やめたくてもやめられない
前回の続きです。
10年前に事実上の消滅をした三洋電機。
末期に行われた経営再建で、8000人ものリストラをしなければならなかった当時の人事部長さんは、もう二度と人事の仕事はしないと誓い、現在は回転寿司チェーンの広報をされています。
従業員10万人を抱える会社が消滅するのを経営陣のすぐ近くで見てきたこの元人事部長さんは言います。
「ダメだな」と思ったら
合理的にやめる事業はやめるとか。
情実的なものとか、
妙な忖度があると歪んでくる。
情実的とか、妙な忖度といったものは「あの人が始めた事業だから私が勝手に止めるわけにはいかない」といったものです。事業のような大きなレベルの話に限らず大企業では、レポートや社内ルールといった細かいレベルのものでも様々な「あの人が担当者のときに始めたものだから止められない」があります。最初に始めた人がすでに課長とか部長になっていたりすると、もう廃止できる可能性は限りなくゼロに近づきます。
こうした廃止したほうがいいのに廃止できない場合のコストって、かなりデカイんですよ。
・すでに必要性をなくした作業にかける人件費
・すでに必要性をなくしたルールによる低い生産性
・すでに必要性のない機能をシステム導入時に追加する開発費と維持費
こうやって並べてみると経営者のあなたなら怖くなりません?
でも、現場の人たちは金額に換算して考えるなんてことは稀だと思います。
すでに偉くなった人に楯突いて面倒なことになるよりも、ちょっとガマンすればいいだけですから。
こういうの、大企業だけだと思ってるでしょ…
小さな会社でも見かけますよ。
_________________
この投稿はメールマガジンでもお届けしています。ぜひご購読を。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?