【セルフライナーノーツ】#13. アンケート【Ancient_Collections】
アルコール抜いてぐっすり寝れば大体体調は整う小田です。あとは適度にディスプレイから離れる時間を作っていけば、なお良し。書きまーす!
余談ですが先月、万貴音の「優しい言葉」がApple Music(ブルガリア)のJpopチャート6位というまさかの方向の快挙(!?)を成し遂げました。世界にリーチ出来るのも配信の良いところ。ライブだったり、動画だったり、音楽の届け方も数十年前には夢にも思わなかったことが現実になっている。変化を恐れるな。
・楽曲概要。
・2nd Mini Album「Double Blind」(2007.02)より
・作詞:小田貴音 作曲:小田貴音
・楽曲解説。
曲名通り「アンケート調査」のような語り口の歌詞と、どこか懐かしさを感じるメロディの4つ打ちディスコポップ。今も昔も万貴音の楽曲の中で常に高い人気を誇る元気ソング。この頃の楽曲の人気を超えるのは今でも結構大変だと感じています。衰えたとは思わないけど!
当時の万貴音はお昼過ぎぐらいから時々カラオケに行ったり、食事をしたりといったこともしてたんですが(今は打ち上げすら満足にしとらんな…)、その集合時間前に、ひとり駅ビルの喫茶店で曲作ってた記憶があります。今振り返ると、タイムリミットを切られると、人は本気を出せる側面があるのかな。好きなだけ時間を使っていい環境は、逆に良いものがまとまらなかったりします。決定力の照準が甘くなっちゃうのかな。状況によりけりだとは思いますが。
歌の中身として深く語れるエピソードは、実はあまりなくて。笑 ただメッセージは非常に明確で、「あれが足りないこれが足りない、と嘆くより、全部手に入れるつもりで生きればいいじゃん」ということ。欲張りで何が悪いの?と開き直るのは思春期の頃が一番難しかったかもしれません。なんかもう「たった一つの望みを叶えるために、他の全ては犠牲であるべきだ」ぐらいのことを考えてたもんな。だから視野が狭くなって、色々アンバランスになるんでしょう。それも過去の経験値としては、眩しいぐらいの青さではある。そしてこのシンプルなメッセージが、聴いてくださる人にまっすぐ刺さるから人気なんでしょうね。
ご丁寧に歌詞に番号を振ってアンケート用紙っぽくしておりますが、こういう「希望、願い(もしくは羨望)」の言葉並び、数曲前に見ませんでした?はい、「ヒネクレモノトーン」です。Aメロの歌い分けも同じ並び。これ、当初はほとんど無意識でこうなってたんだけど、アルバムに並べた時に「あ、俺こうしたかったんだな」が出てくるんですよね。
誰しも足りないものや劣等感があって、それでも望みはあって、それを素直に出せる人、誰にも見えないところで頑張る人、きっと叶わないと思ってそっと蓋を閉じちゃう人、それぞれ。どれが良いのか、正解なのかなんて、本人しか決められないことだと思います。「頑張りたいけど…」と屈折しちゃうのが闇属性・モノトーンの「ヒネクレ」くんであり、「全部欲しい!」っておっ広げちゃうのが光属性・カラフルな「アンケート」ちゃん。どっちも必死で自分と現実と向き合って、生きてるんです。
「めちゃくちゃ働いて、自分と家族が豊かな生活を送れるようにしたい!」と、「どんな手を使ってでも大儲けしてやるんや…」、前者はいい人に見えるし、後者はちょっと悪どく見えるけど、根っこは「幸せになりたい。」です。言葉一つで印象は180度変わるし、それとは別に根っこはどこを向いてるのかを考えると、見る世界はまた色を変えるんじゃないかな。
・楽曲の特徴。
ミディアムハイテンポの4つ打ちダンスポップ。しかし構成している楽器がドラム、ベース、ピアノ、エレキギター、ブラス(トランペット)、シンセリード、とアコースティック楽器寄りなので、現代風ではなく70〜80年代のプリミティブなディスコポップのサウンドに。そうしたかったからではなく、当時の小田が打ち込み出来なかったから、が大きな理由です。笑 結果いい雰囲気になりました。
アレンジの一番大きな特徴は、やはりブラスをぐいっと前に出したこと。特にイントロのトランペットのシェイク奏法が、特に楽器プレイヤーの度肝を抜くインパクトをもたらしてくれたようです(広島のインディーズ音楽の中で、の方が正解ですかね)。開始数秒で「お!」と思わせることは結構大事なことで、特に商業音楽の世界ではイントロに力がないと数秒で飛ばされます。本編でどれだけいい曲になってようと容赦無く。だってそこ聴かれないんだもん。「ツカミ」ってすごく大事。
ボーカルについてですが、のっけから男(小田)の高音からスタート。小田高音。笑 ここもやっぱりインパクト増強。大体サビに向けて音が高くなっていくのがセオリーなんだけど、こういう楽曲はずっと上で張ってる曲が多い傾向があります。楽器陣もやたら元気ですし!それから、この曲から3声以上のコーラスワークを本格的に取り入れ始めたように思います。ツインボーカルなんだから2声でいいじゃん、って思ってたんだけど、こっちのほうがもっと表現しやすくなりました。「音楽の要求」に対して自分たちをフィットさせるほうが、自分の理想として近かったんだと思います。なんならこの曲、アコギ入ってないし。笑
メロディラインがなんだか懐かしく聴こえることついて。作った当初から今まで、アンケート聴くと何の曲と想像するのかなと考えると(アレンジ元は及川光博さんの某曲です)、えーとですね、なぜかドリフのエンディング曲なんですよ。笑 自分なりの解釈なんだけど、「アンケート」のメロディがメジャーペンタトニック主体で作られてるから、だと感じました。詳細は省きますが、通常のメジャースケール「ドレミファソラシ」ではなく「ドレミソラ」の5音を主体にするメロディラインで、どことなく能天気な明るさを持つメロディになりやすい、と思っていただければ大きくは外れてないと思います。日本人のメロディ嗜好ってちょっと影のあるやつに寄ってるように思ってるんですが、こうカラッと平和な響きがそうさせるのかなと。例えばAKB48「恋するフォーチュンクッキー」もこのメジャーペンタのメロディですね。
長くなってきたのでこの辺にしよう。間奏でいきなり倍テンポのスウィングになったり、色々てんこ盛りの元気印な曲です!(丸投げ
いつか生音フル編成でやってみたいなー。ブラスももりもり入れて。
次回は#14「pf」です。「Double Blind」としては追加されたエピローグ的な立ち位置のピアノ曲。どうぞお楽しみに。
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・シングル「優しい言葉」
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・アルバム「ノーマライズ」
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・アルバム「Ancient Collections」
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