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岡真理先生 講演会に行ってきた。


2024年8月12日(月・祝)13:00ー
静岡県三島市 三島市立生涯学習センター

「ガザとは何か」の著者、早稲田大学教授、岡真理先生の声を直で聞くべく、三島市まで行ってきた。

7月に「中学生から知りたいパレスチナのこと」(ミシマ社)が出版され、先日大船のポルべニール・ブックストアで購入したばかり。
※岡先生自身は私がサインしてもらう時にこの本を出したら、「全然”中学生(向け)”ではないけどね笑」と仰っていた、、笑


岡先生以外にもドイツ史とポーランド史が専門の方との共著という形になっており、歴史と世界を俯瞰して見れる感じがしてとても分かりやすかった。
何よりポーランドについて元々興味がある私にとっては大好物の内容。(ここ10年ぐらいずっとアウシュビッツに行きたいと言っている)

この本を購入した直後に映画「関心領域」を観に行ったのだが、これもよかった。
アウシュビッツ・ビルケナウ収容所の隣に住む一家の暮らしが淡々と描かれるのだが、とにかく音響効果と絵の効果がものすごく怖い。
映っている映像に怖ろしさはないのだが、とにかく最後まで不安を煽られる。
(レビューを読むと、特に最後のエンドロールで耐えられなくなって場外に出て行く人も結構いるみたい。文字が流れるだけなんだけど、とにかく曲?音?が怖い)
なぜ人間はここまで残酷な事実を関心の外に置けるのか。監督はまさに今起こっているパレスチナの現状を作品に込めたと語っている。
「中学生から知りたいパレスチナのこと」では、この映画についても語られている。



講演会には約200人が集まったらしい。
周りを見る限り、60−70代くらいの方が多い印象。大学生まで無料なのに。いろんな意味でもったいない、、。(一般もたった500円でした。驚き)
いろんな意味でもったいない、、。
忙しかったのか、誘っても来なかったのか、講演自体がある事を知らなかったのか。「関心領域」の外だったのか。

時間としては3時間くらい岡先生がぶっ通しでお話していた感じ。単純にすごい。

直近の8月10日には、避難所となっていたガザの学校で朝のお祈りをしていた子どもたちに爆撃があり、多くの人が亡くなったニュースがあった。イスラエルはここ10日間の間に13の学校を爆撃している。

初めに、いつも岡先生が講演の時に行われている、被害に遭われた方々に向けた黙祷を。これは、パレスチナの方はもちろん、イスラエル人の被害者に対しても。

以下、講演会を聞いた時に私がとったぐちゃぐちゃなメモから、数点書き出す。
※もしかしたら間違っているかもしれません。ご了承ください。

講義の様子


⚫︎地理的な観点から見ると、ヨルダンやシリア、パレスチナといった地区は、日本列島と同じくらいの狭い範囲に5つの国が入っている。

⚫︎破壊される前のガザは、タワーマンションが林立し、ビーチもある大都会だった。(写真も見せていただいたが、リゾートそのものという感じだった)

⚫︎8月11日時点でパレスチナの死者は3万9677人、負傷者9万1645人、行方不明者1万1000人。

⚫︎日本が大陸に行ってきたことの延長線上にガザがある。

⚫︎Domicide:住宅の大量破壊。70%以上が破壊された。
⚫︎Medicoside:組織的医療システムの破壊。
⚫︎Ecocide:環境の破壊。(戦争こそが一番の環境破壊であるが、多くの国が軍事に
 関わるCo2排出量には制限を設けていない)
⚫︎Scholasticide:教育の破壊。12あった大学は全て破壊された。
⚫︎Culturocide:文化の破壊。200以上のモスクや教会を破壊。図書館などの文化施
 設を破壊し、パレスチナ人の歴史や文化そのものの絶滅を試みている。
 これまでに大学教授90名以上が殺されている。(AIを使ってその人がいる場所を
 炙り出し、集中攻撃する)

⚫︎ガザでは多くの学校が避難所として使われているが、14000人の避難者に対し、
 トイレはたった65こしかない。3月から食料配給も止まった。

⚫︎ゴミの回収もできないため、ゴミの山からでる汚水により過去25年前に撲滅した
 ポリオウイルスが検出された。現地にはポリオに対応できる医者がいない。

⚫︎国連総長グテーレス氏「ハマスの攻撃は”真空状態”で起きたことではない。」

⚫︎ニューヨークタイムズ紙は、記者に「ジェノサイド」「パレスチナ人」等という
 言葉を使用することを禁じていた。

⚫︎過去、南アフリカのアパルトヘイトに反対する決議の際、反対しなかった国はイ
 スラエルと日本のみ。

⚫︎世界人権宣言第13条「・・・自国に帰る権利を有する」

⚫︎イスラエルでは男性3年、女性2年の兵役があり、男性に関しては40歳になるま
 で年間40日間の兵役義務がある。

⚫︎「ガザには”ハヤート”(Life)がない。」

⚫︎ガザは住民の7割がナクバで難民となった者とその子孫(歴史的記憶の保持者)
 であること、多くの人が諦めずにそこに留まり続けることなどを理由に攻撃され
 ている。

⚫︎「ホロ(全て)・コースト(燃やす、燃やして捧げる)」ギリシャ語。アメリカ
 のドラマで使われたことで広まった。

⚫︎シオニズムの敵は普遍主義。(”ユダヤ人”もフランス人であり、イギリス人だ
 ろ?という考え方)

⚫︎イスラエル🟰日本である。
 自分たちは”西洋側”に立って、それ以外の人々を抑圧してきた(している)点で
 同じ。

⚫︎日本の報道はジャーナリズムではない。報道産業である。
⚫︎日本には市民革命をした歴史がない。
⚫︎日本には「不正義に対して怒る」という宗教がない。

⚫︎ガザの平均年齢は18歳。(日本は48歳)



全てのメモはここに書いていません。


最近、確信に変わりつつあるのが、世界をぶっ壊しているのは、平和をぶっ壊しているのは日本を含め”西側”に立っている国(の政治家)なのではないかということ。
もちろんその国の中でも頑張って抵抗している人たちがいるのは、少しだけど知っている。
このことは長崎の平和祈念式典の一件で明らかになったでしょう。
岡先生も「G7のGはGenocideのGだと思っている」と仰っていたけど、まさにそれ。
どうしたら植民地主義は終わるのか。
日本も加害者側にいるということをどうすれば分かってもらえるのか。広く知ってもらえるのか。
某カフェチェーンや某ファストフードチェーンは、ガザの子どもを殺していることをどうしたら。

岡先生も仰っていたが、今がアウシュビッツのホロコーストの時代と違うのは、SNSやメディアでいくらでも情報が入るということ。
ものすごい数の人が見ている前でガザは公開虐殺されている。され続けている。
それでもなお、それは止まらない。

見ているのに、知っているのに「関心領域」の外に放り出す。
なぜ怒らないのか。(自分は怒っているだけではあるが)

なんかもはや岡先生のブラックジョークも笑えなかったわ、、。(むしろ何で周りの人は笑えるんだろう、、?ってなってた)


講演が終わった後に、サインをアラビア語で書いてもらいました!素敵すぎる、、!
私の名前と、”川から海まで、、”が書いてあります。

「中学生から知りたいパレスチナのこと」にサインをもらった


メディアの伝え方、変わらないかなー。間違いだらけで報道するから、そりゃ皆さん誤解するでしょうよ。だから嫌いなのよ、テレビは。もう10年くらいテレビ見てないけど。


一刻も早く解放したい。
Free Palestine!Stop Genocide!


※加筆・修正していくと思います。