Vol.9【快進撃を続けるかまいたちに潜む一抹の不安】
かまいたちが東京進出して約2年が経ち、今や1日に2番組は見かけるくらい露出度も大きく増え、コアなお笑いファン以外からの認知度も抜群になってきました。
東京進出時は濱家さんが「こんなんやなかった」と嘆くほど大阪時代のキャラから一変、ロンハーでいすのうえ隆と矢作さんに命名されるなどの弄られキャラとなり、むしろ親近感が増して画面で見ても違和感が無い位になりました。山内さんは元来の万能キャラをフルに活かし、濱家さんが弄られているときは決して出すぎず、自分のタイミングを見計らってしっかりと的確なコメントを残して実績を積み上げていきました。
彼らが東京進出時から今日までよく比較対象にされているのが【千鳥】の二人です。特にテレ朝ではテレビ千鳥の後継枠に【かまいガチ】が来たり、日本テレビでは期間限定とはいえ【千鳥VSかまいたち】でメインを張ったり、千鳥のノブさんはかまいたち解散の危機を救ったりと、公私において何かと仲が良いこの二組。そんな理由からポスト千鳥とも言われているかまいたちですが、そんな彼らを見ていて千鳥には感じないのにかまいたちには感じる【不安要素】が拭えないのです。
それは、山内さんの万能エリートっぷり。
山内さんはネタを書くかまいたちの頭脳であり、トークスキルもかなりの剛の者。当然お笑いにおけるスキルをバラエティ界でも遺憾なく発揮し、それが快進撃を支えているという向きも多いでしょう。ここに、千鳥の大悟さんとの差が歴然としています。
大悟さんは皆様ご存知のように、飲んだくれの女好きで、あの志村けんが晩年一番心を許した存在。上も下も関係ないけど一線はしっかり弁えており、優等生キャラというよりはガキ大将キャラ。ノブさんがそれを温かく見守り支えているという構図が千鳥の根幹ではないでしょうか。
ここでかまいたちの二人とキャラを対比させてみます。
千鳥は、暴れん坊の聞かん坊だけど情に熱い大悟とそんな相方をやさしく見守るノブ。
かまいたちは、優等生の山内が弄られてる濱家を更に弄る。
勿論二人だけの時はこの構図に当て嵌まりません。冠番組やyoutubeなど二人だけの時は濱家さんもそのスキルを全開放し、山内さんに引けを取らないセンスを見せます。
ですが、あくまで一般のライト層が観る地上波のゴールデンなどでは、上下関係を出してしまっているように見えてしまうのです。
恐らくは東京のバラエティで受け入れられる為の二人の戦略であろう濱家さんの弄られキャラですが、かえってそれが千鳥という身近な先駆者を超えられない壁になる可能性があるように思えます。
ここまで色々と書きましたが、ヨシモトファンダンゴTVに鎌鼬名義で出演していた頃から知っている側の者としては、かまいたちは5年後のお笑い界を牽引できる存在であることに間違いはないと思っています。ただその地位を勝ち取るまでに、足元をしっかり固めて万人から愛されるコンビとして周知されてほしいと願っております。