【セルフライナーノーツ】#12.明日もみんな笑えるように【MAGICAL MOMENT】
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#00.プロローグ
#01.FOR THE MAGICAL MOMENT
#02.モーニングサービス-Album ver.-
#03.STEP IN
#04.ゆるり
#05.冷たい手のひら
#06.勝負パンツ
#07.EAT 'N' FIGHTER
#08.未来予報士-Album ver.-
#09.ボクとキミのヒビ
#10.夕陽の記憶
#11.質疑応答
振り返れば3ヶ月ぐらい書き続けてきた計算になるのか、と少し感慨深くなりつつ、ここまで辛抱強く読んでくださった方へ心から感謝いたします。改めてフルアルバムって曲数多いね。笑
では今回もどうぞよろしくお願いします。とうとうシリーズ最終回。
CDご購入はBASEオンラインストア「万貴音屋」で。
「明日もみんな笑えるように」楽曲クレジット
作詞:小田貴音 作曲:小田貴音 編曲:万貴音
【楽曲解説】
万貴音の代表曲とも言えるピースソング。実はアルバムの位置付けとしては「カーテンコール」的な立ち位置を意図して作った曲だったんですが、こんなにもたくさんの方に愛される曲になるとは。広島市成人祭のテーマ曲になったり、NHKラジオの「広島版みんなのうた」に選ばれたり、FMはつかいちの平和特番のテーマ曲になったり。まだ公開されていないけど、とある方からの依頼で合唱アレンジをしたりもしました。ありがたいねえ。。
広島に生まれ育ったから、だけではないと思うけれど、平和や8/6について考えるのはすごく大事にしたいことで、何かしらの形で音楽にしよう、という思いは昔からありました。ただ、それをストレートに表現する選択は、当時の自分はしませんでした。テーマの大きさを自分で咀嚼しきれないと思ったのかな。ならばもっと自分が身近に感じられる気持ちで表現してみよう、と思って書き上げたのがこの形でした。
過去の悲しみから学び、笑顔で過ごせる未来のために、今何を感じて生きるのか。
まずは自分とその周りの人たちの笑顔を大切に思うこと。それが少しずつ大きな輪になって広がって、大事な「和」になるんじゃないか。喜びも幸せも、自分の周りに「誰か」がいてこそ感じられるもの。「あなたと笑っていられる今を愛しています」という感情が広がっていけばいいな、という思いを込めて書きました。
そうして歌詞を書き、メロディを作り、音を重ねていった後、相方の中原万貴がそこに「手話」をもたらしてくれました。CDだともちろん分からないのですが、ライブでは必ず手話を入れて演奏しています。少しでも多く、少しでも遠くまで気持ちを伝えたくて。聴いてくれる人の中にも一緒に手話をしてくれる人がいて、すごく救われた気持ちになります。
歌詞の解説をメインに据えたかったのでここで終わればいいんですが、少し蛇足情報を。前述したようにこの曲はカーテンコール的な立ち位置で制作したんですが、その上で少し「即興セッション」的な作り方を意識してまとめたんです。ボーカル含めた各楽器のレコーディングテイクは極めて少なめ、多分ほとんど3テイクぐらいで録ったんじゃなかったかな。なので他の楽曲よりプレイに若干粗さもあります。録音物として残すには、そりゃできるだけ綺麗なテイクを残したほうが良かったのかもしれないけど、この時の集中力とか気持ちとかは大事な経験値になってるんじゃないかな、と思います。
【音の解説】
ミディアムテンポ、ハネ、コーラス多めのアコースティックセッション編成。ゴスペルと分類するにはブルース要素がかなり欠けてると思うけど、たくさんの声を重ねると少しだけそれっぽい形に近づいた気がしてます。感謝の音楽というところは一緒か。
楽器での最大の特徴はやはり「パイプオルガン」。当時は音色を細かく作る選択肢はなかったんでフルドローバーの派手な感じになってますが、それでもオルガンのイントロが鳴ると背筋がシャンとします。ちなみにイントロと間奏以外は音色を「ゴスペルオルガン」に切り替えてます。バックでずっと鳴らすには、パイプオルガンじゃちょっとごつすぎる。笑
この曲についてはコード進行を解説するのが分かりやすいかな。音楽やってない人でも聞いたことがあるんじゃないかと思いますが、「カノン進行」でコード展開させています。
これまで数々のヒットソングでも使用されてきたコード進行。経験してみれば使い勝手の良さが分かります。非常に自然な流れが作れて、違和感がない。作曲において「違和感を作る」というのはとても大事なことなんですが、その前提として音楽は「調和」で成り立っているんです。なので「自然に聴こえる」「聴きやすい」というのもまた大事。
間奏部はパイプオルガンのソロにしたので(ライブではボーカルのフェイクが入ってくるとこです)、どうせならと思って実際のカノンのフレーズを弾いています。拝啓パッヘルベル様、あなたの響きに今も世界中の人が癒されていますよ。
男女で歌い分けるメロディメイクをするから、というのもありますが、この曲はかなりボーカルの声域が広くなってます。下にかなり広がってるので、一人で歌い切るのは困難。ファルセットが得意な男声ならいけるかな?その特性を活かして、混声四部合唱とかにしても映える気がします。
【あとがき】
まずは自分と自分の周りが笑えるような今を目指すこと、その輪が広がればもっと大きなピースになると信じて制作した「明日もみんな笑えるように」の楽曲解説でした。悲しいことに今も涙を流し続けている場所があり、人がいる。一刻も早くその涙が止まることを心から祈っています。
全12曲、自分なりの濃淡で解説させていただきました。最後までこのシリーズにお付き合いくださった方には「お疲れ様でした」と労いたい!笑
2008年リリースの作品、今でもたくさん歌っているものもあれば、ごくレアなタイミングで歌うものも。どれが優れていてどれが劣っているか、ではなく、全ては「今」のタイミングと選択。どの曲も心から愛しています。CDを手に取って、あるいはライブで聴いてくれる人にとって、アルバム「MAGICAL MOMENT」の曲が日々の潤いの一部となれていたなら、こんなに嬉しいことはありません。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
過去を時々振り返りながら、ぼくたちは今の自分達を鳴らしていきます。
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