コタエを知っているのはドコなのか
今回の旅の顛末を書こうとするのは
少々、気が重かったりする。
スイスに住んでいる彼が帰国している間に
大阪から埼玉まで会いに行ったのだ。
会ってみなければわからない、と
勝手に期待を膨らませないように気をつけてはいたけれど
会えば何か変わるのではないか、という期待はあったんだと思う。
会ってみた彼は
写真やビデオや話でイメージしていた感じとは
やはり少し違うし
話している声も
電話で聞くものとは少し違っていた。
わぁっ♡とトキメキを感じない自分にがっかりした。
なんだかしっくりこないまま
それでも今までやりとりしてきたように
なぁなぁな感じで会話を続けた。
遠方から来てくれた友達、として
気遣ってくれているのは感じたけど
なんで今その話題かなーっていう
ネガティブな話題が続いたり
彼自身、私を案内するのが思い通りにいかない部分があって
焦りのせいかイライラしてる様子に見えたり
わざわざ来たのになんだかなーという気持ちになった。
この「わざわざ来たのに」っていうのはアレやね、
被害者意識を拡大させるね。
せっかく会ったのに
友人として接されるだけで
何も進展させる様子のない彼に
向こうもトキメかなかったのだな、と判断していた。
私のこの9ヶ月は何だったの⁈という虚しい気持ちを感じつつ
それを確かめに来たのだから
これでよかったのだと自分に言い聞かせて
つまらない思い出にはしたくないから
できるだけ一緒の時間を楽しむようにした。
私の頭は
この人は私に気がない。
これ以上、関係を続けることは無駄である。
と判断していた。
よく考えれば
友人関係を続けることだってありなのにね。
本当のところ
彼に心を許しはじめていたのだと思う。
だからこそ、この何でもない扱いが耐えられなかった。
それくらい、私の心は弱くて狭くて小さいのだ。
翌日、私は彼に言った。
「私、大阪に帰ろうか?」
自分でも拗ねた発言だなーと思ったけど
自分ひとりで勝手に決めずに
彼の意見を求める聞き方をしただけでも
私にとっては努力したのだ。
残りの日程は二日あったけど
私はキレイに荷物をまとめていた。
そうしたいのなら、そうすれば。と言われる覚悟だった。
続きます。