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ココロの声かアタマの声か

前回の続き

ようやく彼に会えたというのに。

「私、大阪に帰ろうか?」

そうすれば、と言われてしまえば終わってしまう。

覚悟を決めたつもりだったけど、私の声は震えて涙が出た。


「どうしたの?一緒にドライブしようよ」

なんだかとてもホッとして意地をはる気にもならなかった。


後で気づいたのだけど

子供の頃の私は「もういい!」とキレてしまうと

「勝手にすれば!」と母に返されてきたんだよね。


「どうしたの?一緒に行こうよ」って、本当は言って欲しかったんだな。

本当は「一緒に行きたいよ」って言って欲しかった。

私が必要、って言葉を求めてきたのは

どうせ自分なんて必要ない、と思ってきたから。


なんだかあの頃の私が癒された気がした。



その日はとても楽しかった。

今まで知らなかった彼の一面が見られて

ポジティブなことばかりではなかったけれど

全体的に彼といることは心地よかった。


それでも私のアタマは、前日の判断を手放せなかった。


この人は私に気がない。
これ以上、関係を続けることは無駄である。

それは私が傷つかないように守るため。


期待していたような進展は何もなくて

アリかナシかの二択になると思っていたのに

彼と別れた時の私の気持ちはずいぶんと複雑だった。


あれから10日ほど経って

友達に愚痴を聞いてもらって

すこしずつ落ち着いて

何もコタエは出ていないけど

ココロの声を無視しないことにした。



今後の展開は、神のみぞ知るってところかな。







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