世界一周旅行のために予防接種を打った話
GWも半ば、深夜に友人と電話していた私は「8月末には日本出発するわ。」と宣言していました。無知とは恐ろしいもので、この後自分の無計画さを思い知ることとなります・・・・。
旅慣れているわけでもなく、予防接種の存在すら知らなかった私がなんとか接種に漕ぎ着けた過程を記録しようと思います。旅初心者、予防接種に不安のある方に少しでも参考になれば幸いです。
世界一周するなら打ったほうがいい予防接種
結論から言うと以下です。
・A型肝炎
・B型肝炎
・破傷風
・狂犬病
・腸チフス
・黄熱病
なぜ予防接種が必要なのか?
私自身これまでよく分かっていなかったのですが、トラベルクリニックの先生とお話しして予防接種の重要性がよく分かったので自戒も込めて記録します。
・A型肝炎
経口感染(汚染された水や生野菜や果物などの飲食物を摂取することによって感染する)。感染すると発熱、不快感、食欲不振、強い腹痛や下痢などが起こる。日本以外のほぼ全ての地域で発生。
・B型肝炎
血液や体液を介してヒトからヒトに直接、もしくは汚染した器具等を介して感染。現地医療機関受診時に不衛生な医療器具を使用された、現地で性交渉したなど。
感染すると全身倦怠感や発熱、悪心・嘔吐などが起こる。ヨーロッパ以外のほぼ全ての地域で発生。
・破傷風
転んで怪我をしたり動物に噛まれたりした傷口から感染。最初は口が開けにくくなり、顔面や首の硬直、全身のケイレンや呼吸ができないなどの症状が現れて、人工呼吸管理を含めた集中治療が必要となる場合もある。全世界で発生。
・狂犬病
ウイルスを持つ野犬や動物に噛まれて感染。発症すると100%死亡する治療法のない感染症。インド・ネパール・東南アジア諸国・中南米諸国・アフリカ諸国で発生。
・腸チフス
汚染された飲み水や食物などを介して感染。食中毒の原因でもあるサルモネラの一種であるチフス菌による感染症。高熱・発疹・便秘が起こる。アジア、中東、東ヨーロッパ、アフリカ、南アメリカで発生。
・黄熱病
アフリカや南アメリカの一部に生息するある種の蚊によって感染。急激な発熱、頭痛、背部痛、吐き気、嘔吐、衰弱、出血傾向が起こる。予防接種を受けてないと致死率が極めて高い。アフリカでは入国時に接種証明書(イエローカード)の提示が必要。
こうして見ると現地で怪我をしたり動物に噛まれたり、医療機関に受診したりという場面はあり得そうですよね。
予防接種前に注意しなければいけないこと
予防接種の種類は分かったから日本出発前にまとめて打っちゃえ!となりそうですが、実は注意しなければいけないポイントが2つあります。
接種期間と費用です。これが私自身の無計画さを痛感するポイントでもありましたのでまたも記録しておきます。
接種期間
上記で挙げたワクチンにはそれぞれ接種回数と接種期間(間隔)があり、国内品か輸入品かによっても少しずつ異なります。
接種回数1回で済むもの / 難易度★
・破傷風(母子手帳で過去に接種していれば1回でいい)
・腸チフス(1回接種で3年有効)
・黄熱病(1度打ったらイエローカード生涯有効)
※黄熱病は1度打ったら28日間他のワクチンを打てないのでタイミングが重要。他のワクチンに比べて打てる病院がかなり限られているので要検索。(都内は東京検疫所や日本検疫衛生協会東京診療所等)
接種期間が1ヶ月で済むもの / 難易度★★
・狂犬病
3回接種要。1週間後に2回目接種、その3週間後に3回目接種と完了までに1ヶ月は必要です。この時点で出発直前に打っちゃお〜は出来ないですね・・・(笑)
接種期間が半年かかるもの / 難易度★★★
・A型肝炎
海外ワクチンだと1回接種で1年有効です。旅行期間が1年以内の方は大丈夫ですが1年半〜2年以上を見込んでいる方は半年後に2回目接種がいいようです。2回目接種で15年有効となるのでしばらくは打たなくていいですね!
・B型肝炎
日本ワクチンだと3回接種、海外ワクチンだと2回接種ですが
どちらも3回目/2回目を打つために前回接種から半年は空けなければいけません。これがネックです。
医師の方に伺ったところ3回接種の場合、1回目で1割定着、2回目で4、5割定着、3回目で完全定着とのことでした。半年後に打てないから2回でいいやとなりそうですが、5割定着と聞くと勿体無い気がしますね。
調べ始めると分かりますが、予防接種に関しては早めに検討するに越したことはないと思います。3ヶ月前から検討すると私のように焦ります。ただ最終的には裏ワザ(この後書きます)もあるのでなんとかなります。
費用
日本で打ったら高いです。
以上。で終わりそうですが参考に以下具体例を載せてみます。病院や国内品か輸入品によっても異なるので本当にご参考程度です。
・A型肝炎 16,000円
・B型肝炎 9,000円
・破傷風 4,000円
・狂犬病 17,000円
・腸チフス 13,000円
これ全部1回分の値段なんですよね・・・(笑)
ここまででお気づきと思いますが全て打つと10万は超えそうです。
期間や費用に余裕がない場合どうすればよい?
勘の良い方・旅慣れている方はお気づきと思いますがこれまでの話は全て日本で接種完了することを前提としています。
つまりは海外で打ってしまえばいいんですね。
全てを海外で打たなくても、接種期間が長いワクチンの2回目までは日本で打ち、残りを海外で打つこともできます。逆に、日本では費用が高い1回接種のワクチンも物価の安い国であればそちらで打ったほうがコストが抑えられます。
じゃあどこでワクチンが打てるのか?となりますが、実は外務省のサイトにかなり丁寧にまとめられているようです。バックパッカーはタイで安く接種するのが流行のようですが、その他の国でも対応医療機関と接種可能ワクチンが確認できるようです!
<外務省HP 海外渡航・滞在 世界の医療事情>
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html
地域別医療事情で渡航予定の国を選ぶと予防接種「現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら」とありますのでPDFで病院名と対応ワクチン、対応言語まで確認することができます!
ちなみに私は旅行前にフィリピンで2~3ヶ月語学留学する予定なので、フィリピンでA型肝炎・B型肝炎の半年後接種、破傷風、狂犬病、腸チフス、黄熱病を接種することにしました。
最終的にはなんとかなるというのはこの点でした。
初めてだから不安
英語力に自信がないし海外で打てるか不安、本当に5種類だけでいいのか?など、持病や体調いろいろな心配がある方にはトラベルクリニックをお勧めします。
不安はなくても日本で1回でも接種するならお世話になること間違いなしですが。
クリニックによっては渡航ルートや行きたい国を相談して、医師が自分にあったワクチンを提案してくれます。予防接種自体自費診療なので医師との相談も自費とはなってしまいますが、専門知識のある医師と話せるのは個人的にすごく安心しました。
私が実際に都内のトラベルクリニックで相談した際には、先生と地球儀を一緒に回しながら「この国に行きたいです。あ、あとこの国も。」というようにフランクにお話しできました。
「この国にはこの病気のリスクがあるよ。夜間は窓を閉めて外出しなければこれはする必要ないかもね。」と的確で具体的なアドバイスも頂けました。
また上述の外務省のサイトを教えて下さったのもトラベルクリニックの先生です。旅の全体像を伝えたので「日本で全部打たなくてもいいよ。」と最低限今打つべきワクチンだけ提案してもらえました。
母子手帳の接種履歴も見せたので、過去に日本脳炎の予防接種を打っていなかったことも発覚し、これもフィリピンで接種予定となりました。
医師との相談は3,000円でしたが、私は値段に見合った有益な情報が得られたなと実感しています。
トラベルクリニックに関する情報は以下で確認できるようです。
<日本渡航医学会 国内トラベルクリニックリスト>
http://jstah.umin.jp/02travelclinics/
長くなりましたが、今私の体内に入っているワクチンはA型肝炎・B型肝炎の1回目です。コロナワクチンより全然副作用が無かったので今日も元気に在宅勤務していました。クリニックではWHOのワクチン接種履歴パスが貰えました。
これからもドタバタ準備の様子を発信していきますので温かい目で見守って頂けたら嬉しいです!