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カバコフ邸で天使に会う。

 マンハッタンのグランドセントラルに近いバス停からカバコフ邸行きのバスが出ているので、ニューヨークに着いたら乗ってみようと思い、バス停を探した。
 なかなか見つからないので、もしやロンドンのキングズ・クロス駅9と3/4番線なのかと疑っていると、
 程なくロングアイランド行きのバスがやってきた。乗客にはペットボトルの水とお菓子がひとつ渡された。
 魔法をかけられたのか、うとうとと2時間ぐらい乗っただろうか、大きなショッピングモールに到着。
 イゴールさんが大きなクルマで迎えに来てくれて、奥の奥に位置している海に面した素敵なカバコフ邸に着いた。
 エミリアさんと孫娘のオレアナさんが出迎えてくれた。
 軽いランチを用意していただいただけでなく、エミリアさんは、カバコフ作品の全貌を伝えようと3つの大きなアトリエすべてを案内してくれた。
 お礼に、手をたずさえる塔で行った口琴の演奏をしようと思ったのだけど、時折、天使が横切るので、機を逸してしまった。
 そんなわけで、エミリアさんへのお礼も兼ねて「カバコフの夢を歌う」の続きを棚田の前ですることになった。
 ということで、用意はいいですか?
 さあ、天使の羽をつけてみよう。ヒカシューが演奏します。

巻上公一


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