出版できないかな、と真剣に考え始める
「実績がない人が出版するのは、かなりハードルが高いです」
私が出版の可能性を模索していると伝えると、ラティングゼミの講師はそう切り出しました。
出版には、出版社が費用を負う「商業出版」と著者が費用を負う「自費出版」があります。自費出版には最低100万円ぐらい必要らしいと聞きました……。
商業出版と自費出版の間に、出版社と著者がそれぞれ費用を負担する「共同出版」がありますが、それでも著者は数十万円の費用を支払わなければいけないらしい。
出版への道のりはそう簡単なものではない、という事実に口数が少なくなった私に、こう声をかけてくれました。
「いきなり出版を目指すのではなく、別のアプローチをとる方がいいと思います」
説明してもらった最近のトレンドは、以下のような流れだそうです。
1 まずブログやnoteで実績を作る
2 出版の意図・ターゲット等が明確になった時点で、企画提案を行う
3 興味を持ってくれた出版社と契約する
ただ、2もなかなかハードルが高いとのこと。
常に沢山の企画書を持ち込まれる編集者は、そう簡単に企画書を読んでくれないそうです。知人に編集者を紹介してもらうのがベスト、それ以外の場合はなかなか編集者にリーチできないらしい……この説明を聞いて、編集者を捕まえることもかなりハードルが高いと認識しました。
他のアドバイスとして、書籍よりも電子書籍の方がコストを抑えられるので、初めは電子書籍だけで出版することもあり得るという。ただ、その場合は自分のブログやnoteでのファンづくりがさらに重要になるとのこと。
私は当時、ブログもnoteもやっていませんでした。
ブログは、よりパーソナルなウェブスペースを持つ印象が強かったので考えませんでした。(そのサイトのデザインやら構成やら、全てみられるような気がして小っ恥ずかしい気がどうしてもしてしまい……)
一方、noteは文章を淡々と発信できるテンプレートで心理的にもハードルが低く見えました。そこで、全くの初心者ながらnoteで書き溜めたエッセイを発表することに決めました。
すんなりとnoteを使い始められたのは、実はある出来事があったからです。
ライティングゼミの課題が天狼院書店のサイトに掲載された時、嬉しくなって友達にサイトをシェアしていました。すると友人達は、エッセイを読んで温かいコメントをくれたのでした。ただ、私が頼んで読んでくれるだけで、「実績作り」ができたという実感は全く湧いては来ませんでした。
「闘病の事実を知ってるから、みんな読んでくれるんだな……」
そう思っていた時。
ある友人が、「世界の中で頑張って生きる女性の等身大の姿」についての作文を掲載するサイト
All our tomorrows -等身大ブログ-
https://allourtomorrowsblog.wordpress.com/
を紹介してくれました。そして、私のエッセイも掲載しないかと声をかけてくれたのです。
義理で読んでくれていると思っていた友達から、「もっと多くの人にあなたの文章を公表するべきだと思う」と言ってもらえたようで、大きく勇気づけられました。
ひと様の運営するブログに文章を掲載いただくため、先方からのリクエストを反映するための加筆や推敲をしました。なんどかのやり取りの後、無事に私のエッセイが「All our tomorrows -等身大リレーブログ‐」に載ったときはホットしました。
そして同時に、この文章で誰かが少しでも気持ちが楽になるといいな、と改めて強く願うようになったのです。まさに、All our tomorrowsへの掲載は、私の背中を大いに押してくれたと思います。
こんな出来事があり、noteで不特定多数の方に向けてエッセイを発信することにあまり抵抗や羞恥心を感じなくすみました。
小さな出来事の積み重ねによって、多くの方に文章を発信することへのハードルが小さくなっていたので、とてもラッキーだったと感じています。
さて、こちらのハードルはエベレストのごとしと言われた、出版会社とのコンタクト。
でも、何かアクションを取らねば始まらない……
そんな思いから、noteでのエッセイ発表と並行して出版社へのコンタクトを進めました。
そして、9月末ごろから、出版社からちらちらと連絡をいただくようになりました……
出版社とのやり取りについては、次の回で書くことにします。