ネーミングの妙
今日もアートコーポレーション名誉会長 寺田千代乃さんの「私の履歴書」(日本経済新聞)から。
オムロンの精密機器輸送に使っていたアルミボディーにペイントされた「OMRON」の文字をご主人のアイディアで同じ5文字の「引越専用車」に書き換えて引越事業を始めたそうです。
当初は寺田運輸の一部門として「寺田運輸引越センター」の名称で広告を出していましたが、引越の仕事が増え始め、運送とは違ったサービスも求められるため、切り離して別会社でやっていくことになり、社名を考えることになりました。
当時はまだ電話帳で業者を探す時代。電話帳で最初の方に載る社名を考えたそうです。調べてみると、掲載は五十音順でひらがなよりカタカナが先、文字より長音「ー」が先なことがわかり、「アー」で始まる社名にすることになりました。
その頃、アートフラワーの人気が出始めていた。「アートがいいんじゃない」「アート引越センターか」。こんなやり取りで社名が決まった。当時、カタカナの運送会社はほとんどなかったと思う。
(日本経済新聞「私の履歴書」寺田千代乃(9))
狙うべきは検索結果のトップ。
紙とデジタルの違いはあれど、これは今も昔も変わらないです。
余談ですが…
昔、社名を変える必要のあったある会社が、「AC」と略されていたライバル会社よりもABC順で前に出るため、まずはじめに英和辞書で「ab」からで始まる単語を探した、という命名エピソードを聞いたことがあります。
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