見出し画像

得られたものに気づくと、人生はもっと豊かになる【ユタカジン】

持っていないものが欲しいという願望は、世の中が豊かになるにつれ大きく膨らんでいるように思います。

特にモノの豊かさに囲まれて育っている現代の子どもたちは
「みんな持っているけど自分は持っていない」
という乏しい気持ちにさせられる環境。

いえ、これはもう、子どもだけでなく、大人も同じですね。

私たちの人生を本当に豊かにしてくれるのは、「得られないもの」への執着ではなく、すでに「得られたもの」に気づく力なのかもしれません。
私たちは日常の中で、当たり前すぎて気づかないものに囲まれています。それらを意識していくと、人生はまったく違う色彩を帯びて見えるようになると思うのです。


今回は、タスクシュート協会の理念「自分らしい時間的豊かさを追求する」に沿いながら、私が感じている「得られたものに気づく力」についてお話したいと思います。
※こちらの記事は、タスクシュート協会公式マガジン【ユタカジン】に寄稿しています。


得られたものに気づくとは?

「得られたもの」とは、モノだけではなく「時間」も含まれます。
私たちが日々得ている最大の資産は「時間」そのものかもしれません。

買い物で手に入る商品は目に見える形で物理的に得ることができる一方で、「時間」という得られたものは目に見えませんが、私たちに選択の自由と可能性を与えてくれます。

たとえば、家族と過ごす1時間や、一人静かに読書に没頭する30分。それらは「今ここにある時間」として贈られた、大切な資源です。

しかし、時間は消費されるスピードが速い上に、手に持って確認することができないため、私たちはその価値に気づきにくいものです。目の前に置かれたプレゼントのように鮮明ではありませんが、人生を豊かにするためには、この「時間」にフォーカスを当てることがとても重要だと思うのです。

「時間」という得られたものに気づき、それを最大限に活用するためには、自分がどのように時間を使っているのかを知ることが重要です。そのためのシンプルで効果的な方法が、毎日の行動記録をつけることです。
ただ、ここには注意が必要です。

理想と現実とのギャップを埋めようとしていた日々

私が3年前に毎日の行動記録を付け始めた時は、このような認識を持っていました。

\\  \\ // //
行動記録をつけると、自分が思い描いている理想の生活と現実のギャップが明確になる
// // \\ \\

例えば、

理想:午前中にウォーキングをして健康的な1日をスタートしたい
現実:朝の家事をしているうちにテレビの情報番組を見始め、そのまま時間が過ぎてしまった。午後から雨が降り出し、ウォーキングは結局できなかった。

理想:午後に気になっていたクローゼットの整理整頓を済ませたい
現実:整理を始めると、懐かしいアルバムや使わなくなった服が気になり、思い出に浸っている間に夕方になってしまった。

理想:夕方から趣味の手芸に没頭し、完成まで仕上げたい
現実:夕飯の後に少しだけ手芸を始めたが、途中で疲れてテレビを見ながらうたた寝。完成は翌日に持ち越しとなった。

など。

以前はこのように、自分が持っていた理想どおりに行動ができなかったことを反省していました。

~このままでは成長できない、変化できない~

いつからか、「自分が決めたことなのだから、できるはず」と疑わず、ただただ自己否定ばかりしていたのです。このままではダメだと。

理想と現実とのギャップを埋めるための具体的な行動計画を立てる必要があり、その計画通りに実行すべきであると信じて疑わなかったのです。

つまり、その具体的な行動計画も、結局は反省の材料となってしまう負の連鎖になってしまったのです。

自己否定から自己肯定へ

なぜ、こんなに自己否定をしてしまっていたのでしょう。

一見、自分にムチ打って奮い立たせている様子は、「いつも成長することを目指して頑張っているカンジ」がします。もしかするとそんな自分に、どこか安心感のようなものを持っていたのかもしれません。

気づくといつも「自分はぜんぜん成長しない」と自己否定のダメ出しばかり。

実は、この自己否定こそ、前に進もうとする自分の足かせになっていたのです。

このように、自己否定にとらわれていた頃の私は、得られた成果よりも達成できなかったことばかりに目を向けていました。

解釈を変えることで見える「得られたもの」

しかし、「現実を容認する」という解釈にシフトしてからは、行動記録を振り返るたびに、「こんなにたくさんのことを得てきたんだ」と気づけるようになりました。

大切なのは、理想は未来への指針として持ちながら、今ここにある「得られたもの」を認めることです。

たとえば、記録からはこのようなことがわかります。

現実:朝の家事やテレビを見ているうちに時間が過ぎ、ウォーキングができなかった。
解釈:ウォーキングはできなかったけれど、朝の家事を丁寧にこなし、久しぶりに自分のペースで情報番組を楽しむ時間が取れた。今日は体を休める日だったのかもしれない。

現実:整理を始めたものの、懐かしいアルバムや思い出の品に手が止まり、片付けはほとんど進まなかった。
解釈:片付けの途中で昔の写真や手紙に触れる時間を持てたのは、かけがえのないひとときだった。大切な思い出に改めて感謝しながら、少しずつ整理を進めていこう。今日少しでも動き出した自分を褒めてあげたい。

現実:手芸に取り組んだものの、途中で疲れて休み、完成まで至らなかった。
解釈:作品は完成しなかったけれど、忙しい中で趣味に手を付ける時間を取れたことに満足している。好きなことに集中できたこの時間は、心をリフレッシュさせてくれた。完成は楽しみとして明日に残しておこう。こうして何かを作る喜びがあることに感謝しよう。

このような解釈をすることで、日々の中に「すでに得られている豊かさ」が見えてくるのです。

理想はあくまで理想

行動記録を続ける中で、気づいたこと。それは、
「理想と現実は、そもそも同じ土俵に乗せるものではない」ということです。

理想はあくまで理想です。「こうありたい」と思い描く未来に向けた指針であり、常に少し先にあるものです。

一方で、現実は「今ここ」にある、私たちがすでに得ているものです。この2つを比較してギャップを埋めようとしたり、自己否定を繰り返すことにどれほどの意味があるのでしょうか。

理想は遠くにある目標であり、現実はその道中にある「得られたもの」の積み重ねです。どちらか一方だけを見つめるのではなく、両方に目を向けることで、人生はもっと豊かに感じられるでしょう。

「得られたもの」に気づくために

行動記録をつけて、今ここにある「得られたもの」に気づいてみませんか?
私が使っているツール、TaskChuteCloud2は、行動記録をシンプルにつけられる優れものです。

今回、この記事を寄稿している「タスクシュート協会公式マガジン【ユタカジン】」には、多くのタスクシュート認定トレーナーが、その使い方や考え方をさまざまなアプローチで毎日更新しています。ぜひ、日々の生活にお役立てください。

おわりに

一日を振り返るとき、理想に到達していない自分を責めるのではなく、「今、得られているもの」に目を向けてみてください。それがきっと、毎日を豊かにする第一歩となるはずです。

最後までお読みくださりありがとうございました。
タスクシュート協会公式マガジン【ユタカジン】が、あなたの時間的豊かさを追求する「友」となりますように。

いいなと思ったら応援しよう!