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次にやるべきなのはWebデザインなのか、UIデザインなのか、それともグラフィックデザインなのか。


UIデザインにも興味があるし、グラフィックデザインもやってみたい!


多くの駆け出しデザイナーから、このような相談を受けます。

一通りデザインの基礎は学んだので、次に何をすべきか悩んでいる人が多いのかもしれません。

今日は、私から次のステップを見つけるためのアドバイスをいくつか提供したいと思います。これを最後まで読めば、多少は次のステップが見えてくるはず!


Webデザイナー、UIデザイナー、グラフィックデザイナーの違いについて知っておこう

デザイナーという職種はそれぞれの専門分野に応じて細分化すると非常に多岐にわたります。

この記事を読んでいる人たちにとって進む可能性がとくに高い、Webデザイナー、UIデザイナー、グラフィックデザイナー、この3つに絞ってお話していきます。

Webデザインをもっと極めるべきなのか、それともUIデザイナーにジョブチェンジするべきなのか、はたまたグラフィックデザインを取り入れたほうがいいのか、以下のヒントをもとにそれぞれ考えてみてもらえればと思います。

デザインするものの違い

Webデザイナー、グラフィックデザイナー、UIデザイナーの業務内容の違いを理解するために以下の図をつかって説明します。

デザインするものを理解するためのマトリクス

縦軸に「リアル」と「デジタル」、横軸に「モノを人に売る」と「売るモノをつくる」を置きました。このマトリクスを用いて、各デザイナーがどのようなものをデザインしているのか、その違いを把握していきます。

【左上】リアル×人にモノを売る:グラフィックデザインの領域
主に紙媒体のデザインをつくることが多いグラフィックデザインは、顧客とリアルな接点を持つコミュニケーションデザインがメインの業務になります。例えば広告やパンフレット、チラシ、商品パッケージなどです。

【左下】デジタル×人にモノを売る:Webデザインの領域
Webデザイナーはデジタル上での顧客とのやり取りをデザインすることが担当領域です。例えばバナー広告やコーポレートサイト、ランディングページ、ECサイトなどです。

【右上】リアル×売るモノをつくる:プロダクトデザインの領域
プロダクトデザイナーは家具、家電、雑貨などリアルなモノをデザインします。Webデザイナーから転身するケースは少ないため今回は割愛します。

【右下】デジタル×売るモノをつくる:UIデザインの領域
UIデザイナーはWebサービスやスマホアプリなどデジタルなモノをデザインします。例えばメルカリ、Spotify、Google mapのようなデジタルサービスの操作画面をデザインします。

考えることの違い

Webデザイン、グラフィックデザイン、UIデザインをユーザーの行動の流れに沿って担当領域を分けると、以下の図のようになります。

購入する前のコミュニケーションはWebデザインとグラフィックが担当。購入したあとの体験コミュニケーションはUIデザインが担当しています。

Webデザインとグラフィックデザインは、商品やサービスの価値を発見し、「その価値を顧客に伝えること」を目的としています。これはマーケティングやコミュニケーション戦略において重要な役割を担うデザインです。

▼Webデザイナー・グラフィックデザイナーが考えること:

  • このサービスの核となる価値は何か?

  • その価値をどのように伝えれば良いのか?

  • どのような方法で顧客に理解してもらえるか?


一方で、UIデザインの目的は「顧客に使ってもらうこと」です。ユーザーが使いやすく、価値を感じられるWebサービスやアプリのデザインを行います。

▼UIデザイナーが考えること:

  • ユーザーにどのような価値を提供するべきか?

  • どのようにすれば使用しやすくなるか?

  • このUIは技術的に実現可能か?

このようにそれぞれ考えるべきポイントが大きく異なります。

追求する部分や美学を感じる部分の違い

グラフィックデザイナーは、ビジュアルコミュニケーションの形をひたすら追求します。どのように表現するか、表現の方法に深く没頭できることが必要です。

一方、UIデザイナーは機能性と設計を中心に考えます。グラフィックデザインと比べると、あまり華やかなグラフィック表現というのは見られません。

Webデザインは、グラフィックデザインとUIデザインの中間に位置するといえます。

ビジュアルデザインを徹底的に追求したい人にはグラフィックデザインが適しているかもしれません。

一方で、効率的な設計や使いやすさの追求に情熱を感じる人はUIデザインが良い選択かもしれません。

ビジュアルと機能性の両方に魅力を感じる場合、Webデザインが合っている可能性があります。

年収の違い

仕事を選ぶ上で、お金の話は避けて通れない重要な要素ですよね。

年収においてはUIデザイナーが頭一つ抜けているのが現状です。

Webデザイナー、グラフィックデザイナー、UIデザイナーそれぞれの平均年収について、2024年の最新データをAIに調べてもらいました。

2024年時データでの平均年収比較

Webデザイナーとグラフィックデザイナーはそれぞれ約449万円と約450万円でほぼ同水準です。一方で、UIデザイナーは約624万円。Webやグラフィックと比べると約174万円ほど高い結果となっています。

UIデザイナーの年収が高い傾向がある理由としては、求められる専門性と技術的要求が高いことや、採用の需要が高いこと、そして一度つくれば大量に売ることができるというデジタル製品が持つ高い収益性に起因していると考えられます。

とくにBtoB SaaSのUIデザイナーは採用の需要が極めて高く、年収を上げたいのであればおすすめの穴場です。

働く企業の違い

グラフィックデザイナーは広告代理店やデザイン事務所、企業の広告宣伝部や商品開発部などにいます。

Webデザイナーは、デジタルエージェンシー(インターネット広告代理店)、ウェブ開発会社、または企業のマーケティング部門やIT部門などにいます。

UIデザイナーは、デジタルプロダクトを扱うIT企業、スタートアップ、デザインスタジオや企業のプロダクト開発部門などにいます。

採用の需要の違い

採用の需要で言うと圧倒的にWebデザイナーが多い傾向にあります。

求人ボックス

株式会社カカクコムの運営する求人ボックスで検索してみると、それぞれの求人件数は以下のような結果になりました。

  • Webデザイナー:134,495 件

  • グラフィックデザイナー:25,773 件

  • UIデザイナー:56,007 件

圧倒的にWebデザイナーの求人が多い結果となりました。
Webデザインは参入障壁が低く、市場での需要も高いことが見受けられます。

フリーランスになれるかの違い

フリーランスとして働くことを希望する人も多いでしょう。
結論からお伝えすると、Webデザイナー、グラフィックデザイナー、UIデザイナー、どの職種でもフリーランスとして活動することは可能です。

ただしUIデザイナーはチームで仕事するのが基本!
UIデザイナーは基本的にエンジニアやプロダクトオーナーなどを含めた「チーム」で仕事をするものなので、あまり人とかかわらずに1人で黙々と作業したい人は注意してください。UIデザイナーにとってコミュニケーションは必須かつ重要なスキルです。

憧れとお金と環境のバランス、私にとってはこれが最適解だった

ここまで様々な違いを見てきましたが、私の個人的な体験についても少しお話しておきたいと思う。

一人のデザイナーが今までどんな感じでキャリアを歩んできたのか、簡単にではありますが紹介することで、少しでも参考になれば幸いです。

私はもともとグラフィックデザイン、その中でもエディトリアルデザイン(雑誌などの誌面のデザインをするもの)に憧れてデザイナーになりました。

最初に働いた会社はブランディング専門のデザイン事務所。アルバイトでの入社だったが、週5日間フルタイムで朝8時から夜遅い時は終電まで働くことも少なくなかった。しかし月給は12~14万円だった。

やる内容はすごく楽しかったけど、働き方としては「しんどいな」と感じていた。そんな矢先に3.11の大地震があり、案件が次々に飛んでいき、会社として人員削減をすることになり、アルバイトだった私はあっという間に首を切られた。(大して使えないやつだったので、この判断は正しいと思う)

社会人になって初めてのデザイン業界は、甘ったれた学生時代を過ごしてきた私にとって、だいぶ厳しいものだった。

長時間労働、安い給料、グラフィック案件の減少(デジタルデザイン系に流れていってた)。仕事の内容はとても楽しかったけど、また同じような環境の会社に就職するのは体やメンタルがもたないかもなと予感した。

そして私は悩んだ挙げ句、IT企業のデザイナー職に応募することにした。グラフィックからデジタルへの転身。未経験ながら運良く雇ってもらえることになった。そこからはWebデザインやUIデザインを叩き上げで学び、今まで10年以上ずっとデジタルのデザインを主戦場にデザイナーをやってきた。おもにUIデザイナーとしてずっとやってきた。

あの時グラフィックからデジタルに移ると決めた選択は自分にとっては正しかったと思う。

デジタル系の事業会社に入ったことで定時で帰れるようになったし(極稀に残業もあるけど、ほとんどなかった)、年収もかなり上がった。UIデザイナーの需要は常に右肩上がりで転職先などにも困ることはなかった。その結果メンタルや体の健康は保たれた。

UIデザインはチームで作業するもので、私はチームで何かをつくりあげることが好きだし、働き方として適性があったのも良かった。辛さは半減、喜びは倍増!それがチームではたらく醍醐味。今の本業の組織もとても好きだ。そういう面からも次のステップとしてUIデザインを選んで良かったと思う。

でも正直なことを言うと、一番ロマンや自分の情熱を感じるのは今でもグラフィックデザインだ。WebデザインやUIデザインも楽しいし好きだけど、自分の心に残るもので言うとグラフィックデザインの作品が圧倒的に多い。グラフィックデザインはロマン。永遠のロマン。

それでも自分は一度クビになったあと、デジタル系デザイナーに転身したことは後悔していないし、正しかったと思う。どんなに好きでも体壊したり、メンタルが壊れてしまっては続けることができないから。

私にとって大事だったのは情熱と年収とメンタル・体の健康、それぞれバランスのとれた環境を選ぶことだった。その結果UIデザインは正解だった。

それと同時に最初に学んだのがグラフィックデザインで良かったなとも思っている。グラフィックデザインもできるデジタル系デザイナーは意外と重宝されるし、いつだってグラフィックデザイナーとしても活動できるという土台があることは心の安定にもつながっている。

もしグラフィックデザインの土台がなく、始めからUIデザインだけをやってきていたら、私はいまだにグラフィックデザインへの憧れを捨てきれずに悶々とした日々を送っていたかもしれない。だから先に勉強しておいて良かったなとすごく思う。

ちなみに私にとってWebデザインはどうかと言うと、ほぼ趣味及び修行という感じでやっている。UIデザイン的な機能美とグラフィックデザイン的なビジュアル追求を兼ね備えたWebデザインという仕事は、どちらの気持ちも味わえるし良い修行になる。プレイヤーとしてのスキルを落とさないために、定期的にWebデザインの案件もやっています。

以上が私個人の体験記です。

結果的にグラフィックもUIもWebも全部やってるんだけど、ここ10年のメインはUIデザインで、UIデザインが私に安定した環境を供給してくれているからこそ、趣味や副業としてWebデザインやグラフィックデザインにも手が出せているという感覚があります。

ただUIデザインはWebデザインやグラフィックデザインよりも適性がはっきりと分かれる分野だと考えています。楽しいと感じる人もいれば、逆に辛く感じる人もいるかなと。そこで無理してUIデザイン選ぶと、それはそれでメンタル的にしんどくなると思うので、自分に合っているかどうかをしっかり見極めてほしいです。

違いを理解して自分の適性を判断しよう

Webデザイナー、グラフィックデザイナー、UIデザイナーの違いとして、デザインするものの違い、考えることの違い、美学の違い、採用需要の違い、年収の違いなどを説明しました。

これらの情報をもとに、どの分野が自分に合っているかを検討してみてください。これが皆さんが次のステップを踏み出すための一助となれば幸いです(о´∀`о)✨️


次のステップを学びたくなったらNOT DESIGN SCHOOLへ

NOT DESIGN SCHOOLでは、Webデザイン、UIデザイン、グラフィックデザインの3つのコースを用意しています。それぞれのコースは、駆け出しがさらにスキルアップできるようなカリキュラムになっていて、デザイナーとしての「次のステップ」を提供しています。

提供している3つのコース

1️⃣ WEB DESIGNコース(1年間)

参考サイトを切り貼りしてデザインしちゃってる人向け。上流設計の基礎、そして設計からビジュアルデザインに落とし込む技術を習得することで、ただ参考サイトを真似るだけではない、本質的に価値のあるデザインをクライアントに提案できるデザイナーを目指すコースです🔥


2️⃣ UIデザインコース(6ヶ月間)

UIの基礎、資産となるデザインデータの作成方法、ユーザー体験をもとにした画面設計を学び、ユーザーとチーム双方にとって価値を生み出すデザイナーを目指します🔥


3️⃣ グラフィックデザインコース(6ヶ月間)

グラフィックデザインの基礎から実践まで、課題を通じてデザイナーとしての表現力を高めていきます。印刷からデジタルまで、様々な媒体に対応できるデザインスキルを身につけることで、クライアントに対し媒体にとらわれない総合的な価値提供ができるデザイナーを目指します🔥

各コースのレベル感はこんな感じ💡

レベル感を図にするとこんな感じ

Webデザインコースは、少しでもデザインのことを勉強したことがある人であれば大丈夫です。未経験に毛が生えたレベルから即戦力まで1年かけて一気に駆け上がります。

グラフィックデザインコース、UIデザインコースはWebデザインコースに比べるとややアドバンスなコースになっています。ある程度デザインはできるようになったし、仕事も安定して取れるようになってきた、そんな人が次のステップに進みたいときに適しているコースです。

現在2025年1月開講の生徒を募集中です!

2024年12月15日まで来年開講分の生徒を募集しています。お申し込みは公式LINEの応募フォームより受け付けております。次回募集は少なくとも6ヶ月以上後になるので、この機会を逃さないようにしてください👍

NOT DESIGN SCHOOL公式LINE:
https://s.lmes.jp/landing-qr/2000954122-x3QJjBkK?uLand=uY3Vr3

NOT DESIGN SCHOOL公式LINE

NOT DESIGN SCHOOLにかける想いはこちらのnoteをご覧ください。立ち上げ当初に書いたnoteです。

では今回はこの辺で!
ばいばい 👋


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もち | デザイナー・経営者
読んでいただきありがとうございます!デザイナーのためになる記事を書けるよう頑張ります(^◇^)