【セルフライナーノーツ】#4. dialogue【ノーマライズ】
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【セルフライナーノーツ】#3. 天秤【ノーマライズ】
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【「dialogue」楽曲クレジット】
作詞:小田貴音 作曲:小田貴音 編曲:万貴音
【楽曲解説】
コンパクトな雰囲気のテクノポップ風楽曲。日本ではPerfumeで一躍有名になった「ケロケロボイス」と呼ばれるボーカルエフェクトも使用してます。と、この曲のディティールは音に集約しているので、ここで書くと次の項目がなくなっちゃうのでここまでに。笑
この曲は#3「天秤」のアナザーサイドを描いた楽曲です。「天秤」は終始主人公の視点で進むのに対して、「dialogue」は二人の視点が組み合わさっています。(小田ソロパートは「天秤」の主人公視点の言葉です)
「天秤」を作った後に「関連曲作ろう!」と決めたゆえにシンメトリーな構成に出来なかったわけです。曲は気に入ってるけど、その辺はまだ行き当たりばったり感が拭えず。曲は気に入ってるけどね!笑
それから初期の作品ではよくやってたんですが、男女で対になるメロディを歌い分ける曲をまた作りたかったんですね。Aメロ、Bメロなどパートごとに歌い分けるのではなく、同型のメロディを男女で分ける感じ。サビもツインボーカルが絡まって進む感じ。音域の面やメロディの性格に適したチョイスに重きを置くようになってたんですが、キャッチボール式の歌もツイン・デュエットの面白さはたくさんありますよね。
視点が複数あり、それでも群像劇としては尺が短いのでストーリーの咀嚼がやや難しい曲になるのかな。ともあれ、ぶきっちょな「天秤」の主人公を、その本人が思うより広い心で見守りながら受け入れ体制万端な「dialogue」主人公。一応性別的な書き分けはしてませんが、作者的にもなんだか姉さん女房的な主人公を想像してしまいます。笑
取り繕い、その場だけの気持ち良さを求めたり与えたりするのでなく、無理をしない我慢しない、等身大を見たいし見せたい。その結果は誰しもきっと怖いでしょう。でも二人でその先を作るなら、平熱に愛を感じられるかどうか、ではないか。そういう歌です。
【音の解説】
4つ打ち、ミドルテンポ、レトロシンセサウンドをたっぷり含んだ、それでいて空間狭めのテクノポップ風のアレンジ。前述したように、俗に言う「ケロケロボイス」と呼ばれるボーカルエフェクトも初めて使ってみました。
プログラムされたプラスティック(無機的)な音の中にボーカルとアコギだけがオーガニック(有機的)な音として溶け込む感じ。1:45のドアホンのような「ピンポーン」もアコギのハーモニクスです。今日こそ頑張ろう!と奮起する主人公が来訪のチャイムで平熱でいられなくなる感じが伝わってればいいなあ。笑
ダイナミックで壮大な雰囲気、ではなく、真逆の方向でまとめています。シーンとしては「ワンルームの自室に相手を招いて」ぐらいの空間なので、魔王を倒すわけでもなく、隕石に突っ込むようなサウンドはいらない。ちっちゃいテーブルを囲んで座って話してる、ぐらいの規模のストーリーです。
コード進行も「Eb/G → Ab → Bb → Cm」のシンプルな無限ループ。1曲通してこれだけ。Cメロだけサイズが倍になってるけど、ほんとにこれだけ。
ちょっとマニアックな話をすると、「Eb/G(CコードだとC/E)」は分数コードの「第一転回型」と言われるもので、小細工しない「Eb」と比べると安定感はないものの独特の浮遊感が出ます。俺はめっちゃ多用します。笑
2Aのメロディを上ハモ的な展開で作ってることとか、サビで微妙に左右で振り分けてみてることとか、こだわりは細かくあるんですが、あんまり大胆にやれてないのが当初おっかなびっくりやってる感がありますね。。笑 そういう「小物感」も曲に合ってると言えば合ってるの、かな。
ただこれだけは知って欲しい!ってギミックを最後に作ってて、どうでもいいけどどうでもよくないこと。頭からエレピ(エレクトリックピアノ)がコードを固めてるんだけど、曲の終わりではアコピ(アコースティックピアノ)にいつの間にか切り替わって(モーフィングされて)ます。ラスト20〜30秒ぐらいを何度も聴いてみてほしい。「妄想(あるいは理想)から現実へ」っていう終わり方を音で表してみたところなんです。ぜひアハ体験してみてください。笑
【あとがき】
DTM、あるいは「打ち込み」と呼ばれる制作方法を始めても、基本的に使う音色はアコースティック系のものが多かったんです。「dialogue」は個人的に結構「打ち込み」に要素を振ってみて、そこから人力の要素を足してまとまった感じ。それゆえライブではなかなか再現しにくい曲になったんですが、逆に思いっきりアコースティックに振って歌えばちゃんと成立することが去年ようやく分かって、改めてこの曲の良さを知ったりもして。
それから「加工する」アレンジ手法についても多く学んだ曲。「後でこうなるよ」というのを知らせずレコーディングしたので、相方は不安も多かった曲だったんではないかと思います。その辺も反省点。今はこの曲ちゃんと好きでいてくれてるので、良かった。
次回は「#5. スライドショー」です。フォトスタジオ「Amuse」イメージソングとして書き下ろしたウェディングソング。お楽しみに。
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