見出し画像

#6 DeepTech編 海水淡水化

おはようございます。今回はたまたま海水淡水化についてたまたま面白い記事を見つけたので海水淡水化が何か?を紹介しつつ新しいビジネスの可能性について説明していきたいと思います。

Q1.海水淡水化とは何か?
海水淡水化は、海水から塩分を取り除いて淡水を作る過程です。主に逆浸透膜、蒸留、気化凝縮法などの方法が使われます。この技術は、淡水が不足している地域で水資源を確保するために使用されます。ただし、エネルギーコストが高いため、現在は限られた地域で使用されています。
方法としては逆浸透膜を用いた膜式脱塩が世界の3/4を占め、多段フラッシュ蒸留(MSF)、多重効用蒸留(MED)を用いた熱式脱塩に多く使われています。
逆浸透膜は、、半透膜を使用して海水から塩分やその他の不純物を取り除く方法の一つです。この膜は、水分子は通し、塩分や不純物は通さない性質を持ちます。海水を逆浸透膜に通すと、水分子だけが通過し、塩分や不純物は膜のもう一方の側に残ります。この方法は、エネルギー効率が高く、現在は海水淡水化の主要な方法の一つです。もしかしたら大学受験の化学でなじみの深い問題かもしれません。

2020年に69億米ドル規模に達しましたが、2030年には海水淡水化装置市場は166億米ドル規模到達見込みであると考えられています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002871.000071640.html

Q2.海水淡水化はなぜ必要か?
海水淡水化が必要とされている理由は、単純に水が足りないからです。日本のように豊富な水資源を有する国は世界の中でも珍しく、基本的には淡水資源に困っている国の方が多いです。
地域における淡水資源を決める大きな要素は基本的に降水量と人口密度です。水の供給として雨が降って川や海・ダムに水が集まり、そこから取水をしているので降雨量は重要です。また、どれだけの雨を受けられるかで国土面積が重要です。水の需要としては基本的に人口と消費量は正の相関にあります。面積が狭く人口が多い地域ほど水に困る、つまり人口密度が大きい地域ほど水の供給は困難になります。日本の人口密度は大きいですが、それをカバーしてあまりある降水量があるわけです。

Q3.海水淡水化の課題は何か?
ズバリ排水による高濃度塩水の環境問題と、製造過程での電力消費量です。
海水淡水化は「塩水である海水を、淡水ととても濃い塩水に分ける」という作業なので必然的にとても濃い塩水を含む廃棄物が発生することになります。これらは専門用語で「ブライン」または「リジェクト」と呼ばれています。現行の規制では、放流前に塩分をじゅうぶんに希釈するための高価な設備の設置が義務づけられています。濃い塩水は生物に対して悪影響を及ぼしてしまいます。

また、海水淡水化は処理途中にポンプにかかる消費電力が非常に大きく、消費電力を抑えるための工夫や太陽光発電など再生可能エネルギーとの組み合わせが検討されています。

https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101292.html

Q4.海水淡水化を利用した新技術とは?
これらの環境問題・エネルギー問題を解決するために動き出しているの研究は複数あります。
少し古い記事ですがMITではブラインを苛性ソーダに変換して淡水化プロセスそのものの効率化に役立つ物質にするという研究も実施されています。
また、かなり目新しい記事ですが、ニュージーランドのAquafortus社は処理困難な塩水から淡水や貴金属・鉱物を生産することに取り組んでいます。「この組み合わせにより、世界中の多くの地域で、水の利用可能性と重要なミネラルの豊富さを大幅に改善することができます。リチウム、銅、マグネシウム塩などの金属・鉱物を抽出できるそうです。

<感想>
海水淡水化プロセスの効率化におけるビジネスは他のプラント系の廃水処理の技術を応用できたり、逆に海水淡水化だけではなく他の工場とかに転用することによって市場が拡大していくのではないかと考えました。ただ、アカデミアの中ではなかなか他の用途で使えそう!ということに着目はしにくいためハブ人材というか異学門交流・産官学の交流ということが必要な分野ではないかと考えました。
薄い感想しか書けなかったので、もう少し勉強してみます。

以上、お読みいただきありがとうございました。