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秋の展示のご案内

この秋、2つの展覧会にて、それぞれ新作を東京で発表します。どちらも過去作をバージョンアップしたもので、システムは同じなのですが、テーマが異なります。ぜひ芸術の秋をお楽しみください。

[1] 呼応する

展覧会名:「呼応する / Koō-suru」

場所:東京藝術大学 愛住館(東京都新宿区愛住町2-5 最寄駅:四谷三丁目駅)

期間:2024年11月9日(土)~2024年11月24日(日)の金・土・日曜日に開館。(内覧会:11月8日(金)17:00- 参加希望の方はゲストリストに登録させていただきますのでご連絡ください。)

出展作家:イズマイール・バリー, 上田 麻希,ムナ・カッライ, スンナ・スヴァヴァルスドッティル, 易 雅静, トールステイン・エイフョーヅ・トーラリンスソン (サウンドパフォーマンス)

キュレーター:Anqi Li, 谷口 明日香, Ghada Hadil Ben Fredj, Katrin Bjoerg Gunnarsdottir, Rochio Cruz Toranzo

主催:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科

ウェブサイト:http://aizumikan.com/open/#next


関連プログラム

アーティストトーク|上田 麻希、スンナ・スヴァヴァルスドッティル
2024年11月10日(日)14:00〜15:30
参加アーティストを二名迎え、制作活動の関心や、本展に対して制作を行った際に意識したこと、展覧会全体についてディスカッションを行う。アーティストの視点から展覧会を理解する重要な機会となる。

展示作品:嗅覚のための迷路 ver. 6 -信号としてのフェロモン-

フェロモンというものは本当に存在するのか?という問いを、みなさんに試すインスタレーションである。

このインスタレーションでは、どれも同じように見えるボトルの中にいくつか、「フェロモン」と推測される香りを発するものがある。街で人が行き交うように、それがじぶんの周りを動き回る。

フェロモンに関してはいまだ不明な点が多く、さらにヒトにおいては、フェロモンを知覚する器官は完全に退化しているため、フェロモンの機能の可能性は否定されている。しかしわたしたちはよく、テレビの中の美しい俳優たちに、「フェロモン男優/女優」といった表現を使う。視覚に対して無理やり嗅覚的な表現を当てはめるのは、美しく輝くオーラや雰囲気に、否応なく惹きつけられる作用を表現したいからではないだろうか。

このインスタレーションの中に立ち、じぶんを観察してみよう。どうだろう、はたしてふと自分の横を通り過ぎるボトルに、そのようなフェロモンを感じることがあるのだろうか。無意識に惹かれたりするのだろうか。嗅げる・嗅げない、感じる・感じない、惹かれる・惹かれないなど、境目を問う展示である。

使用香料に含まれる、フェロモンと推測される成分:

  • アンドロステノン:

対象によって、不快な汗臭さ、尿臭さ、強烈な男性臭、白檀のような臭い、あるいは心地よい花のような臭いと報告されている。オスとメスの汗と尿の両方に含まれる。動物にとって、アンドロステノンの匂いは社会的な優劣を示すサインとして作用したり、交尾相手を惹きつける手段であったりする。動物によっては、この匂いがその動物の行動パターンに大きな影響を与えることもある。雄ブタの唾液中に高濃度で含まれ、発情した雌ブタが吸引すると、雌は交尾の姿勢をとる。人間が同じように影響を受けるかどうかは証明されていない。

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  • コプリン

コプリンは、ヒトや哺乳類のメスの膣分泌液に含まれる。これらは排卵の前に量が増え、準備の合図になると考えられている。しかし、ヒトの排卵は隠されているため、性的なコミュニケーション以外の理由で使用されている可能性があると考えられている。

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  • アンドロステノール

ヒトの尿中に存在し、ヒトやブタの血漿や唾液中、ヒトの腋窩汗中にも存在する。血液脳関門を通過する能力があるため、アンドロステノールは中枢神経系にも存在すると考えられる。動物では、アンドロステノールは抗不安作用、抗うつ作用、抗けいれん作用を示すことが分かっている。また、人間の行動や社会的反応を変化させることも発見されている。

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  • アンドロステロン

アンドロステロンは、尿中だけでなく、ヒトの腋窩や皮膚にも存在する。また、ヒトの皮脂腺からも分泌されることがある。アンドロステロンは松の花粉に天然に存在することが示されており、多くの動物種でよく知られている。アンドロステロンは匂いを嗅ぐと人間の行動に影響を与えることが分かっている。

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  • エストラテトラエノール

妊婦の尿から初めて発見され、エストロゲン性ホルモンに関係するが、エストロゲン作用はない。男女ともに鎮静作用と気遣い効果があり、社交的でお互いに親切になる傾向がある。

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来場時のご注意:

  • ご来場の際は、強い香りのフレグランスのご使用をできるだけお控えいただけますと幸いです。

  • 強い香りのフレグランスをお使いの場合は、他のお客様が作品をお楽しみいただけるよう、ご配慮をお願いいたします。

  • なお、当作品では、推奨基準内で香りを使用しておりますが、ご体験はご自身の判断でお楽しみいただければと思います。

[2] あきがわアートストリーム

フェスティバルについて:山の景観・郷の面影を惹きたてる現代アート体験を、東京の最奥・檜原村からあきる野市まで流れる秋川渓谷で展開する、山と紅葉をまるごとたのしめる芸術祭

展示場所「大きな蔵」:東京都あきる野市五日市841-1 (信号を南にまがってすぐ)JR武蔵五日市駅徒歩12分 西東京バス「五日市」徒歩3分

期間:2024年11月1日(土)~2024年12月1日(土)の金・土・日曜日に開館。

キュレーター:岡田智博

ウェブサイト:https://artstream.tokyo/

展示作品: 嗅覚のための迷路 ver.7 -森の相-

この作品は、風が運ぶ森の香りと、その移ろう瞬間を体感する空間インスタレーションです。鑑賞者の周りを優雅に舞う各ボトルからはロープを伝い、香りが常に拡散されています。風に乗った香りがもたらす、絶え間ないその相の変化が感じ取れます。

森の香りは一定ではなく、またさまざまな要素が一体となって混在しています。たとえば針葉樹のさわやかな芳香、むきだしになった倒木の樹脂の香り、そして雨上がりの湿った土、枯葉の舞うときに撒かれる香り、苔むす香り。それぞれにフォーカスして知覚しようとするとき、背景には常に他の芳香も混在しています。またにおいの刺激は、風や空気の動きによって私たちの感覚に届けられます。嗅覚の知覚はこのようにじつに複雑であり、そのことを感じ取ることができるでしょう。

東京都檜原村(ひのはらむら)には、天高くそびえる山々やエメラルドグリーンの渓流が広がっており、東京でありながら神聖ともいえる自然と、古から紡がれてきた森との生活が息づいています。この地が長い間、東京の中心部に杉や檜(ひのき)を供給し続けてきたこと、そして未来を耕す林業への敬意が、この作品には込められています。

使用されている香り:

  • 檜原村の檜(ひのき)

  • 土のアコード

  • 苔のアコード

  • 針葉樹のアコード

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