最期の時間の過ごし方

エールというチワワ♂15歳の我が家の愛犬。
老犬と言われるお年頃です。

昨年末頃から心肥大が見られ、調子を崩すことが起きてきていました。
何度か入院しては主治医から「何があってもおかしくない」と言われつつ、見事な復活をとげてイタズラしたり甘えたり、家族をホッとさせてくれていました。

しかし、先月末頃からいよいよ入院治療しても自宅に帰るとまた体調崩して病院に逆戻りし、とうとう病院の酸素ルームで持続点滴を受けていても容態が改善しなくなってきました。
肺に水が溜まり、レントゲンを見ても真っ白…
ゼェゼェと荒い呼吸でぐったりしています。

我が家にもレンタルの酸素ルームを用意し、少しでも楽に過ごせるようにと整えていますが、本人はルームに入るとゼェゼェしながら扉に体当たりして出ようとします。
そしてまた呼吸苦になり病院へ…

現在入院中ですが、主治医は病院で最期を迎えるより、家族と過した家に帰ることができるまで回復させて、最期は家で…と言ってくれています。


ここで家族会議
「エールのためには、最期の時間をどう過ごすのが幸せなのか」

主治医の言うとおり、家族に囲まれて穏やかに過ごして欲しいのはもちろん。

だが、肺水腫で呼吸状態が最悪な中、自宅に戻ると確実にしんどくなる。それはかわいそう。
けど、それは見ている私たちが辛いのであって、エールは家に帰りたいんじゃないか。

いやいや、最期の時まで呼吸苦でしんどい思いするのはエールが辛いんじゃないか。

なかなか答えが出せません。

主治医の先生は、そういう葛藤に「どちらも理解できる」と寄り添ってくれ、私たちの決断を急かしたり無理強いしたりせず待ってくれます。


家族が病気になったり怪我したり、心が疲れた時、いつもそばに来て静かに寄り添ってくれたエール。
大人しくて滅多に吠えたことがなく、お客さんが来たら静かに玄関に挨拶に行くエール。
私が仕事で疲れきって帰宅したら、玄関まで迎えにでて身体を寄せて労ってくれるエール。

家族の皆、エールに慰められ支えてもらいこの15年過ごしてきました。

最期くらい、エールが幸せな気持ちで穏やかに過ごせる環境を整えて、今までの恩返しがしたい。

父を在宅で看取った時も、様々な葛藤があり、本当に良かったのかと未だに考えることがある。

仕事柄、たくさんの方の最期の時間について、ご家族の決断を見守ってきた。

言えることは、模範解答はないということ。
最期の時の過ごし方は、人それぞれ家族それぞれの課題であり、そのことに真摯に向き合い、お互いを思い合うことそのこと自体が私たちの最期の時の過ごし方なのかもしれない。

エール、
まだ回復し、また元気に一緒に遊べる日が来ると信じてしまう部分がります。
けど、エールの方が分かってるね。
私たち家族はエールが安心して旅立てるよう精一杯寄り添うつもりです。
エールが私たちにしてくれたように、今度は私たちがエールに安心してもらえるように強くなるからね。
我が家の長男、とても賢くて良い子で私たちの誇りです。

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