その動悸、命取りにつき
日々命のやり取りに関わるこの仕事。
緊張感をもって従事していると、制服を脱いだ後はゆるっとした話がしたくなります。
今回は急性期病棟にいた頃の話。
みなさん、心電図モニターって見たことありますよね。
ドラマなどでよくピピッピピッと波形と数字を表記する四角いアレです。
簡単にいえば、身体につけると心拍数と心電図波形が子機と親機同時に表示されるものです。
心拍数や不整脈チェックに用いられます。
ピーッ!とかピコーンピコーン!等普段と違うアラームが鳴った時は「不整脈だぞ!」
「オイ、脈拍数が異常だぜ!」「あら、モニターシール取れてるかもよ!」みたいな感じ(分かりやすいように擬人化でお送りしています)でナース達にお知らせしてくれます。
アラームを消し忘れたまま(本来はすぐ患者確認&確認後アラームオフ)、ナースステーションがアラーム鳥の大合唱♪になる事もしばしば。
そんなある日、モニター装着指示のある患者さんが入院しました。
入退院を繰り返すリピーターさんかつ、日本在住が長い割に日本語は不慣れな中国籍のお爺様。
自由気ままな生活と、女性が大好きな漢の中の漢という印象です。
挨拶をすると上から下まで身体を見つめた後にニヤリと笑う、SUKEBEランク推定A判定なお方です(当社比)。
モニターを装着して数日後、穏やかなナースステーションに突如けたたましくアラームが鳴り響きました。
心拍数が急激に上がり「大丈夫?キケンキケン!」とアラームくんが教えてくれたのでした。
普段正常な心拍数だっただけに、駆け足で病室へ向かいます。
「〇〇さん!大丈夫ですか?」
声をかけるとカーテン越しに、
〇〇さん「チョット。チョットマッテ。チョットネ。」となぜか慌てた様子。
命には代えられぬ!失礼します!とカーテンを開けると、なんと〇〇さんは…
笑みを浮かべながら下半身を露出し、局部を激しく擦っていたのでした。
私、〇〇さん「アッ…」
ニヤリと笑う〇〇さん。
私は慌てて謝罪をしたのち、そそくさと立ち去ると去り際背中越しにズボンを上げる衣擦れの音が聞こえました。
ステーションへ戻ると、アラームくんはスンッと何事もなかったかのように正常心拍数を表記しています。
アラームくんよ、貴様、見て見ぬフリモードも搭載済みなのか?
それにしてもさっきの心拍数、普段の3倍だったな…
案外、命がけなのかもしれないな…
モニターを見つめながら、高齢男性の快楽についてぼんやり思いを馳せたのでした。
後日、杖を片手に意気揚々と退院したのはいうまでもありません。(生活不摂生による心不全悪化でした)
ふと、久々に聞いた彼の日本語が「チョットマッテ」だったことを思い出し、結構色んな場面で使っているのかもしれないな と笑いがこみ上げてきた金木犀香る午後の出来事でした。
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