”たてぐや”になりたかった子供
建具屋の家に生まれた私。
工場(こうば)と住居が一体でしたから
雨の日の遊び場は工場でした。
前回はこちら。
https://banso-sha.jp/blog/20211106/
端切れを集めて遊んだり
カンナ屑の山に寝転がったり
職人さんの仕事を眺めたり。
職人さんがノミやカンナの
刃を研ぐのを覗き込んだりも
していました。
砥石は真ん中だけではなく
幅いっぱいにまんべんなく使って
均一にすり減るように使わなきゃダメ
とか教えてもらいましたね。
自分で研いで使い続け、
新品と比べてとんでもなく短くなった
ノミやカンナの刃。
元の厚さの1/4ぐらいにまで
薄くなった砥石。
そんなのを見ながら
道具の大切さを知ったんでしょうね。
いまでも道具にこだわるのは
そのせいでしょうか。
父にくっついて現場にも
よく行ってました。
建具を入れる場所の寸法を測って
ノートに鉛筆で記入するのを
不思議そうに見てました。
どうしてこれだけの記号で
あれだけの建具が出来上がるんだろう?
って不思議だったんです。
もちろん、長さの単位は寸と尺。
父は鉛筆をノミで削ってました。
その鉛筆を耳にヒョイと挟む。
それ見て「かっこいいなぁ」って。
だから家に帰ると、
自分もマネしてました。
出来上がった建具の納品にも
ついていきました。
現場で建具を入れてみると
ちょっと合わなかったり、
ピタッと閉まらなかったり。
父はそんなのをその場で
チョイチョイっとなおして
しまいました。
建具がピッタリ閉まらない
ぐらいのことなら、
父の仕事を見てたので
いまでもチョイチョイと
自分でなおしたりしますよ。
工場の職人さんや父の仕事を
みながら育った私。
保育園の卒園アルバムで
おおきくなったらなにになりたい?
の問いにまこと少年は
「たてぐや」
と書いてました。
アルバムを見た父が
ニヤニヤしてたのを覚えてます。
”たてぐや”になりたかった少年が
大人になって主催する
「二代目のための伴走Cafe」
二代目ならではの苦労と喜びを
みんなで分かち合いませんか?
私も会話に参加します。
12月6日(月) 19:00-20:30
オンライン開催(zoom)
会費2,200円(税込)
▼ 詳細・お申し込み
https://banso-sha.jp/news/bcfa/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?