【セルフライナーノーツ】ごめんあそばせ feat.桑原しおり
小田貴音です。リリースからしばらく経ったので、そろそろライナーノーツを書いてみようかなと思ってたので、ちまちま書き進めていこうと思います(記事はこれ1つだけになると思います)。
配信限定Single「ごめんあそばせ feat. 桑原しおり」
2021.07.24 配信開始
01. ごめんあそばせ feat. 桑原しおり
RCCテレビ「イマナマ!」番組内コーナー「イマオシ3 ごめん遊ばせ!」2021年度テーマソング。
80年代アイドルソングを彷彿とさせる、お洒落なレトロポップ調の楽曲に仕上がっている。
フィーチャリングアーティストとして、レポーターの桑原しおりがコーラスで参加している。
各種サブスクサービスのリンクはこちらから。
YouTubeでもご視聴いただけます。公式なんで、遠慮なく。
・楽曲制作のオファーとオーダー。
お話をいただいたのは今年1月末。コーナープロデューサーの加藤ひさつぐ(コンプ・アニ代表)さんからお声がけいただきました。
万貴音との繋がりももちろんあったし(「広島市民葬儀」CM、「エキニシ春の牡蠣祭り」サウンドロゴ、「なごし住宅」CMなど)、小田個人としてもVP制作を中心にタッグを組んでお仕事させていただいていたので、その実績をしっかり認めていただいた上でのご指名だったのかな、と思います。
民放番組で曲を作らせてもらえるということに加え、従来の活動が極端に制限されたご時世で、「求めてもらえることがある」ことは、本当に涙が出るほどありがたかったです。
楽曲制作のオファーを受ける際、「内容は好きにやっちゃっていいよー」っていう「お任せ」の場合も少なくはないです。それもクオリティを信頼されている一つの証だと思うし。
ただし、加藤Pは番組やコーナー、キャラクターの方向付けを定めることに非常に長けてる方なので、「求める”最高”に向けて、一緒に完成させていこうぜ」というタッグの組み方をすることがほとんどです。あくまでテーマソングは万貴音を宣伝する場なのではなく、番組を盛り上げるために万貴音が音楽を作る、「カスタムオーダー」としてのお仕事。これ大事。
そんなこんなで、今回万貴音に求められたオーダーは「80年代キラキラアイドルポップ風でお願いします!」でした。万貴音のオリジナル曲ではやってこなかった路線、武者震いしたのをよく覚えてます。笑
・研究と制作。
では早速作っていきましょう、といきたいとこなんですが、今回何より大事なのは、まず「80年代アイドルポップ」の研究をすることでした。
この時代のアイドルソングは「歌モノ」としても非常によく出来た曲が多い印象があったんですが、個人的にはまだそこまで深く研究しきれてはいなかったので、素直に「教えてください!」ってお願いしまして、制作の参考になりそうな楽曲をたくさんアドバイスいただきました。当時の楽曲のメロディ傾向、使われるサウンドの特徴、曲としてのフックなどを、聴きまくって自分の中に落とし込んでいく作業。聴けば聴くほど「よく出来てやがる…!」の連続で、だから研究って本当に面白い。
ブラス等でカラフルに彩る元気な方向も模索していったんですが、今回は最終的に、少しトロピカルな匂いのする、レトロで流麗な方向に持っていきました。これは、それまでのテーマ曲だった「ごめん遊ばせ!feat.桑原しおり/月山翔雲」との対比も考慮しての選択。スピード感とぶっとい音でインパクト抜群!ってイメージの曲だったので、どうバトンを受け取るのが面白いかな、と悩んだ末のチョイスでした。
・構成は可能な限りシンプルに
・サビは一回聴けば歌える歌詞とメロディ
・メロディに隙間を作ってファンがレスポンス(コール)出来る
・コードのテンションが半音で動く
・当時の特徴的なサウンドを盛り込む(タムにシンセドラムを使うとか)
一例ですが、こんなメモをとって手元に置いて、制作に盛り込んでいきました。サビのメロディなんかは実にシンプル、ほぼ同じ音形で引っ張ってるんだけど、そこに変化を加えるのが「コード感」。テンション音の微妙な変化で明暗・陰影は驚くほど変化します。こういうのは得意分野。笑
もう一つ狙いがあって、「歌メロを細かくしたり、あまり音域を広げすぎないこと」。歌の巧さを全面に出せば「おお、すげえ!」ってなるかもしれないけど、お茶の間で聴いてる人がその場で「鼻歌で歌える」歌にしたかったんですね。今回はそういう明確な意図を持って作りました。スキルでゴリ押ししなくなったのは、そこそこいい歳になってきたから?笑
・初めての「フィーチャリング」。
長く活動、オリジナル曲リリースをしてきていますが、実はこの曲が初めての「フィーチャリング」楽曲となりました(昔「フューチャリング」って言ってたけど正しくは「フィーチャリング(feat.)」)。参加してくださったのはもちろん、「イマオシ3 ごめんあそばせ」コーナーリポーターの「桑原しおり」さん。「バーバラさん」の愛称でお馴染みのお方ですね。
写真は我が「六畳ラボラトリ」でレコーディングした時のもの。バーバラさんにはコーラスで参加していただきました。事前にコーラスの参考音源をお渡しして、現場で様子を見つついくつかの提案やブラッシュアップをしつつ、スムーズに終了。普段歌を歌われている方ではないですが、言葉や声色(トーン)についての反射神経が流石!発音・滑舌がしっかりしてると、無理に音量上げなくてもはっきり聴こえるんですねー。
レコーディングの前後でも少しお話をさせていただいたんですが、気さくで気取らず、面白おかしいお話もされるんだけど、でもすごく上品な印象。ほんとに普段の口癖が「ごめんあそばせ」だったとしても違和感ないだろうな、と思ってしまうのがバーバラさんの凄いところ。万貴音それぞれの出身校の先輩だということも直前に知ったので、親近感も爆増でした。
さらに別日、コーナーラストで使用する用のショート動画の撮影も。こういった撮影にはまだ不慣れなチーム万貴音ではあったんですが、バーバラさんのリードと加藤Pのポジティブな空気づくりのお陰もあって、終始スムーズに、和やかに進められました。
楽曲の「あの頃の音楽(バンド)事情」の匂いを出すため、小田が演奏する楽器は「ベースかショルダーキーボードで」と加藤Pからの指令(ここまで作り込むのがすげえ)。ショルキーは所持してないのでベースで撮影に挑みました。笑
ちなみに、ですが。小田も楽器を置いて一緒にダンスしているテイクも存在します。いつか日の目を見る日があるのかは神とPのみぞ知る。笑
それは置いておいて、時期によってはコーナーゲストの方が一緒に踊ってくださってる回もたくさんありまして、自分たちの曲を楽しんでくださってることがとにかく嬉しいのと、一緒に番組を盛り上げられてるんだな、と誇らしく感じるのと。感謝です。
・ジャケット制作。
「ジャケット制作」というか、デジタル配信なので楽曲のサムネイルの制作と言えば正しいのかな。今回は最終的に自分たちで作ることになりました。ライブのフライヤー制作やYouTube動画のサムネイルも自分たちで編集して作ってますが、画像編集に精通しているわけではないので、とにかくアイデアとこだわりと情熱に全振り。
バーバラさんの写真素材を50〜60枚ほどご提供いただきまして、あとは自分たちの写真を準備していく。過去の写真を使う手もあったんですが、せっかくだから改めて狙いを定めて自分たちで撮影してみようぜ、と。
万貴さんの写真は「貴音亭の広島つけ麺」の写真。5月の生誕祭用のTYP撮影の際の1枚です。お店じゃないんかい!と自分たちでもセルフツッコミを入れたんだけど、このスマイルが最強だったので他の選択肢は見つかりませんでした。貴音亭店主としても鼻が高い。
一方、小田は「Delicious Times」のジャケット撮影時にもご協力いただいた段原の「鉄板焼お好み焼 りんご」さんで。ここはマジでみんなに食べてもらいたい、美味しいお好み焼き屋さんです。
トータルで「お好み焼き」の美味しさを感じたい人はデフォの「そば肉卵」で、「キャベツってこんなに甘いの!?」とびっくりしたければ「野菜W」で注文してみてください。ビール飲みながらゆっくり堪能したいねえ。
素材を揃えて、万貴さんのアイデアを元に「ちょいインスタ風味」なレイアウトを盛り込んで作ったのが、
この形。インスタといえば正方形の写真ですが、それに倣って「グリッドライン」に揃える配置のレイアウトにしてみました。上半分は楽曲の雰囲気に照らして、時代背景を「ちょい盛り」してこしらえたものです。食べ物のイメージカラーというと大衆色の「柿色(オレンジ)」が代表だったりするんですが、前作との対比と、ちょっとお洒落な方向に持っていく想定でイエロー系に。グルメコーナーの歌だということと、「レトロ映え」を自分たちなりに模索したつもりです。気に入ってもらえてたらいいなあ。
・歌詞。
そろそろいい加減サブスクに歌詞を掲載したいんだが…と思いつつ、どれだけの時間が過ぎたのだろう。(そろそろなんとかします)
主人公は「イマナマ!」を見てる人、です。思いっきり「テレビの歌」としてチューンナップしました。最近は雰囲気を作る「イメージソング」的なものが使われることも多いんですが、かつてはダイレクトな「テーマソング」が多くて、「ああ、こういう番組なんだ」って分かる歌、多かったじゃない。ああいうやつを作ってみたかったんですね。
ざっくり言えば「お店や商品を紹介する」コーナーなわけですが、視聴者のみなさんに「ここいいよ!」「これ美味しいよ!」を伝えたいわけで、テレビを見てときめいてもらいたいわけです。気分が上がれば得意げにもなるし、もしかしたら「ごめんあそばせ」なんて言葉も口から飛び出しちゃうかもしれない。
特にこういう抑圧の多い時代だからこそ、番組を見た人が1人でも多くそういう気分になってくれたらいいな、という想いで書きました。
歌詞の小話をいくつか。
・「スタンプ」→飲食店でよくある「スタンプカード」に引っ掛けてます。スタンプカードとか割引クーポンとか使わなくても余裕で利用できる大人になりたい気持ちもあるんですが、まあやっぱりお得に利用できるに越したことはない。笑 せっかくのお店からのサービスなんで、賢く使いたいもんです。
・「サテン」→「茶店」をうっすら。最近はもっぱら「カッフェ」ですけど、昭和生まれの自分にはまだ「サテンでレイコー」です。そういう暗喩もうっすらあるんですが、もちろんメインは衣装の生地の「サテン生地」の意味。光沢があってしなやかな生地で、おしゃれ感をちょっと補強してる感じでチョイス。
・「私はいま生きてる」→「いま生」、つまり「イマナマ」。ここの歌詞だけ概念的というか、少し現実感から遠ざかる表現なので、加藤Pとも変更するか相談した記憶があります。でも最終的にはそのままいきました。万貴音にとっても日本・世界にとっても、「いま生きている」実感が欲しかった。日頃感じる感情ではないかもしれないけど、ふとした時に確認したいものだと思います。
記事自体も書き始めて投稿するまでも随分長くなっちゃいましたが、RCCテレビ「イマナマ!」のコーナー「イマオシ3 ごめん遊ばせ!」のテーマソング「ごめんあそばせ feat.桑原しおり/万貴音」はこうして作られたのでした。こういうご時世の飲食コーナーなので、時に中断されたりもしましたが、おかげさまで今も万貴音の歌がテレビからお茶の間へ届いています。改めて感謝です。
美味しいものと音楽で、日々に少しだけ彩りを。気分上げて生きましょう。
小田貴音でした。ではまた。
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・シングル「優しい言葉」
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・アルバム「ノーマライズ」
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・アルバム「Ancient Collections」
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・シングル「ごめんあそばせ feat.桑原しおり」
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