金沢城のお堀歩き+アート・建築・食【後編】
石川県立美術館から、金沢21世紀美術館、柿木畠を通り、金沢の繁華街、香林坊までお堀を歩きました。
振り返ると、日がのぼってきています。
水は渡った道路の下を流れています。
ここには、香林坊橋という惣構を渡る橋がかかっていました。
道路の両側に、今でもその親柱がひっそりと残されています。
東急スクエアのところで、用水の水が再び顔を出します。
たいがい水が流れていますが、先日通りかかったとき、はじめて水が流れていなくて驚きました。落ち葉が、底に見えています。
さて、ここからは鞍月用水です。
まわりは、ウォーターフロントが活かされた街並みです。
せせらぎ通り商店街です。
せせらぎ通り商店街と鞍月用水
キャラクターのせさミィの像に会える香林坊にぎわい広場もあります。
この広場の敷石には、ハート♥️の彫刻が21個有ります。
本当か探してみましょう。
あやしい人だと思われないかすこし気にしつつ、広場をうろうろとハートを探し、見つかりました!
4つ見つけたところで、腰が痛くなり脱落です。
このように、きれいで楽しいイメージの場所ですが、せせらぎ通りは、時代による数々の変化を目撃してきています。
まずお城のお堀がつくられ、その後、灌漑や水力利用のため、鞍月用水が流れ、戦後は、用水の上に不法なバラック小屋のようなお店がずらっと並び、車社会になってからは蓋がかけられて車が置かれていました。
前金沢市長が、コミュニティの再生を!と用水の開渠化に乗りだしました。
10年がかりの交渉ののち、今のような用水のある景観が楽しめるエリアとなります。
用水は往時は、野菜洗い、洗濯などと近所の人の集まる空間だった。水の流れを市民が見ることで、かつて地域の絆を確かめ合った場であることを知ってほしい。
(「まちづくり都市 金沢」より、概要)
堅い話になってしまったので、ごはん寄り道です。
寄り道①New York New York
お肉とワインのお店です。
このインパクトのある赤い人のお店、なんだろう?とずっと気になっていましたが、入ったことがありませんでした。
知人にたまたま誘われて、入ることができました。
ローストビーフ丼のランチ
これに、ミニサラダとスープ付きです。
ソースが、ポン酢だれ、醤油だれ、サワークリームオニオンから選べ、ごはんも白米、梅ごはんから。
歩いてすこし暑かったので、わたしはさっぱり目で、ポン酢だれの梅ごはんにしました。
お昼なので、ワインはまた次に来たときのお楽しみです。
赤い人は、お店がクローズしているときには、ちゃんと中に入っています。
ここからすこし進むと、やきとりの秋吉もありますが、景観に配慮した町家の格子を思わせるデザインです。
用水沿いの道を左に曲がると、長町武家屋敷跡で、土塀のつらなるエリアです。
古地図にびっしりと名前が載っているところが、すべて武士の屋敷です。
晴れでも雨でも、江戸風情の楽しめる長町武家屋敷跡
せせらぎ通り沿いを進んでいくと、右手にプチ緑地があります。
奥に段差がありますが、これはお土居(防御のための土塁)の名残です。
さらに進むと、用水にかかる橋の向こうに鳥居が。
貴船神社です。
お参りします。
帰りに、反対側から松を見ると昇竜のようでした。良い縁起にあやかりましょう。
(縁起について)
後で調べたところ、わたしの歩いた香林坊側から入ると「縁切り」、反対側から入ると「縁結び」のご利益があります。
意図せずして何かとの縁を切ってしまいました。
ここを過ぎると、人気のお店があります。
寄り道②ひらみぱん
週末の朝はいつも行列です。
お店に入ると、マリトッツォやおいしそうなパンが並んでいます。
朝食は、キッシュかクロックムッシュということで、キッシュを頼みました。
コーヒーのお供は、北陸唯一のビスケットメーカー北陸製菓のビスケットでした。
カップを持ち上げると、四つ葉のクローバー🍀。心にくい演出です。
変わった建物だと思っていたら、大正時代の鉄工所を改築したものです。
建物の内部の様子と、クロックムッシュがちょうど紹介されていました。
ひらみぱんを出ると、左手に中央小学校が見えます。
加賀八家の屋敷跡
古地図を見ると、江戸時代には加賀八家と呼ばれる加賀藩の重臣、村井家の屋敷です。
明治時代になると、ここには鞍月用水の動力を活かして、金沢製糸場が建てられます。
出典: 石川県立博物館HP 加州金沢製糸場之図
図の右下に見える直角の流れが鞍月用水です。
現在でも、鞍月用水はここで左に折れていきます。
でも、お城のお堀である惣構(そうがまえ)は、まっすぐ続きます。
1分も歩けば、浅野川からお堀沿いを歩いてきた玉川図書館に到着です。
ここも、古地図には広い場所があります。
そう、先に出てきた加賀八家のひとつ、今度は長家の屋敷です。
金沢には、街中に他にも用水がたくさん流れています。
たまには、水の流れを追ってお散歩するのも乙なものです。
参考
金沢城惣構跡パンフレット
「まちづくり都市 金沢」
※写真は、10月半ばから11月にかけて撮影しています。
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