坂バカには絶対なれないオヤジが、天国に近い?! 福島の浄土平に登ったのでした。
朝方とはいえ夏真っ盛りに、えっちらおっちら上り坂をひたすら40キロも自転車こぐとか、意味わからないですよね、まったく。
東京から福島、猪苗代まではお得意の(?〕車載。
道の駅猪苗代に、日の出前に到着して、着替えて、自転車準備。
日の出を待って走り出しました。
磐梯吾妻スカイラインの頂点(たぶん)にある浄土平。
福島駅からだと距離30Km、獲得標高1500m。猪苗代からだと距離40Km、獲得標高1100m。
どっちが得かよーく考えてみよう!!?
(という欽ちゃん、萩本欽一さんのセリフ、今どき誰も知らないよねぇ、、、)
僕はといえば、上り坂道は大嫌いなので、獲得標高の少ない猪苗代側からのルートをお得だなと思うわけです。
ロードバイク乗り界隈では、坂道の好きな人、坂道の速い人を、尊敬や親しみを込めて、坂バカと呼んだりしますが、オヤジは程遠い。
坂は嫌い、、、。
上り坂道が嫌いならば、そもそも浄土平なんて目指してはいけません。
が、山の中走るのはやはり気持ち良いのですよね。辛くても苦しくても、走っていて楽しい。
福島駅からだと30Kmの間に1500m分も登るわけですから、エグいですよね、かなり。
比べて、猪苗代からだと距離が10Km多い40Kmの間で、400m分も少ないわけですから、、、お得です。
どっちが得かよーく考えてみよう!
欽ちゃんは間違いなく猪苗代ルート!
オヤジも猪苗代ルート!
超早朝でしたから、道の駅はパーキングとトイレしか機能してませんので、朝ごはんは走り出してすぐのコンビニでゲットモーニングしました。
おにぎりと菓子パンをお腹に収め、麦茶をボトルに、ポカリペットボトルをサドルバックに収めて、さて、いざ、山へ!
猪苗代湖を背にして走り出し、最初の10キロはほぼ平坦です。ほぼ、です。
上り基調の平坦です。緩やか〜に上りです。、山裾に向かって走るわけですからね、上りますよ、最初から。
朝の少し涼しげな空気が心地よく、鼻歌まじりで進んでいけます。
早朝ながら、車はわりと走ってます。5分に1度、3、4台が抜いていく。
あっという間に街中ではなくなり、集落間の道という感じになって、、、そして、突然に道に猿が!!
進路5メートルほど先の道を猿が3匹横切りました。
うわっ!! と思うも束の間、横切った右先を見たら、、、なんと、20匹くらいの猿が!!
襲われるのでは!?
という恐怖心で、上り基調の平坦をフルスピード加速。
いやぁ、怖いっす、猿もあんなにたくさんいたら、ほんと怖い。
幸いなことに、ついてくることはなく。
(しかし、このあと何度も、サルの集団に出会しました。あとで地元の方に聞くと、めっちゃ増えていて作物の害が酷いらしい)
次の10Kmは、ほぼほぼ緩やかな上りです。
緩やかですが、ずーっと上りです。
こんな感じでいって、ところどころきつめの上りかな?
そんななら、いけそうじゃん。(横浜育ちなので、じゃん、です)
楽しく走れそうじゃん。気持ちいいじゃん。
土湯トンネル自転車通行禁止、という看板があり、ん? 道を自転車ナビタイムで確認。
おお、この先で細めの道に入るのね、とわかりホッとしました。
気づかず進むと、自転車の通れないトンネルに向かってしまうところでした。
自転車ナビタイムに従い、Uターンするように右折して、細めの道に入りました。
片側1車線ずつギリギリ幅の道です。旧道、って感じです。
走り出してちょうど20Km。
ここからはまったくほとんど車は来なくなりました。少し不安に。しかし、ナビタイムを信じてますから大丈夫。
けれども、車も何もこない山の中の道をひとり自転車で登っていくのは、微妙に怖い。
そうそう、僕は見かけによらず(?)怖がりです。かなり怖がりです。
猿に襲われたらどうしよう?
まさか熊とかいないよね?
ビクビクしつつ、登っていきます。
と、道の端っこにときどき、真っ黒な大きなウンチがあることに気づきました。
すごく大きいうんちです。直径20センチ、高さ3センチです。
まさか、、、熊の、、、うんち、、、ではないよね。
さっき車に抜かれてから10分くらい経ちます。
誰もきません。
歌い出すしかありませんでした。
だって、怖いのですから。
歌いながら、上ります。
大好きなロック、、、を歌うには、上りがキツイ。熊よくるなという即興創作曲を歌いながら上ります。
もうひたすら上りです。ずーっと上りです。
ずーっと上っていると、平衡感覚がおかしくなるんですね。
あれ、これ下りかな、、、って思い、ペダルを回すのを緩めると、すーっと止まりそうになります。あ、上りなのね、と気づきます。
息が上がり出します、歌はもう歌えません。
小声で、よいしょっ、こらしょ、、、エッサ、ホッサ、、、と繰り返し上りました。
これは発明でした。
よいしょっ、こらしょ。エッサ、ホッサ。
この繰り返しは、なんだか登れます。
僕は、ここのところ、腕時計Garminをメインのサイコンにしてます。
走行距離とスピード、走行経過時間が見られるので必要充分。気に入ってます。
走り出して20Kmからのひたすらの上りは、いくらペダルを回しても、何回も何回もよいしょっ、こらしょとエッサ、ホッサを繰り返しても、走行距離が伸びていきません。
まだ24Km、、、まだ27Km、、、30キロまでがとてつもなく長がった。
浄土平までは走り出した猪苗代から40Kmだから、あと10Km。。。
最後の10Km、ほんとキツかった。
もうね、Uターンして下って帰ろうかと何度も思いました。なんでこんな坂上ってるんだろう??
仕事でもないし、賞金出るわけでもないし、褒めてもらえるわけもない、なんなら、坂なんて上って阿呆なのって思われるだけだし、、、。
32Km地点、あと8Kmってところで、右脚がちょっと痛いぞ、、、攣りそうに。
仕方なく、ペダル踏み込むのはやめて。
最も軽い変速にして、ゆっくりくるくる回して、諦めずに上りました。
だけど、ひとつ思ったのは、、、昨年よりラクになってる気がする!!
昨年、ロングライドのいくつかの大会での上り坂道をひーこらいってなんとかクリアしたときより、なんかラクかも。
ラクというと語弊があるのだけど(ちっともラクチンではないからね)、去年いくつかのキツイ上りやったときよりは進める気が。
途中、道に標高の表示が。
疲れて倒れそうになりつつ、自転車だけ倒して写真。
そこからまた、腕時計Garminの距離を何度も見て。
あと7Km、5Km、、、2Km、、、。
着いたよ。
視界が開けて、そこが、天国に近い、、、浄土平。
風強し。
レストハウス前にサイクルラックがありました。
が、風が強すぎて落ちそうなので、ラックの足に固定。
うどんを食べて、コーヒーを飲み、休憩。
福島駅側から上ってきたサイクリストと会話。
キツイよね、と。でも、気持ちいいよね、最高だね、って。
達成感、、、まぁ、あります。
それよりも、遅くても、苦しくても、辛くても、やめないで必死に進むのが好きなのかもしれない、その最中が実は好きなのかもしれないとあらためて今さら気づいたのでした。
(後編、40Kmのダウンヒル最高!へつづく)