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シュタルフさんとの再会(2024.08.31AC長野パルセイロ観戦記)

突然ですが、僕はシュタルフさんのことが好きです。
「40歳に差し掛かってきたおっさんが40歳のおじさんに公然の場でいきなり求愛する」という地獄おっさんズラブが唐突に始まり、このnoteを見ているあなたは音速でブラウザバック、もしくは断末魔の悲鳴を上げながらスマホを放り投げたことでしょう。
シュタルフさんが長野パルセイロ監督をしていた時代、僕が長野パルセイロを応援していたことももちろんありますが、ある意味”シュタルフさんが率いる長野パルセイロ”を応援していたと言っても過言ではなく、北信越リーグの頃から10数年の間AC長野パルセイロを見てきた中で初めての監督推しをしていました。
その後シュタルフさんが長野パルセイロを成績上の理由で解任され、その後タイで監督業を続けている様子もシュタルフさんのインスタグラムを通じて日々しっかりチェックをし、深夜薄暗い部屋でニヤニヤしながらスマホをポチポチいそいそコメントを送っているアラフォーおじさんのその様子はいわゆる単なるネットストーカー、あるいは犯罪者予備軍と呼ばれても反論はできませんでした。
そして皆さんご存知の通り2024年6月、シュタルフさんはSC相模原の監督に就任しました。


このニュースを見た時の、僕のこの胸の高まりが伝わるでしょうか。
かつて長野パルセイロを不本意な形で解任され、インスタグラムでも「監督としての情熱を失ってしまった」と公開するほど打ちのめされ、しばらくサッカー界から離れるように長野パルセイロホームタウンである街を旅する様子を投稿し、試合中には見せたことのない穏やかな笑顔で楽しむシュタルフさんの様子を見て部屋で一人ニタニタ楽しむ僕、そんな中急遽発表されたタイのクラブへの監督就任、きっと慣れない環境であろう異国の地で長野パルセイロ時代と同じように全身全霊を込めてクラブのために戦う姿、時折垣間見える代表世代とクラブチームの二つを率いることの困難と苦悩の様子、それでも前向きにフットボールを楽しむ彼の人生を、僕はインスタグラム越しでずっと追いかけてきました。
そんなシュタルフさんをまたJリーグで見られる!しかもJ3で!更に8月31日18時に長野パルセイロとの試合がある!!!!
僕は即会社に連絡を入れ「すみません、8月31日に48度の高熱を出し喉は腫れ上がって完全に閉塞し呼吸停止全身の穴という穴から血と汗とその他諸々を垂れ流しブリッジしながら昇天する予定なので有給をください」と完璧な理由づけで余裕の有給申請をかまし、日々早寝早起き試合前日もしっかり晩ごはんを食べお風呂に入り歯磨きをし、最高の準備をして試合当日に臨んだのです。そう、台風10号日本列島直撃DAYなことだけを除いて。
8月31日、深夜2時までニンテンドースイッチをしていて寝ぼけ眼で目覚めた僕は早速天気をチェック。見れば、試合開始18時に降水量10ミリの激しい雨予想とのこと。
降水量10ミリとは、わずか11歳で気象予報士試験を合格した本田まりあさんと同じく二足歩行ができ、12歳で気象予報士となった島田有吾さんと同じ性別の僕が専門用語で詳しく説明すると「めっちゃザーザー雨ふる」ほどの降水量で、もし全世界で降水量10ミリが1時間降り続けると全世界の水位が1時間で1センチ上昇し、10時間降り続けたら10センチ、100時間降り続けたら1メートル、6000時間(250日間)降り続けたら60メートル上昇にまで達し、これは南極の氷が全部溶けた時の海面上昇量に等しい数値となり地表はほぼ全て水没することとなりますので良い子のみんなは地球温暖化問題を真剣に考えてこの宇宙船地球号の乗組員として手と手を取り合い協力しお互いを助け合って平和に共に生きていこうねということです。何の話だこれ。
奇しくも前節大宮アルディージャ戦でも大雨による試合中断に見舞われた長野パルセイロは2週連続の滝行とも言える悪天候での試合になることが必至となりそうで、僕個人としても、チケットは既に買ったものの、悪天候による観戦取りやめも当然頭をよぎりました。リアルに体調不良になることや、そもそも交通機関の影響で帰宅できるか問題などなど、とにかく安全面も含めてかなり大真面目に検討した結果、「まあ大丈夫っしょ」と結論づけ、僕は自宅から出発の時点で既に長野パルセイロJFL所属時代のユニフォームを着用し相模原へと向かったのです。
基本的には車移動が主な僕なので、高速を使って圏央道を突き進み、相模原愛川ICで降り、そこから下道で相模原ギオンスタジアムへ向かうのですが、相模原愛川IC料金所の手前でなんとなしにふと後ろを見ると、見覚えのあるオレンジ色のバスが目に飛び込んできました・・・。
アリーナバス!!!!長野パルセイロのエンブレム!!!
クラブバスやんけ!!!!!!
前節大宮アルディージャ戦後、帰宅難民となった大宮サポを乗せて長野駅まで輸送したあの伝説のクラブバス!!!!!
大宮アルディージャ戦のMVP!!!
今年のJリーグフェアプレー賞最有力候補!!!!
長野パルセイロクラウドファンディング達成のキーマン!!!
あっ!!!!選手乗ってる!!!!
高木リッキー監督、席一番前か!!???
キム・ミノ見えた!!!!誰か選手気づくかな!!???
あっ、たーちが手振ってくれた!!!!!イケメン!!!歯白!!
追い抜かれた!!!前のバスを追いかけろ!!!!なに!??さっきもバスを見た!??バカモ〜〜〜ン!!そいつがルパンだああああ〜〜〜〜!!!


クラブバスの後ろに金魚のふんの如く陣取り、涎を垂れ流しながら一緒に相模原ギオンスタジアムへ向かう長野パルセイロJFL所属時代のユニフォームを着た不審者。
きっと相模原市内在住の全ての子を持つ保護者のもとに、不審者出没注意の緊急メールが送信されたことでしょう。
安全のため早めに出発していたので、試合開始2時間前の16時過ぎくらいには相模原ギオンスタジアムに到着したのですが、現地はまだ雨は降っておらず、ちょうど同じくらいのタイミングで長野から来たであろう長野パルセイロ応援ツアーバスも到着しているのを見かけたので、ここでも僕はやはり手を振っておきました。何様?
応えてくれた皆さんほんとありがとうございます。
とりあえずスタンドの座席を確保してからスタジアムグルメを貪ることにしたので、まずはギオンスタジアムを記念撮影。

アウェーサポ向けに相模原さんが用意してくれたメッセージボード。ありがとうございます。僕は見られなかったのでSC相模原おもてなし隊さんのポストから。


ガミティ可愛かった


今回は大雨が予想されていたので、席は屋根付きのメインスタンド自由席をチョイス。ここは駐車場からスタジアムも近いし、メインスタンドからピッチも見易い。ゴール裏が芝生なのでシートとか敷いて座って見るのもピクニック感覚で良いかもしれませんね、今日は大雨だけど。

メインスタンド最前列からの眺め

相模原ギオンスタジアムに来るのは2回目なんですけど、ゆっくりスタグル見るのは初めてでした。
定番メニューのポテトや唐揚げ、クレープなんかも揃ってるし、湘南が近いのもあってか海鮮っぽいおにぎり屋なんかもあって、大雨予報なので人もそんなにいなくてゆったり選んだり並ばなくても買えたりしてとても楽しめました。
実はここで、明らかに芸能人のオーラを纏った某大人気 YouTuber兼インフルエンサー兼サッカー狂兼元女子大生の人をお見かけしまして、恐れ多くもお声がけさせていただいたのにも関わらず、とてもにこやかに神対応していただきましたことをここでご報告致します。某元女子大生さん、その節はどうもありがとうございました。不審者丸出しのおっさんが若い娘さんに話しかけている、傍から見れば警察に通報されても言い逃れできない現行犯逮捕現場でしたが通報前に何とか逃げ出すことが出来ました。フライドポテトという糖質と脂質のカロリー爆弾を美味しそうに頬張っていたことは内緒にしておきますね。
あとSC相模原のお偉いさんになった望月さんも見かけましたが、ちょっと声かけする勇気は出ませんでした。
さて、試合開始前ウォーミングアップが始まる頃、南極の氷を全て溶かし地球を水没させるような雨がいよいよ降り始めました。

どんより雲


段々と激しくなる雨の中ウォーミングアップをする選手達、強まる雨に呼応するようにテンションが高まっていくアウェー側長野パルセイロサポーター達の応援コール、屋根があるにも関わらず雨風の吹き込む相模原ギオンスタジアムメインスタンド、席に座る観客達がカッパを着込む中謎の頑固さによって頑なに長野パルセイロJFL時代ユニフォームのみで過ごそうとする厨二病僕、鳴り出す雷、沸き起こる悲鳴、鳴り出す腹、湧き上がる後悔、雨は時間ごとに強まったり弱まったりしながら、試合開始の準備は着々と進んでいきました。
試合開始前のスターティングメンバー発表、アウェー長野パルセイロからスタメンが発表されたのですが、淡々と名前だけ読み上げられる中、浮田健誠には「お帰りなさい、浮田健誠」とスタジアムDJ福田悠さんからの粋な一言。素晴らしいご配慮。こういうおもてなし感を感じる演出っていいよね。
ただ単に敵対心丸出しで煽り散らすのではなく、互いにリスペクトを持って接する、歓迎してくれる、サッカー観戦を楽しい思い出として持って帰ってもらう、福田さんありがとう、フットサルのほうもがんばってね。
お次はホームSC相模原のスタメン発表。武藤雄樹加入してたなそういえば!!!なんてことを思いながら眺めていた中での最後にこれですよ。
「監督 シュタルフ悠紀」
ちょっと涙腺緩んだよね、心震えたよね。
相手チームとはいえ、またこのシュタルフさんの監督姿を日本で見られるとはほんと思ってなかったから。
できれば長野パルセイロで見ていたかったけども。

試合前の写真撮影を完璧にタイミングミスする

止む気配のない大雨の中、ついにキックオフ。
試合中も、どうしても目で追ってしまうシュタルフさんの姿。サイドラインギリギリに立ち、手を叩き、大声をあげ、判定に対して第4審判に話をしにいく、主審の判定に不満があるときの明らかに不服げなジェスチャーもあの頃のまま、あの頃長野パルセイロで何度も見てきたあの立ち振る舞い、懐かしさと寂しさとまた見られた嬉しさと色々諸々混ざり合って、それでも僕は長野パルセイロの勝利を願って応援する。だが、そんな応援も虚しく試合は相模原ペースで進む。長野パルセイロ失点。課題のセットプレーから押し込まれる、失点は想定済み。あとはいかに得点するか。それでも突破口はなかなか見つけられず、試合は終盤へ。試合終了まで残りわずか、長野パルセイロの決定的なシーンで相模原側が犯したファウルにより相模原の選手にレッドカードが提示される。退場!怒り爆発シュタルフさん!激しい抗議で主審らに詰め寄り、シュタルフさんにもイエローカード!!まさに様式美!

抗議の真っ最中

このプレーで獲得したフリーキックから長野パルセイロに劇的な同点ゴールが生まれ、その後数的有利となった長野パルセイロだったがそれ以上スコアが動くことはなく、そのまま試合終了。1−1のドローに終わり勝ち点1を分け合う結果となりました。

試合終了後、試合終了間際に勝ちを逃したSC相模原、なんとか同点に追いついたものの有利な状況で逆転にまでは持ち込めなかった長野パルセイロと互いに悔しさの残る中、浮田健誠はSC相模原のゴール裏サポーターの元へ赴き、挨拶をしていた。拍手で迎える相模原サポ。この光景、好きよ。
そうなれば当然、長野パルセイロサポーター組にこみ上げるのは「シュタルフさん、長野パルセイロ側に挨拶来てくれないかな」の思い。
僕の周りにいた長野パルセイロサポ達も明らかにシュタルフさん待ちの雰囲気を醸していて、なんなら全く姿見えないのに相模原ベンチにカメラ向けてる人もチラホラいたのですが、ついにシュタルフさんは現れませんでした。
まあ今は相模原の監督だからしょうがないよね。また監督をやっている姿をこの目で見ることが出来ただけでも嬉しい、次は勝ち点3頂戴ね。そしていつの日かまた長野パルセイロで共に戦いたいぞ。
まだまだ雨が降り頻る相模原ギオンスタジアムを後にし、歩きながら駐車場に向かっていたら、途中でなんと長野パルセイロクラブバスを再び発見!
一番前に長野パルセイロユニフォーム背番号12が飾ってあるのを見つけたり、車両ナンバーも12なことに大興奮キャッキャッウフフしていたら、クラブバスの運転手さんから「もし良かったら、バスと写真撮りますか?」とありがたいお声がけが!!!もしかして神ですか?????
普段なら近づくことすら滅多にない長野パルセイロクラブバスの昇降口に立ち、満面の笑みで写真を撮っていただき、その後、前節大宮アルディージャ戦の大宮サポ輸送の裏話やオフレコ級の裏話をしていただき、楽しいお話をたくさんしてくださいまして、本当にありがとうございました。次は抱いてください。

デカイエンブレム!アリーナ滝澤さんイケメン!

以上、シュタルフさんとの再会(?)は、台風と大雨で結果は・・・だったけども、楽しい思い出や人との出会い、触れ合いを通じてサッカーの良さ・素晴らしさを改めて再確認した生観戦となりました。こうやって良い話風に記事を締めくくるとXとnoteのフォロワー増えるって聞いたのでやってみました。

様式美
一面のオレンジ

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