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政府関係者の手記2

 最近頻発している、停電や機械故障騒ぎ。かねてよりレベリオの仕業ではないかと疑われていた事象だ。発生場所が中央区であるため、そんなことあるはずもないと思っていたのだが、その希望はあっさりと打ち砕かれた。

 現場付近に居た隊員の報告によると、周辺で出会ったある者の特徴が、どの隊員に確認しても完全に一致していたのだという。

 その報告を受けて、今まで静観していた軍上部が緊急会議を開いた。定例会議すら少ない軍の上部がこんな会議を開くなど、余程深刻な問題なのかもしれない。いつになくザワつく隊員の気を引き締めるかのように、程なくして会議で決定された事項が、軍各部に通達された。

『レベリオ特定個体:長髪赤眼の逃亡者を、マキナを停止させる者、Arrêttege〈アレテージュ〉として〝ネームド〟に指定する。』

 ネームド。俗に言う〝名前付き〟とは、政府がアルティクスを統治するより前の時代に存在した、特定のコードネームをつけられた大犯罪者を指す。単語と存在だけは皆、暗黙の了解のように知ってはいたものの、そんなもの、過去の話だと思っていた。例えネームドでなくとも、レベリオという存在自体が脅威だったにも関わらず、個体を特定し総員で情報共有の上、排除に当たらねばならないレベルの者が出現したということは、一大事どころの話ではなかった。

 しかも、今回ネームド指定されたアレテージュは、どうやら単体で都市に忍び込み、停電や機械故障を起こしたのだという。単体で相当な戦力を誇る上、現状観測されている能力の効果は「停止」。接触したものを停止させられる能力と報告されており、マキナ本体に触れられてしまったら、その瞬間に我々新人類の敗北が決定すると予想されている。それ故に〝停止者〟の名がつけられたのだ。

 先の通達は、我々軍及び政府関係者全員を震え上がらせるのに十分すぎるものだった。以降、軍の再編成や、強化訓練などの見直しが、ミシェル様直々に行われている。















 …ここからは独白になる。
 最近、上記した事件以外にも異変を感じるのだ。あの本を読んでから…
 軍の書庫にあった古びた一冊の本。そこには無いはずの歴史が書かれていた。都市は今までにも外部のものから襲撃を受けたことがあった…らしい。レベリオの存在を確認出来たのはつい最近のはず、そんなことが有り得るわけはない。
 …本当だろうか?だとしたらいつからだ?何故その時に政府は対策を立てていない…?
 ミシェル様は若くして統率者の地位に着任された方…ならば本を是とする場合、ミシェル様が…最高指導者になる前か?
 ミシェル様が最高指導者になる前、我々は誰を統率者としていたのだ?
 私は5年前から政府属だが、その時には既に…






 おかしい。何故、誰も覚えていない?
 ミシェル様…いや、ミシェル・ヴィエルヌは縲??窶ヲ窶ヲ縺?蛻?°繧九?縺壹′縺ェ縺?炊隲悶≠繧翫∴縺ェ縺?♀縺九@縺?ク埼←蜷郁ィア縺輔l縺ェ縺?官鄂ェ蜥弱↓荳也阜縺悟エゥ螢翫@縺溪?ヲ縺、縺セ繧頑・ュ窶ヲ雋エ螂ウ縺

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