が最優、緑と白は強みに差があるため甲乙つけがたく、赤は死んでる。
しかしピック優先度は単純なカードの強さのみで決まるわけではない。
あくまで強いデッキを作ることが最優先。その観点から、強いアーキタイプが作りやすい色はこうなる。
青>>白>黒>緑>>>>>赤
強アーキ全てに関わる青が最優先、バランスが良く渡りをかけやすい白が次点。意外なほど強アーキが少ない黒は白より下、赤は完全に死んでる。
アーキタイプのTier表を作るとこんな感じ。同Tierなら左側がやや優秀。
Tier1:青黒、白青
Tier2:青緑(タッチ可)、白緑、白黒
Tier3:黒赤、白赤
人にあらず:青赤、黒緑、赤緑
青黒・白青については説明の必要もないだろう。それらを志したが、流れが悪い場合の逃げ道がTier2の3アーキ。
白黒の評価が低いのは、逃げ道の割に結局強カラー2色になってしまい、完成形がほぼ青黒の下位互換だからである。青緑・白緑には独自の強み(≒他者と必要牌が被りにくい)があると考えている。
黒赤・白赤については、「完成さえすれば」十分強力なデッキにはなるし、完成形も見えやすい。しかし、しかしだ。とにかく卓内の許容人数が少なく、極論2人いただけでもいきなり厳しくなる。
更に問題なのが、Tier1からの逃げ道にならず、行くのであればオールインするしか無いこと。ハイリスク・ミドルリターンなのだ。やるならばそれを覚悟して向かおう。
人にあらず? 人じゃないよ。
●筆者のピック方針について
筆者は、プレミアドラフトの環境が煮詰まってきて、自分の中で環境の結論が出せている場合、「最初から目指すアーキタイプを3-5種類くらいに絞る」という方針を取る。
今回は「青黒、白青、青緑、白緑」の4つ。白黒が入っていないのは上で書いた理由そのままで、唯一向かうとしたら「忘却の儀式」「忘れられた大天使・リーサ」が入手できた場合くらいかな(忘れすぎ)。
●便利カード
前回記事で書いた、最序盤で保留のピックとして重要な「デッキを選ばない便利カード」だが、この環境、実は殆どない。
おそらく、「進化する未開地」ただ1枚(レア2色土地も一応その用途はこなすが、基本的に未開地の下位互換)。
「銀弾」「ジャック・オー・ランタン」もそれなりに優秀なのだが、デッキに1枚がせいぜいで、早い順目で取るカードではない。
なので、この環境に関しては未開地が来ない限り、「便利カード」の事は考えないほうがいいだろう。
●ピック方針
1-1~1-3:当然最強カードをピックするが、迷った場合は "単色カード>多色カード" 今環境はタッチがしづらく、2色カードはいきなり色を縛られることとなる。
色の優先度は上記したとおり。とりあえず「異形の隼」か「臓器の溜め込み屋」とっとけば問題ないよ、うん。
また、「赤・白赤・青赤・赤緑」のカードは可能な限りピックしないこと。黒赤だけ外したのは、マルチの強カードに賭けるだけの価値が一応あるからである。
1-4~1-8:さて、最重要順目である。今環境は、とにかくアンコモンが強いのはおわかりかと思う。ということは、空きを見つけてアンコモンガッポリ! すればそれだけで強デッキが手に入るのだ。
特に、2色の強カードが流れてきた場合、上におらず、下に向かわせないという意味で、ピック優先度はかなり跳ね上がる。
よってここでは、「主戦級アンコモン」がうっかり流れてきていないか? という観点を持ち続けること。特に盲点になりやすいのが緑で、白から白緑、青から青緑を常に検討しておくこと。
それと、万一赤を取る場合は、青緑タッチ赤、を念頭に置こう。「風変わりな農夫+進化する未開地」「収穫祭の道」など、青緑はタッチがしやすい。
この場合に狙いたい赤のカードは、「月の憤怒獣の切りつけ」「忌み者の火刑」「安堵の火葬」「火遊び」「嵐の捕縛」など、シングルシンボルのもの。
1-9~1-11:ここでの答え合わせで、「何が消えなかったか」がわかるはず。すぐに役には立たなくとも、2パック目序盤で2色を確定させる際の情報となるので、忘れずにチェックすること。
この先は総論で語るのは難しいため、ここまでとする。上で書かれていない点を補足するならば、
・今環境は圧倒的に4マナが強く、カードパワー重視でピックするとダブつきやすい。3~4枚取れた時点で、下のマナ域を優先しよう。たとえ「臓器の溜め込み屋」があったとしてもだ。
・逆に3マナは穴になりやすく、「忠実なグリフ」「ガヴォニーの黎明護衛」「異形の隼」「ネベルガストの伝令」「有頂天の呼び覚ますもの」「引きずり足のゾンビ」「風変わりな農夫」「猟犬調教師」「ドーンハルトの導師」や、3マナのカウンターが強い所以でもある。
・墓地対策は、遅い順目で見かけたら1枚くらい拾っておこう。「戦墓の大群」はもちろんトップコモンだが、「魂標グリフ」「腐敗した再会」「ジャック・オー・ランタン」などは、良い23-24枚目になってくれる。
●1枚はほしい枠
前回記事で書いた「そんなに高くないけどデッキに1枚は必ず欲しいコモンカード」をアーキごとに書いておく。2-4あたりから意識すること。
青黒:地下室からの這い上がり、食料庫のゾンビ、包囲ゾンビ
白青:難破船の選別者
青緑:またたかぬ観察者
白緑:旧き道の力、ガヴォニーの罠師、鳥の称賛者
●おしまい
今回は以上です。
前回記事もそうですが、なにかご質問あれば、お気軽にコメント等でどうぞ。
それでは皆様、願わくば土地事故など起こされませんように。