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【ネパール親子旅行記#5】 もちもちのヨマリと初めてのティカ

休日で賑わうパタンの街で、私が一番心奪われたのは、あちこちで露店を出している人たちの姿だった。


露店を出しているのは、主に女性たちだ。露店といっても、立派な屋台があるわけではない。地面にビニールシートを敷いていたり、ビールケースをひっくり返していたり、とても簡易的なもの。商いをしながら、おしゃべりしながら、そんな様子だ。とりわけ賑わっていたのドーナツを揚げている露店。とても美味しそうで食べたかったけれど、ガイドのディプさんに、あれはお腹を壊すからダメだと言われて、代わりに「ヨマリ」という蒸し菓子を食べてみることに。

これがヨマリ


よまり。名前も形もかわいいが、形もかわいい。もちもちした皮の中には、黒糖と何かのスパイスがまじったタレが入っていた。独特な風味だけど、なかなか美味しい。

もう一つ印象的だったのが、花売りの露店だった。売られているのは、マリーゴールドの花だけ。薄暮の頃の、薄紫色に満ちた空間の中でも、この花の鮮烈な橙色は、やたらと眩しい色彩を放っている。

海外に行くと、土地の色がある、と感じる。太陽の光の感じ、目に飛び込んでくる色の違い、人々の肌の色や服の色…
私がネパールで瞼に一番焼きついたのは、このマリーゴールドの橙色だった。

そして、日も暮れてきたころ、広場を出て、市街地の薄暗い小道を歩いた時間は、とても素敵だった。

狭い通り沿いの建物には、小さなお店…雑貨屋さんや、八百屋さんや、精肉屋さんや… が並び、通りの脇では、地方から食材を運んできて売っているような、小さな露店が連なっている。

このあたりを歩いている時はスマホの動画を回していたから、それはnoteに貼れなくて残念…


そこを抜けると、大きな菩提樹がある、シヴァ神の寺院にたどり着いた。住宅街の真ん中にある古い寺院だ。ここには、なんだか強い神様のようなものがいる感じがした。ここでお参りをすることになった。

私たちも一緒にお祈りしていいというので、息子と2人で靴を脱いで小さなお堂に入る。
前の人の見よう見真似で、膝をつき、蝋燭に火を灯し、赤い粉のようなものを指にとり、最初に神様につけた。そして、横で番をしている女性が、私の額に、その赤い粉をつけてくれた。少しどぎまぎする。女性は、こちらを見て微笑んでいる。私も微笑む。

おでこに赤い印。これは、ティカといって「幸せが来るように」と祈る意味があるんだそうだ。街じゅうで、このティカを額につけている人をたくさん見かけていたから、私たちも神様に迎えてもらった感じがして、なんだか嬉しかった。
ありがとうございます、ここに家族三人、健康に来ることができて、感謝しかありません。

多分守護神的な… 劇的にゆるい像がよくいらっしゃる

それからは、どこを進んでいるかもわからないような薄暗い道を、バイクの爆音に飲まれながら進んだ。
迷路みたいに入り組んだ通りには、電灯も少なくて、小さな寺院のような場所もそこかしこにあって、その中にも人々の生活の息遣いがあって、なんだか全てが密で混沌としていて…。ぼうっとしていたらバイクに轢かれちゃいそうなのに、みんなどこかゆったりしていて。ああ、こう書いていたら、なんだかすごくうずうずしてきた。もう一度、あの街を歩きたい。

門をくぐりパタンの街を抜けると、ドライバーさんが待っていたので、急いで車に乗り込んだ。(それもここで停めれる?ってくらいとんでもない渋滞の中で乗りこむのだ。)
カトマンズに戻ると、なんだか都会的でおしゃれなレストランに案内されて、そこではミュージシャンが生歌を歌っていた。英語の歌だった。そこでは、チベットの鍋を食べた。(正直、疲れていて味はあまり覚えていない)隣の席では、別の日本人とガイドさんが食事していた。コロナで、日本人の旅行客がものすごい減ってしまったらしい。

そこからホテルへは、3人で歩いて帰った。電灯に照らし出された周囲の空気は、排気ガスと土埃でいっぱいだった。ネパール2日目の夜。

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