【セルフライナーノーツ】#17. じゃんごーじゃんごー!【Ancient Collections】
外はぽかぽかいい天気、日向ぼっこでもしたら最高だろうなー、なんて思いつつ、家に帰ると部屋は寒い。もう一度灯油を買い足してしまおうか真剣に悩む4月下旬です。
ダウンロードで購入されてる方とサブスクで聴いてる方、それぞれどのぐらいの比率なんだろうか。小田は基本的にサブスクで聴く場合が多いけど、データとして欲しい場合も結構あるんですよね。編集したりとかの場面も多いですからね。お気に入りの曲を自分で選んでCD-Rに焼くみたいなことは、ダウンロードじゃないと出来ないですよね。
・楽曲概要。
・1st Single「未来予報士」(2007.5)より
・作詞:小田貴音 作曲:小田貴音
・楽曲解説。
謎の言葉とコール&レスポンスで、もはや万貴音のライブの代名詞となってしまった4つ打ちポップロックナンバー。拳を突き上げて大声で叫ぶライブは出来ないご時世になってしまいましたが、ライブ配信ではこの曲をやった時のコメント数がエグいことになります(こちらがお願いしてるんですが。笑)。
この曲、実はタイトルだけ先に決まってたんです。その音の響きから歌詞を書いていった珍しいパターン。未だに「じゃんごーってどういう意味なん?」って聞かれることが稀によくありますが、ここで改めて書いておきますね。「頭がこんがらがったり、自分の感情をコントロール出来なくなった時に叫ぶ言葉(造語)」と意味づけています。こうして書くと何故か微妙に恥ずかしい。笑
2007年の夏前ぐらいの時期だったかな、結構山奥にある現場でライブをしたことがあるんですが、そこにたどり着くまでに物凄い山道を車で通ったんです。その時運転していたドライバー(チーム万貴音のMiyanokuBicheeseさん、万貴音のCDジャケットやフライヤーの制作等をお手伝いしてもらってました)が、大森林を疾走している時に「これはじゃんごーじゃんごーじゃ!」と一言。それが妙にツボに入ってしまったチーム万貴音。後日、「じゃんごーじゃんごー!」という曲はこの世に生を受けたのでした。笑
なのでお気付きの方もいらっしゃると思いますが、語源は「Jungle」、ジャングルです。笑 歌ってのはなにがきっかけで生まれるか分かんねえのが楽しいですね。
ライブの盛り上げっぷりと謎すぎる言葉に隠れている気もするんですが、歌詞は意外にも「風刺系」の内容。「相手の顔色や好みに従って”空気を読む”ばかりで、自分は本当にいいのかい?」という、当時の自省を多分に含んだメッセージソングです。今も若干そうだけど、当時は「気に入られないこと」「嫌われること」に対して結構恐怖心があったかなあと思います。我慢して合わせて、その結果無理が来て崩壊する、みたいなこともちょくちょく(あくまで内面的にですが)。
「他人のことなんざ関係ねえ」なんてことは今も思えないし、むしろ柔軟に考えを切り替えていくことを意識してるのが今の自分。ただし、「ここを押し殺したらダメになる」ポイントだけは崩さないように。その最後の砦が自分にとっての「プライド」の部分で、守るべきはそこだけ!と考え方がシンプルになった分、頭の中は「じゃんごーじゃんごー!」しなくなりました。笑
・楽曲の特徴。
4つ打ちドラムとファンキーなギター・ベースが曲を前にグイグイ引っ張っていく、お祭りポップロック。歪みの効いたエレキギターでボトムを下げつつ、ワウギターでうねりを作り、アコースティックギターでリズムを切り刻むことで痛快なグルーヴを目指しました。アルバム「Smile Co.」でのアレンジとは少し違って、エレキギターの分量は結構少なめなので、こちらのアレンジはやや軽快さが勝ってる印象だと思います。
そんなちょっと軽めな音の重ね方なのに、妙にどっしりとした安定感を感じる方もいらっしゃるかと。これ、おそらくコード感のせいかなあと思います。ギターソロが入るまでのイントロ、そしてAメロが分かりやすいんだけど、ポイントは「ベース音がずっと一緒」なこと。
例えばAメロの2行分のコード進行は
Am → D/A → F/A → G/A → Am
となります。2~4個目のコードはいわゆる「分数コード」と呼ばれるものになるんですが、上のコード(ハーモニー)が変化しても分母の音(ベース音)は固定で「A」を鳴らしている。これがどことなく曲の雰囲気を大きくして「横綱相撲」的などっしりした展開をもたらしてくれている、のではないかと思います(あくまで自己分析)。
それからこの曲の大きな特徴としては、「コール&レスポンス」のための場所が明確に用意されていること。むしろ歌を聴くよりここで叫びたい人も多いんではなかろうか、と思っちゃうぐらいだけど(笑)、それでいいんです。それぞれに楽しんでもらえれば嬉しい。
こういった仕掛けを含めて非常に影響を受けたのは、今や役者としても絶大なポジションを獲得している「ミッチー」こと及川光博さん。確か中学三年の時に初めて触れたアーティストなんだけど、その独特の世界観と、初期〜中期にかけてのボトムのグッと下がった痛快なダンスチューンにやられまして、どハマりしたのでございます。それもあって、もう明確に寄せました。笑 この辺は小田貴音の個人noteで書いたアルバム版「じゃんごーじゃんごー!」の記事で書いてるので、そちらも読んでみてもらえたら嬉しいです。
シングルのカップリングとしてちょっと面白い曲を作ってみよう、ぐらいの心持ちで組み上げたこの曲が、「万貴音といえば!」の曲になるとは当時はつゆ知らず。笑 こういう経験値も積み重ねて、今の万貴音があるんだなあと今では素直に受け入れることができます。自分の中でも、ライブじゃなかなかこの曲を外すというセットリストが作れないぐらいの曲です。じゃんごー!
次回は#18「モーニングサービス」です。CDとしては最後の1枚に突入、部活での経験が存分に活かされたサンバポップ。どうぞお楽しみに。
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・シングル「クローバー」
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・シングル「優しい言葉」
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・アルバム「ノーマライズ」
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・アルバム「Ancient Collections」
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