建具屋の子供
「建具」って知ってます?
「たてぐ」と読みます。
扉や窓などのことです。
現在はアルミ建具が主流ですが、
日本の家屋は伝統的に木製建具が
使われてきました。
障子(しょうじ)や襖(ふすま)が
代表的ですね。
明治以降はガラスをはめ込んだ
木製建具も作られるようになり、
田舎の木造民家では現在も
木製建具を見かけます。
冒頭の写真のような感じです。
平成の宮城県を舞台にした朝ドラ
「おかえりモネ」の永浦家は
木製建具でしたね。
古くから現在に至るまで、
日本の家屋に使われてきた木製建具。
日本の木造建築を受け継ぐ伝統技術が
ユネスコ無形文化遺産に登録され、
その中には建具製作も含まれています。
日本の伝統技術ですね。
さて私、牧野は、その日本の伝統技術
を受け継ぐ小さな建具店の三人兄弟の
末っ子として生まれました。
父が木工職人の修行を経て、
独立して始めた店でした。
工場(こうば)の中に自宅があるのか
自宅の中に工場があるのかわからない
くらいの小さな建具店。
その場所は、現在は取り壊されて
駐車場になっているのですが、
「こんな狭い土地だったのか!」
と驚かされます。
通いの職人さんが1人、
住み込みの職人さんが2人、
そして父を加えた4人の職人で
営んでいました。
住み込みの職人さんがいたので
朝昼晩の三食は職人さんと一緒。
お風呂も家族と職人さんが
交代で入りました。
人数が多いので次々に入らないと
最後の人が夜遅くなってしまうので
テレビ番組のいいところでも
前の人が出たらすぐに入らないと
父に怒鳴られましたね。
大人ひとり入るのがやっとくらいの
お風呂場でしたが、なんと檜風呂!
建具の木工所ですから、
木材の端切れが山ほどあったので、
お風呂は薪で沸かしていました。
贅沢でしたね。
当然、お風呂沸かすのは子供の仕事。
上手いもんでしたよ。
中学生くらいになると、
お風呂の薪として最適な長さに
端材を電ノコで切りそろえて準備する、
なんてことも日曜日のお手伝いでした。
そんな建具屋の息子が主催する
「二代目のための伴走Cafe」
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