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損をしかねない残念な習慣

前回は、業者さんに接する態度によっては損をする、という内容でした。

でも、なぜそんな接し方になってしまうんでしょう?

まだ、コンサルティング会社に入る前のこと、システムエンジニア時代です。
あるお客さんのところへ行っているチームから応援要請がありました。業界ではトップのメーカーさんです。
契約上は「自社でやるから対象外」としていた分野について、自分たちでやってみたら難しかったから担当者を入れてほしいということでした。しかも無償で。

お客さんのところへ行ってみると、この会社の情報システム部の方々は若手から中堅・ベテランまで「業者をイジメるのが仕事」と思っているんじゃないか、と思ってしまうぐらい。
私が到着するなり、まだ20代半ばぐらいの担当者が態度は横柄だし「なんで早くこなかったんだよ」って感じでネチネチと言葉で威圧にかかってくる。となりのブースで打ち合わせていたウチの課長もネチネチとやられていました。

これが連日なんですよ。

「必要ないと言っていたのに、自分たちじゃできないからなんとかして欲しいとお願いしてきたんだよね。なのにこちらが悪いと言わんばかりのこの対応ってどういうこと?」

私もまだまだ若かったですらね。
「あんたたちがそう来るなら、こちらもそのようにさせてもらいますよ」って感じで。

さすがにマズイと思ったのでしょう、部長さんが登場しました。
でもお話をしていると、部長さん自らが部下の人たちに業者さんに対するこういう扱いを教育しているんだな、というのを感じました。

私としてはそのような方々とは一緒に仕事はしたくないですから、2ヶ月ぐらいかけて必要最低限のことはやって帰ってきました。「お約束にはなかったことを無償でここまでやりました。スキルトランスファーもしました。あとはお約束どおりご自分たちでお願いします。」と。

それより少し前、業界2位の金融機関の情報システム子会社にいたときのことです。
社内をのっしのっしと肩で風切って歩き、社員に横柄な態度で接する二人組がいました。
親会社の「システム企画課」という部署の社員です。

あまりにもその横柄な態度が板についているので、二人とも40代の課長と課長代理ぐらいだろうとみんな思ってました。親会社から子会社へ出向してきている若い社員までもが。

ところが、その若い出向社員がその二人組のことを同期の友人に話したら、友人が二人組の若い方を「アイツ」呼ばわりするんだそうです。理由を聞いたら、まだ入社2年ちょっとの後輩なんだとか。

結局、二人ともまだ20代の主任と平社員だと判明しました。
「20代であんなに老けて態度もあんなにデカくなっちゃうんだ!?」とみんな驚愕。

金融機関は情報システムに多大な投資をしています。
どんなシステムをどれくらいの予算をかけて導入するか立案して決定しているのが二人組の所属する「システム企画課」だったんです。

あの頃の民間企業では、コンピューターは同じメーカーさんで統一しているのが一般的。
この金融機関のコンピューターは「お客様の言うことは絶対」を貫くダークスーツ集団。
このメーカーさんにとって自分たちの売上を決めているといっても過言ではないのが、システム企画課。
システム企画課の社員に対する彼らの接し方はものすごいんだそうです。

あの二人組の年齢の話題で盛り上がっていた私たちに「だからあの部署はああいう勘違い社員を短期促成&量産しちゃうんだよね」と親会社のベテラン社員さんが教えてくれました。

自分たちが損をしかねない業者さんへの態度。
組織風土が作り出しているのがおわかりいただけましたか?
ご紹介したのは大企業の一部の部署の例ですので、中小企業なら会社の風土そのものかもしれませんよ。

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