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【セルフライナーノーツ】#0.プロローグ【「  」】

小田貴音です。

新たに万貴音のアルバムのライナーノーツを書いていきます。リリースからもう干支が一周してしまった作品ですが、今改めてスポットを当てることで興味を持ってもらえる人が増えればいいな、という親心です。初めて聴くアルバムは、いつでもその人にとっての新譜だ。

今回紹介していくのは3rdミニアルバム【「  」-kuh-hak-】。


・アルバム概要。

万貴音 3rd Mini Album「  」-kuh-hak-
mknr-0006 2010.03.10 Release

【「  」】で「くうはく」と読みます。括弧の間は全角2文字、そのスペースに入るのは万貴音か、あなたか、何者か。タイトルを括弧類にすると文章が書きづらい!笑 こういうのもやってみて分かることですね。

万貴音結成当初、楽曲制作はZOOMのMTR(マルチトラックレコーダー)を使っていたんですが、2009年の春にiMacを入手したタイミングで制作ベースをDTMに移行。そこから現在に至るまで、DAWはAppleのLogicを使用しています。

今回紹介するアルバムは、制作環境を一新してから初めて作った作品、ということで大きな転換点でした。音楽を作るための机と絵具、道具が一気に広がった。ただしそれを使って何を描くのかはあくまで人間なので、より自分の音楽の可能性を試される場所に足を踏み入れたわけです。リリースの時は過去一番緊張したかもしれません。笑
余談ですが、この変化で小田が本格的に外注制作の仕事を請けるようになりました。慣れるまでは結構時間かかったけど、おかげで今がある。

この作品は現在サブスク配信しておりませんので、興味がありましたらぜひオンラインショップでお買い求めください。さっきも貼ったけど。笑

今までもライナーノーツ読んでご注文いただいた方がいらっしゃるので、その未来は小田の手の中にあるということか…!


・楽曲一覧。

01. Twinkle(2009年度広島女学院大学オープンキャンパスCMソング)
02. カッコワライ
03. 寝癖
04. ただ、二つだけ
05. 2ベル

ミニアルバムにしてはコンパクトな5曲入り(個人的には4曲入りまではマキシシングルっていう意識がある)。楽曲の方向性は爽やかポップからクセ強ヒネクレロックまで、と相変わらず自由奔放で、いわゆる「勝ちパターン」などは考えずに作ってまとめたものです。昔「特定の方向性(ジャンル含む)に特化しないと売り込みにくいんだよなー」ってアドバイスをいただいて悩んだ時期もあったんだけど、振り返れば万貴音にとってこの奔放さこそが王道なのかもしれません。ただ、そこに結論出すのはもうちょっとわかりやすく結果出さないとだなあ。

同時に、DTMで出来ることを今までの制作スタイルに少しずつ侵食させながら作っていく作品作りでもあったわけで。これはそれぞれの楽曲解説の記事で書きたいなと思ってます。ガラリと作風を変えるわけではなく、培ってきたものにひっそりと、ただし意味のあるスパイスを。


・尽力。

今までの作品にも撮影やブックレット編集など、色んな方の協力を得てリリースしてきたわけですが、この作品はちょっと特殊な面がありまして。

MTR時代は別段知識がないまま、自分の耳と直感でまとめて作ってたんですけど、DTMベースのミックス、マスタリングという作業は今いち思うようにいかず。そりゃそうだ、だって今でもこの作業は正解がないと思いながら仕事してるぐらいですから。

もちろんアレンジは全部小田、万貴音でやったんだけど、ミックスとマスタリングはスタックストラストの村上政夫氏にお願いしました。去年出演した「厳島フェス」主催者にしてメインPAの、あのマサオさんです。当時不慣れな自分の音作りを丁寧にまとめてくださいました。作業はそれこそ年末年始関係なしで立ち会って詰めていったなあ。笑
本職は現場のPAエンジニアさんなので、各楽器の音の分離の良さ(クリアさ)が今の自分のミックスと比べても凄いなと思うし、リバーブの使い方、活かし方にも特徴が出てるかなと思います。ミックスの考え方、Logicの使い方についてもこの時たくさん勉強させてもらいました。センドリバーブとかバストラックとか、それまで知らんかったもの。笑

それからアートワーク(ジャケット写真)。ここに人物を入れない、ってのを初めてやってみました。これは万貴音内でも賛否両論あったし、やっぱ顔入れた方が認知度も上がるのは間違いないんだけど、一度やってみたかったもの。ちょっと前に「このジャケ写好き」ってツイートもあったので、改めてホッとしてるとこです。笑
写真・ブックレット周りは古くからの友人「佐藤春樹」くんにお願いしました。撮影だったり編集だったり、たくさんのオーダー大変だったと思うけど、ベストを尽くして頑張ってくれました。

歌ったり曲作ったりは自分たちだけでずっとやっている万貴音ですが、「  」に限らず、色んな部分で色んな人に助けてもらうことで作品を世に出したり、人前で歌ったり、が出来ます。もちろん、ライブやCDで音楽を楽しんでくれるそこの「あなた」も、ね。感謝の気持ちは何年経っても新鮮なままで。


・「空白」、とは。

性格の違う5曲が1枚の円盤に詰まってるわけですが、どれも根底にあるのは「空白」という状態。言葉というより「状態」。

この言葉にはどんなイメージが沸くでしょうか。ネガティブなのか、ポジティブなのか。空白から進むのか、進んだ先が空白なのか。

濃淡あれど、空白をコンセプトに置いた楽曲たちです。これもそれぞれの楽曲紹介で書いていければ。

ちなみにリリースライブもやりました。ライブタイトルは「くうはくのうめかた。」きっとそこにも明確な答えはなかったけれど、空白のない客席は今喉から手が出るほど欲しい「かつての光景」なんだよなあ、と書いててちょっと切なくなった。


と、プロローグはこんなところで。次回からは各楽曲を解説していきます。CD持ってて聴いてくれてる方はより深く楽曲を楽しんでもらえるように、知らない方はこの記事で少しでも興味を持ってもらえるように。

引き続きお楽しみに、ではまた。


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・アルバム「ノーマライズ」
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・アルバム「Ancient Collections」
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・シングル「ごめんあそばせ feat.桑原しおり」
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・シングル「にらめっこ」
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