誰をバスに乗せるか
一昨日、琉球オフィスサービスさんが開催した Payke 古田CEO と比嘉取締役のトークセッションで感じたことをもう一つ。
会場から質問があり、「起業して2年経ち、現在も一人でやっているが、スタッフを入れたいと思っている。古田さんが採用のときに気をつけていることは何ですか?」というものでした。
この質問に対し、古田CEOは「最初に入れるメンバーは会社の空気を作る人達になるから、選びに選んだほうがいい。少しでも引っかかるところがあれば、その人は見送ったほうがいい」と答えていました。
この古田CEOの話を聞いていて私の頭に浮かんだフレーズが
「だれをバスに乗せるか」
ジェームズ・コリンズ著「ビジョナリー・カンパニー 2」の第3章のタイトルです。
ビジネス書の古典的名著になりつつありますね。その第3章から一部を抜き出します。(66ページ5行目〜67ページ4行目)
偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、つぎに目的地までの旅をともにする人びとをバスに乗せる方法をとったわけではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。要するに、こう言ったのである。「このバスでどこに行くべきかは分からない。しかし、分かっていることもある。適切な人がバスに乗り、適切な人がそれぞれふさわしい席につき、不適切な人がバスから降りれば、素晴らしい場所に行く方法を決められるはずだ」
飛躍を導いた指導者は、三つの単純な真実を理解している。
第一に、「何をすべきか」ではなく「だれを選ぶか」からはじめれば、十キロほど走ったところで行く先を変えなければならなくなったとき、どうなるだろうか。当然、問題が起こる。だが、人びとがバスに乗ったのは同乗者が気に入ったからであれば、行く先を変えるのははるかに簡単だ。「このバスに乗ったのは、素晴らしい人たちが乗っているからだ。行く先を変える方がうまくいくんだったら、そうしよう」。
第二に、適切な人たちがバスに乗っているのであれば、動機付けの問題や管理の問題はほぼなくなる。適切な人材なら厳しく管理する必要はないし、やる気を引き出す必要もない。最高の実績を生み出そうとし、偉大なものを築き上げる動きにくわわろうとする意欲を各人がもっている。
第三に、不適切な人たちばかりであれば、正しい方向が分かり、正しい方針が分かっても、偉大な企業にはなれない。偉大な人材が揃っていなければ、偉大なビジョンがあっても意味はない。
(コリンズ, ジェームズ (2001)『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』山岡洋一訳, 日経BP社 pp.66-67.)
経営者のみなさんいかがです?
起業間もない経営者さんにとってはとても示唆に富む内容ですね。
また、長く経営されている方にとっても、採用がいかに大切か再認識されると思います。
一方、お勤めの方にとっても、自分が間違ったバスに乗っていると感じていれば、降りて別のバスを探したほうがいい、ということになるでしょうか。
経営者のみなさん、適切な人たちをバスに乗せていますか?
お勤めのみなさん、自分に適したバスに乗っていますか?
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