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#9 AIと水(1)
お疲れ様です、ここから数回にわたって、AIと水の関係性について書いていきたいと思います。今回は概説と一番典型的な水処理場における活用について書いていきます。今回は適宜事例のところにリンクを付けていますので、時間があれば振り返って内容を追加していきたいと思っています。
1.概説
(出典 EY 水資源管理のデジタル化) コピペが多いのでご容赦ください。
このレポートとても概要を把握するのに理解しやすいです。
世界では水資源活用の需要が高まっており、その影響力は多くの国においてGDPが最大6%減少し、紛争が誘発されかねないレベルのものになってきています。
現時点では、水資源リサイクル・雨水貯留、および漏水・盗水対策の2つを中心に取り組みが進められていてこの分野でAI、IoTセンサー、データアナリティクス、スマート水道網、スマート水資源管理ソリューションといった新たなテクノロジーが、水資源管理インフラや排水処理施設、かんがいシステムの効率化等に貢献しています。
水資源リサイクル・雨水貯留
排水処理のプロセスは複雑処理水質を一定基準以上に保つには高度な技術を要し、処理施設の運用にかかるコストも高額です。AI、機械学習、産業IoTなどのテクノロジーと一緒に用いることで、運用の最適化と、汚水処理施設や雨水貯留システム、限外ろ過膜システムのエネルギー・化学薬品使用量の削減を図ることができます。
これにより、運用コストの低減と、安全性の向上も実現できます。
運用コストが低減できるだけでなく、電力消費量を抑えることによる環境負荷の低減にも貢献できます。
水処理施設で消費されるエネルギーの半分以上を占めるのは曝気(ばっき、エアレーション)によるものです。先進的なAIツールにより処理施設のデータを分析し、曝気装置の最適な運転方法を予測することで、エネルギー消費量の最大30%減少につながります。逆浸透(RO)膜施設、汚水処理施設、冷却塔から収集されたデータは、クラウドベースの分析プラットフォームに送られ、処理状況の予測、異常検知、問題解決に向けた情報取得に利用されます。
(どのような変数を学習させるのかという実例については後ほど説明します)
また、デジタルツインの活用によって災害などによる流入量の増加など不測の事態に備えるという技術も進んでいます。
漏水や盗水の検知
日本ではあまり馴染みがありませんが、水道管に流れている水をいかに漏らさないかというのは非常に重要な観点です。現在、漏水検知システムの大半は手動で操作されています。AIと機械学習のアプリケーションを利用すれば大規模な水道管路網の安全性を確保できるため、こうしたテクノロジーの利用は水道会社にとって有望な手段だと考えられます。
その他の領域
水位計測やリスク予測などのために、AIや機械学習モデルを貯水システム管理に導入することも可能です。AI搭載の洪水予想・予測システムに基づいて必要な対策を講じることで、災害による大惨事を軽減できている行政府もあります。また、農業や灌漑の適切な利用ということも薦められています。
2.事例(福岡市)
福岡市のインフラテックプロジェクト では水処理の流入量予測をエクサウィザーズ(AIソリューション系企業)・千代田工業・安川電機(電機系メーカー)・メタウォーター(水処理専門企業)等が共同で実施しています。主に気象データ・過去の気象データ・カレンダー等からのデータをインプットして流量を予測しています。
気象界隈では別に降雨予測によるダムの洪水防止等の活用が期待されているようです。
得られるデータの多さ的には大きなメーカーがスタートアップに勝てる筋はないと考えられるので、差別化要素についてはよりよく検討したいところです。
3.事例(海外 AinWater社)
・プロダクト
水処理プラントのエネルギー消費をAIで最適化・自動制御。具体的にはパラメータの最適化・プロセスの趣味レーション・動作報告・予測アラートと運用推奨・シンプルなダッシュボードによる動作の一元化を行います。
・社会的意義
水処理においては有機物を消費するための細菌を酸素を送り込むことが必要であり、酸素を送り込むところがエネルギー消費の半分を占めています。これまで送風量の判断等はコンピューターの計算を元にしつつもオペレーターの経験や知見に委ねられることが多く効率化できる余地があると考えられます。
・優位性
排水処理のエネルギーを30%削減し、プラントオペレーターの負担を軽減します。
・仕組み
各プラントのデジタルツインを作成することで、バクテリアの挙動をモデル化してプロセスの最適化を図っています。一般的に処理工程をAIに学習させるにあたっての教師ありデータはアンモニア・硝酸・酸素・リン・SS・流入下水量であり、これらを予測することで送風量を削減することが可能です。
4.考察
処理の効率化自体は多くの企業でAI開発が進んでいるので、地方のデジタル慣れしていない人でも使いやすい等ターゲットを絞って優位性を構築することが必要と感じました。
AIを活用したソフトウェアビジネスは着目する課題×技術の強みで優位性が決まると思っているのですが、優位性について正直あまり具体的にイメージができていないのでどう優位性を作っていくかを固めたいと思いました。この部分についてあまりにも抽象的なので次回はChatGPTを使ってこの分野でスタートアップが大企業がどう立ち向かっていくか議論する会をしようと思います。