見出し画像

ソフトウエアエンジニアがワーケーションやってみた

こんにちは。とある企業でエンジニアとして働いております、makishyです。

コロナによる首都圏の緊急事態宣言後からフルリモートとなり1年以上在宅での勤務を続けております。

先日お付き合いのある企業からのお誘いで3泊4日のワーケーション実証実験に参加してきました。

最近、さまざまなメディアでも取り上げられるワーケーションですが実施例があまりなく実態もよく知られていないので、この機会にエンジニアとして働いてみた実体験を記事にしてみようと思います。

ワーケーションとは

「ワーケーション」とは、ワーク(お仕事) + バケーション(休暇)を組み合わせた造語です。ただ、その定義が曖昧なため今回の実証実験では、以下のように定義をしています。

温泉地に滞在して、雇用主に与えられた業務を4時間/日以上、8時間以内の労働を行うこと。

つまりバケーションだけでなくちゃんとお仕事しようね、ってことで。

滞在地の特徴

滞在させていただいたのは大分県別府市にある鉄輪(かんなわ)という地区です。(私は読めませんでした。。)

この地区の特徴は、なんと言っても徒歩圏内に多数の温泉宿や共同浴場が点在し、湯けむりがいたる所から立ち上がる情緒ある風景です。部屋からのんびり湯気を眺めてるだけで癒やされます。

画像3

滞在したお宿

ワーケーション期間中に滞在させていただいたお宿です。

画像2

明治時代からある建物を改装されたお宿だそうです。女将もオーナーも気さくな方達でとにかくすべてが素敵でした。

私はこちらの別棟に宿泊させていただきました。こちらの建物も素敵です。

画像3

和モダン、古民家好きの私にとっては、その場にいるだけで癒やされまくりでした。

やったこと • わかったこと

アプリ開発

今回、会社から決まった業務を与えられていなかったので、適当なお題を決めて通常通りの業務(チームメンバーとのアプリ開発)を行ってみました。

私の業務では、チームメンバーと音声通話アプリ(Discord)を常時接続し、ソースコードやデザインツールを複数人で共同編集しながらソフトウエアの開発を行います。

宿泊先のお宿のWifiに接続し、通常と同じスタイルでリモートのエンジニア、デザイナーと会話をしながらアプリのアイデア出しから構築までを約1.5日間で実施しました。(途中、取材などで作業中断したので開発自体はおそらく1日程度になったと思います。)

今回作成したのは以下のようなWebアプリです。

画像6

仕事へのストレスが溜まってきた従業員にリフレッシュのために最適なワーケーション先を提案してくれるWebアプリです。即席で適当にでっち上げました。

作業環境は以下のような感じです。

ワーケーション時の作業環境

開発マシン
    MacBook Pro 13インチ 2017
回線速度
    ダウンロード 約100Mbps / アップロード 約70Mbps (fast.com計測)
作業机、椅子
    あり
常時会話可能な個室
    あり

在宅時の作業環境

開発マシン
    iMac 27インチ 2019 + サブディスプレイ
回線速度
    ダウンロード 約60Mbps / アップロード 約20Mbps(fast.com計測)
作業机、椅子
    あり
常時会話可能な個室
    あり

在宅時に比べ開発マシンのスペックが劣るため、否応なしに開発効率は落ちましたが、それ以外は通常のテレワークと同等の作業ができたと思います。

正直、私は宿泊先のお宿でこんなに充実した環境に出会ったことがないため、ここでワーケーションできなかったら他で出来ないだろ!って感じですね。

オーナーはさらに回線速度を上げると張り切っていたので、今後にさらに期待です。

私の仕事のスタイルは条件をすべてを揃えるのが比較的難しい方だと思うので、このお宿であればいつもと同じように仕事が可能な方は多いのではないかと思います。

温泉で強制OFF/ON

入浴には温熱作用として2種類の入り方があるそうです。ぬる湯(38〜40℃)はリラックス効果、あつ湯(42℃以上)は体を興奮状態に導き、頭をシャキとさせてくれます。

画像6

私は、朝の始業前と昼休み中にあつ湯に浸かり、終業後ぬる湯でリラックスしてから就寝するようにしました。

徒歩圏内に多数の共同浴場がある鉄輪ならではのOFF/ONですね。

現地の方との交流

お誘いいただいた方の企画により、ツアーや交流会を通じて現地の方にいろいろなお話を伺うことができました。

画像6

地域の皆さんの鉄輪愛や鉄輪を盛り上げて行こうとする情熱、地に足をつけて活動されている姿に非常に感銘を受けました。

普段のカタカナ用語ばかりに囲まれた自分の仕事をふりかえりって、もっと地に足をつけて活動していこうと決意を新たにする非常にありがたい経験となりました。

所感

働く環境が見込める近距離のお宿ならすぐ始められそう

ワーケーションで現地に行く前に以下の情報を事前に把握できていると安心です。

回線速度
会話可能な個室有無
作業机/椅子有無

テレワーク主体の仕事をされている方であれば、おそらく上記が揃った環境であればすぐにでも実施できるのではないでしょうか。

お宿のサイトなどにはあまり設備の詳細情報が記載されていないので、ご自身と似たような仕事スタイルの人の体験記などは非常に参考になりそうです。

また、移動についですが、今回のワーケーションでは移動(飛行機 + バス)に半日程度かかりました。

ワーケーションを行うとなると、移動のための休暇取得か出張扱いでの業務調整かが必要となるため、移動時間の少ない近距離から始めるのが現実的な気がします。

もちろん、会社の制度上ワーケーションが許可されている前提ですが。

職場同僚の理解

ワーケーションを実施していると、ワークとバケーションの境界が曖昧になってきます。現時点では、リフレッシュを目的としたバケーションの要素が強いのでワーケーションに参加していないメンバーの不公平感に対してどう説明をつけるか制度設計が難しそうだと思いました。

ワーケーションしていない人からするとどうしても「うらやましい」という声がでてきますし。

「ちょっと温泉つかってきます。」「夕食の時間なので失礼します。今日は薬膳料理です。」...うん。たしかにうらやましい(笑)

ワーケーションを一般的に広めていくには許容できる職場の雰囲気づくりが必要になりそうです。まずはグループやチームみんなで利用してみるなど、不公平感がでないような仕掛けが必要だと思います。

たとえば、チーム立ち上げ時の合宿など特別なケースでの利用から初めてみるのも良いでしょう。

人材の流動化、副(複)業、地域創生への可能性

多くの企業にワーケーションを導入していくには、「ワー」の部分でより価値を生み出す仕組みや仕掛けが必要だと思います。

今回の滞在を通じて、企業と地域の方との交流を通じて、新しい何かを生み出すというのがその可能性の一つになりそうな気がしました。

私自身、今回の滞在で一番印象に残っているのが、地域の方のと交流でした。現地の方のお話を聞くだけでも、非常に多くの刺激をいただきましたし、自分の何気ないアイデアを地元の方に喜んでいただけたりして、この交流から新しい何かが生まれるような期待感がありました。

ワーケーションをきっかけに2拠点活動や副業というのも夢があって良いですね。これが地域の活性化に役に立つならさらに嬉しい。

まとめ

今回の実証実験を通じてワーケーションについて個人、企業、地元の視点で整理してみました。

(私個人の主観が入っているので偏りはかなりあると思いますが)

画像7

本格的な企業への導入はまだ先になりそうですが、いろんな視点から今後のワーケーションには期待したいですね。


最後に

今回のワーケーションは控えめに言っても最高でした。

企業が積極的に導入していくにはにはまだまだ課題もありますが、働く選択肢、可能性が広がるのは嬉しいです。是非ともたくさんの企業に導入が進んでほしいですところです。

最後に、余談ですが、今回の実証実験では定量的なデータを計測するため滞在初日と最終日にストレス値などの計測をしました。

61以上が高ストレス、20以下がストレスなし(下の方の数値は正確には覚えてない。。)でしたが、結果は...

実施前:63
実施後:3

私のストレスは消え去りました。これはすごい!

あとは、仕事のパフォーマンスを出すだけです。また連れっててください。(いや、自分で行けよ 笑

みなさんも是非ワーケーションお試しあれ



いいなと思ったら応援しよう!