銀色の路
真希ナルセ
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漫画やイラストだけでなく音楽も作っています。毎週末に一曲ずつ上げています。
YouTubeの「井戸端レディオ」をやっているチャンネルで古い日本の歌を弾き語りカバーを、SoundCloudとnoteではオリジナル曲を、隔週交互に公開しています。
【マキナルの井戸端レディオ】 https://www.youtube.com/channel/UCGRgxIzgpUwLHox-7IDgQLQ
「ペットミュージック」と名付けた、順番からすると3枚めの、ポップ色が強いアルバムになる予定のものから紹介していきます(いつ本当のアルバムになるかは全くの未定です)。
全体として明るく分かりやすいことを目指した、自分の周りにいる動物たちをモチーフにした作品集です。
その6曲め、A面B面でいうとB面オープニングに配置されるのがこの「銀色の路」です。
これは一昨年初秋に書いたものです。この時期ある思いが湧きました。
オリジナル曲のアルバムを出したい、ということ。
そしてもうひとつ、ライブをやったことがないので、いつかライブハウスでライブをやりたい、ということです。
アルバムに関しては自主制作で安価でいいから形にしたいとずっと思ってきました。
シングル配信全盛の現在の情勢下でも、自分がのめり込みレコード店巡りをした原体験が、アルバムとしての形態で表現したい憧憬を抑えることを許してくれません。
それにもうアルバム5枚分はストックがあって、曲順も決めてしまっていて、あとはアレンジを練っていくだけとなっています。
何曲かはPVも作りたい。動画も編集しないとだし、本当ならソロパートは上手い人に差し替えてもらいたい、など夢は広がります。
現実問題、全部の楽器パートを独力でやるのは相当な時間が掛かるでしょう。
お試しでこの一年、仕上げ作業を何曲かでやってみましたが、10曲単位となると見込みが立ちません。
この「ペットミュージック」という括りは根本的なロックから少し離れた所謂ノベルティー的なアルバムなので、そのアイデアに基づき愛犬グミ愛猫ユーリたちにヒントを得た曲を書いてきました。
ビーグル犬アトムの事を歌った「見つめながら」という曲も出来ました。昨年末はサスケのことも書きました。
順列的には「ユーリ」と「見つめながら」を書いた後、このナンバーを書きました。この曲は柴犬・銀次郎をテーマにしています。
詞はボクらの視点から見た銀次郎の生い立ちを辿ったものです。
誰に飼われているかもハッキリ分からなくなって、いつも淀んだ表情をしていた銀をよく知っています。
それがマキさんが面倒をみるようになり、見違えてくるのも見ました。その体験を書きました。
「銀色の路」とは銀次郎の“銀”でもあり、人(犬)生の道程でもあり、彼が毎日散歩している古びたアスファルトの舗装道の色のことでもあります。
しかしながらそのようなパーソナルな視点でなくても、友の門出を祝福するような捉え方も出来る内容になっています。
この曲のサビはマキさんが歌うべきだと思い、キーを上げてサビをマキさんにやってもらいAメロBメロはナルセが歌うようにしました。
形式としてはボクらには珍しいデュエットとなりました。またレパートリーの中に殆どない「サビからはじまる」曲でもあります。
メロディとアレンジは、一昨年に自分なりのお題として掲げていた「原点であるビートルズ的サウンドに今一度還ってみよう」ということを実践しました。
その方法で作ったものに「ユーリ」「来たる日」「サーカス」などがあります。
この曲は特にビートルズのアルバム「ラバーソウル」時代のようなフォークロックを意識してみました。
12弦エレキのアルペジオはまだ弾き語りで歌っていた頃から頭にあったアレンジでした。
この曲と「プラットホーム」「汚れつちまつた悲しみに」には絶対にリッケンバッカーの12弦を入れたいと思っていました。
このナンバーではジョージ・ハリスンというより、さらにそのまた原点のザ・バーズ、ロジャー・マッギンのようなプレイになりました。
一昨日勢いで録ったものでまだノイズを完全に取り除いていないMIXですが、狙い通り60年代っぽい雰囲気は醸し出しているように思います。
新導入のMacbook Proに慣れた上、新キーボードNative Instruments KOMPLETE KONTROLの付属音源がとても豊富で、今回ドラムもベースも打ち込みで非常に素早く仕上がりました。
これまでにない程の処理の早さで、マシンの目処がどうやらたちそうになった先週、これなら弾き語りバージョンしかなかったこの曲を仕上げられるのではないかと急に欲が出てきました。
思い立ったが吉日で、それから断続的に4日かけラフミックスを完成させました。アコギとボーカルは昨年の弾き語りのものをそのまま使っています。
60数曲、このように弾き語りと歌だけをデータにしたストックがあります。
それらを完成アレンジにする作業がこれから飛躍的にスピードアップするのではないか、そういう期待感がいやが上にも大きくなっています。
もうひとつのライブハウスという目標ですが、宅録オンリーとは言えミュージシャンなのだから、やはりライブを経験したいと願っています。
画廊のメッカ、銀座のギャラリーに参加した3年前、絵描きとして得るものはとても大きかったし、やはりやってみないと分からないことはあるものだと痛感しました。
翻ってボクたちのこの一年とは、柴犬を描く漫画家としてそれ程著名ではなく、他の有名な方々の後塵を拝し、犬関連の仕事のオファーが「いの一番でないこと」を同時多発的に思い知らされた、そんな2017年でした。
そこで感じた不都合や理不尽、力不足の忸怩たる思いは別の意味で原動力となりました。
叶わないことですがもし「ぶっちぎり」の存在だったなら、自分たちがやりたいより大きな野望や夢を手繰り寄せることが出来るのに…。恥ずかしながらそんなことを思っていました。
でも、絵で漫画で、グッズでスタンプで、そしてオリジナルの詩と曲で歌うこんな親馬鹿愛犬漫画家は日本にボクたちしかいないねと、これは笑い話に上がるネタでもあります。そしてその事実は誇りでもあります。
ライブもアルバムも、まずはイラストの仕事ありきだし、目の離せないグミもいるので、現実的には不可能に近い目標で何ひとつ動いていない話ではあります。
ですが人生、何がどうなるか分からないので、演奏してくれるプレイヤーやライブできる場所は常に探していようと思っています。
そういった諦めない前向きさがこの曲には込められている気がします。
そして何よりもインスピレーションを与えてくれた家族の銀次郎、今は自分が一番距離を出して一緒に走っている相棒に感謝します。
「銀色の路」
詞・曲・演奏・歌 真希ナルセ
ゆっくりいこうよ 銀色の路
虹色のプリズム 乱反射している
風を感じたなら 君は自由
君と出逢った頃 僕は考えてた
何処かに希望を 置き忘れた
その面差しの理由は何?
怖がらなくて もういいんだよ
君の思うようにやればいい
ゆっくりいこうよ 銀色の路
虹色のプリズム 乱反射している
君を邪魔するものはない さあ歩こう
空を見上げよう 銀色の雲
藍色のサニーデイ 溶け出していく
風を感じたなら 君は自由
最近の君はそう 心配いらないね
君のこの笑顔 何より雄弁に
充たされた 今を伝える
報われること 怖がらなくていい
祝福されるべきなんだ
じっくりいこうよ 銀色の路
誰も通らない 田舎路だけど
いつも新しい発見がある さあ探そう
周りを見渡そう 銀色の川辺
鳶色のホライズン 段々近づいて
未来を描けたなら 君は無敵
風を感じたなら 君は自由
Key = A
BPM = 122
ドラム = Native Instruments ABBEY ROAD 60S DRUMMER
ベース = Native Instruments KOMPLETE 11 SCARBEE RICKENBACKER BASS
12弦エレキ・ギター = Rickenbacker 360-12 C63 FG
エレキ・ギター = Gibson Memphis ES-355 Bigsby VOS 2015 Limited Run Antique Ebony
アコースティック・ギター1 = K.Yairi JY-45BE BK CTM
アコースティック・ギター2 = K.Yairi RF65
オルガン = Native Instruments KOMPLETE 11 VINTAGE ORGANS
キーボード = Native Instruments KOMPLETE KONTROL S49
マイク= NEUMANN TLM49
DAW = Avid ProTools 2018
オーディオインターフェイス = Focusrite Clarett 2Pre
ジャケット・デザイン = iPhone x / Adobe Photoshop CC
YouTubeの「井戸端レディオ」をやっているチャンネルで古い日本の歌を弾き語りカバーを、SoundCloudとnoteではオリジナル曲を、隔週交互に公開しています。
【マキナルの井戸端レディオ】 https://www.youtube.com/channel/UCGRgxIzgpUwLHox-7IDgQLQ
「ペットミュージック」と名付けた、順番からすると3枚めの、ポップ色が強いアルバムになる予定のものから紹介していきます(いつ本当のアルバムになるかは全くの未定です)。
全体として明るく分かりやすいことを目指した、自分の周りにいる動物たちをモチーフにした作品集です。
その6曲め、A面B面でいうとB面オープニングに配置されるのがこの「銀色の路」です。
これは一昨年初秋に書いたものです。この時期ある思いが湧きました。
オリジナル曲のアルバムを出したい、ということ。
そしてもうひとつ、ライブをやったことがないので、いつかライブハウスでライブをやりたい、ということです。
アルバムに関しては自主制作で安価でいいから形にしたいとずっと思ってきました。
シングル配信全盛の現在の情勢下でも、自分がのめり込みレコード店巡りをした原体験が、アルバムとしての形態で表現したい憧憬を抑えることを許してくれません。
それにもうアルバム5枚分はストックがあって、曲順も決めてしまっていて、あとはアレンジを練っていくだけとなっています。
何曲かはPVも作りたい。動画も編集しないとだし、本当ならソロパートは上手い人に差し替えてもらいたい、など夢は広がります。
現実問題、全部の楽器パートを独力でやるのは相当な時間が掛かるでしょう。
お試しでこの一年、仕上げ作業を何曲かでやってみましたが、10曲単位となると見込みが立ちません。
この「ペットミュージック」という括りは根本的なロックから少し離れた所謂ノベルティー的なアルバムなので、そのアイデアに基づき愛犬グミ愛猫ユーリたちにヒントを得た曲を書いてきました。
ビーグル犬アトムの事を歌った「見つめながら」という曲も出来ました。昨年末はサスケのことも書きました。
順列的には「ユーリ」と「見つめながら」を書いた後、このナンバーを書きました。この曲は柴犬・銀次郎をテーマにしています。
詞はボクらの視点から見た銀次郎の生い立ちを辿ったものです。
誰に飼われているかもハッキリ分からなくなって、いつも淀んだ表情をしていた銀をよく知っています。
それがマキさんが面倒をみるようになり、見違えてくるのも見ました。その体験を書きました。
「銀色の路」とは銀次郎の“銀”でもあり、人(犬)生の道程でもあり、彼が毎日散歩している古びたアスファルトの舗装道の色のことでもあります。
しかしながらそのようなパーソナルな視点でなくても、友の門出を祝福するような捉え方も出来る内容になっています。
この曲のサビはマキさんが歌うべきだと思い、キーを上げてサビをマキさんにやってもらいAメロBメロはナルセが歌うようにしました。
形式としてはボクらには珍しいデュエットとなりました。またレパートリーの中に殆どない「サビからはじまる」曲でもあります。
メロディとアレンジは、一昨年に自分なりのお題として掲げていた「原点であるビートルズ的サウンドに今一度還ってみよう」ということを実践しました。
その方法で作ったものに「ユーリ」「来たる日」「サーカス」などがあります。
この曲は特にビートルズのアルバム「ラバーソウル」時代のようなフォークロックを意識してみました。
12弦エレキのアルペジオはまだ弾き語りで歌っていた頃から頭にあったアレンジでした。
この曲と「プラットホーム」「汚れつちまつた悲しみに」には絶対にリッケンバッカーの12弦を入れたいと思っていました。
このナンバーではジョージ・ハリスンというより、さらにそのまた原点のザ・バーズ、ロジャー・マッギンのようなプレイになりました。
一昨日勢いで録ったものでまだノイズを完全に取り除いていないMIXですが、狙い通り60年代っぽい雰囲気は醸し出しているように思います。
新導入のMacbook Proに慣れた上、新キーボードNative Instruments KOMPLETE KONTROLの付属音源がとても豊富で、今回ドラムもベースも打ち込みで非常に素早く仕上がりました。
これまでにない程の処理の早さで、マシンの目処がどうやらたちそうになった先週、これなら弾き語りバージョンしかなかったこの曲を仕上げられるのではないかと急に欲が出てきました。
思い立ったが吉日で、それから断続的に4日かけラフミックスを完成させました。アコギとボーカルは昨年の弾き語りのものをそのまま使っています。
60数曲、このように弾き語りと歌だけをデータにしたストックがあります。
それらを完成アレンジにする作業がこれから飛躍的にスピードアップするのではないか、そういう期待感がいやが上にも大きくなっています。
もうひとつのライブハウスという目標ですが、宅録オンリーとは言えミュージシャンなのだから、やはりライブを経験したいと願っています。
画廊のメッカ、銀座のギャラリーに参加した3年前、絵描きとして得るものはとても大きかったし、やはりやってみないと分からないことはあるものだと痛感しました。
翻ってボクたちのこの一年とは、柴犬を描く漫画家としてそれ程著名ではなく、他の有名な方々の後塵を拝し、犬関連の仕事のオファーが「いの一番でないこと」を同時多発的に思い知らされた、そんな2017年でした。
そこで感じた不都合や理不尽、力不足の忸怩たる思いは別の意味で原動力となりました。
叶わないことですがもし「ぶっちぎり」の存在だったなら、自分たちがやりたいより大きな野望や夢を手繰り寄せることが出来るのに…。恥ずかしながらそんなことを思っていました。
でも、絵で漫画で、グッズでスタンプで、そしてオリジナルの詩と曲で歌うこんな親馬鹿愛犬漫画家は日本にボクたちしかいないねと、これは笑い話に上がるネタでもあります。そしてその事実は誇りでもあります。
ライブもアルバムも、まずはイラストの仕事ありきだし、目の離せないグミもいるので、現実的には不可能に近い目標で何ひとつ動いていない話ではあります。
ですが人生、何がどうなるか分からないので、演奏してくれるプレイヤーやライブできる場所は常に探していようと思っています。
そういった諦めない前向きさがこの曲には込められている気がします。
そして何よりもインスピレーションを与えてくれた家族の銀次郎、今は自分が一番距離を出して一緒に走っている相棒に感謝します。
「銀色の路」
詞・曲・演奏・歌 真希ナルセ
ゆっくりいこうよ 銀色の路
虹色のプリズム 乱反射している
風を感じたなら 君は自由
君と出逢った頃 僕は考えてた
何処かに希望を 置き忘れた
その面差しの理由は何?
怖がらなくて もういいんだよ
君の思うようにやればいい
ゆっくりいこうよ 銀色の路
虹色のプリズム 乱反射している
君を邪魔するものはない さあ歩こう
空を見上げよう 銀色の雲
藍色のサニーデイ 溶け出していく
風を感じたなら 君は自由
最近の君はそう 心配いらないね
君のこの笑顔 何より雄弁に
充たされた 今を伝える
報われること 怖がらなくていい
祝福されるべきなんだ
じっくりいこうよ 銀色の路
誰も通らない 田舎路だけど
いつも新しい発見がある さあ探そう
周りを見渡そう 銀色の川辺
鳶色のホライズン 段々近づいて
未来を描けたなら 君は無敵
風を感じたなら 君は自由
Key = A
BPM = 122
ドラム = Native Instruments ABBEY ROAD 60S DRUMMER
ベース = Native Instruments KOMPLETE 11 SCARBEE RICKENBACKER BASS
12弦エレキ・ギター = Rickenbacker 360-12 C63 FG
エレキ・ギター = Gibson Memphis ES-355 Bigsby VOS 2015 Limited Run Antique Ebony
アコースティック・ギター1 = K.Yairi JY-45BE BK CTM
アコースティック・ギター2 = K.Yairi RF65
オルガン = Native Instruments KOMPLETE 11 VINTAGE ORGANS
キーボード = Native Instruments KOMPLETE KONTROL S49
マイク= NEUMANN TLM49
DAW = Avid ProTools 2018
オーディオインターフェイス = Focusrite Clarett 2Pre
ジャケット・デザイン = iPhone x / Adobe Photoshop CC
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