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1年後の検査のお話(肆)
文字通りの紆余曲折を経て、カテーテルは(おそらく)私の脳大動脈に到達した(と思います)。
括弧付きの、何か物が尻に挟まったような書き方をしているのは、術中にあまり実感がなかったからです。血管壁ってつくづく痛覚ないのね('A`)
その細い管は、私の鼠径部から腎臓の間(腹部大動脈)を抜け、肺の間(胸部大動脈)から頸動脈を経由し、私の脳大動脈へという、非常に複雑な旅を辿るのでありました。
この旅、寝過ごしてただ漫然と直進すると、心臓に到達してしまいます。そうなったらただごとじゃなくヤバいです。
大動脈カテーテル、もっとなんかヘンな違和感があると思っていたんですが、そして脳内をグリグリされるもんだと思ってたんですが、私は幸い、北斗の拳のザコキャラみたいな奇声を上げることもなく、ただひたすら目を閉じて、「余計なことは考えまい」と心を無にしていることができました。
とある瞬間まで。
「つうぇぁ。。。」
別に実際そういう声を出した訳ではありませんが、突然、造影剤が注入される瞬間のあの感覚は、私も随分長いこと生きてきましたが、初めて味わいました。
わかるんですよ。太い血管から、毛細血管に至るまで、造影剤が行きわたる、あの「熱い」閃光が。
目を閉じてると、稲妻が瞼の裏に見えるんですよ。
そして別の箇所にもう一発。
そして仰向けに固定された私の顔の上の、でっかい撮影機材がにょんにょん動く。
「ちょっと体を斜めにして下さい」
はい、意識はあるのでそれくらいは自分で動けます。そしてまたにょんにょん。
たった二発の発射でしたが、確かにあれは「北斗神拳のような何か」でした。別に脳が破裂などしてませんが。頭蓋骨が真ん中から縦にずれたりもしてませんが。
--- ここまでずっと手術室内緊迫 ---
ひととおりの撮影を終え、挿れた時と同じくらいゆっくりと、カテーテルが抜かれていきました。
最後の手順は止血。そりゃそうです。大動脈に針ぶっ刺した訳ですので、抜いたらすごいことになります。
この止血、なんと主治医がやってくれてました。ひたすら圧迫。力仕事です。複雑な技術や経験の要らない作業です。それくらい助手や看護師に任せておけばいいじゃないですか。
それが、いつも顔を見慣れた主治医です。病院では結構偉い人です。安心できるような声もかけてくれました。これが今回の一番の感動秘話。
約一時間で検査は終了。この状態では歩いて病室まで戻れませんので、当然ストレッチャーでがらがら。。。
そして、病室で「地獄の6時間強制安静」
いやね、一年前に比べたら、楽ですよ。
検査も一時間で済みましたし、あの当時はベッドに何日間も拘束されてましたからね。これくらいちょろいちょろいw
安西先生、腰が、痛いです。。。il||li _| ̄|○il||li
(※ちなみに点滴は付いたままでした)