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缶コーヒーと庭師

夏休み前の7月上旬、小学校に子供を向けに行った帰り際(山間部なので)
近所のおじさんから、「お父さんにもほい、やるわ」と微糖の缶コーヒーをもらった。


基本的に缶コーヒーは飲まないんだけど・・と頭をよぎったけれど、
頂けるものはありがたく頂く、という姿勢を人生の基盤としているので
ほとんど条件反射的に「わあ!ありがとうございます!」と受け取った。

もらったは良いものの、自分では飲まないし・・・とりあえず冷蔵庫にしまっておいた。


自慢ではないけど我が家は物持ちが良く、冷蔵庫も結婚当初に購入して、
かれこれ10年以上同じものを使い続けている。
その当時は子供が3人もできるなんて思ってもなかったから
当然、小家族用を購入した。


そんな狭い冷蔵庫のトアポケットの、飲まれるアテのない缶コーヒーにため息をついていたが、
そのうち見慣れてしまい、缶コーヒーは景色になった。



季節は巡り10月、大家さんが手配した庭師が庭木の剪定と草刈りに来た。
刈ってほしい場所、残してほしい箇所をざっくり説明し、

お任せして2時間ほど、刈り払い機とチェーンソーの音がしばらく止んだときに、ハタと気がついた。
これって、まあお茶でもどうぞ、のタイミングじゃない?


慌ててお湯を沸かしてる最中に、再びチェーンソーの音。完全にタイミングを逃してしまった。
あぁここの家主はお茶もださねぇのかと思われたたどうしよう・・。
とりあえずお茶は淹れて、またタイミングを図ることに。
そうこうしてるうちにドアベルがなり、「終わりましたー」との声。

ちょうど昼飯の準備と思って冷蔵庫を開けていた時、
目の前の缶コーヒーと目があった。


キンキンに冷えた缶コーヒーは、
10月とはいえ盆地の日差しの中、汗びっしょりになって剪定してくれた庭師に、
「冷てぇ~!」と喜ばせるに適した差し入れでした。


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