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【ネパール親子旅行記#4】古都パタンの日は暮れて

ネパール初日、この日の日程は盛りだくさんだった。

スワヤンブナート寺院、ダルバール広場と続き、次はもう一つのダルバール広場のある、古都パタンへ向かった。距離は車で30分くらいと近い。少し離れたところで降りて、歩いて広場へと向かう。クリスマス休暇の日だからか、街は賑わい、心なしか人々がうきうきしている。

広場に到着


パタンは、別名「ラリトプル(美の都)」というらしい。その名の通り、ここでは美術工藝に長けたネワール族による、華麗な作品たちを見ることができた。
なんというか、石彫も、木彫も、とても仕事が細かくて、生き生きしている。ドーンとしている。モリモリしている。

デーン!
ピカー!
ドドーン!!
寺院の中庭的な空間。「ここではお祭りの時に儀式をするところです。動物の生首をずらっと並べて、この場所には血をばあっとかけるんです。ほら、血の跡があるでしょ?」なんてガイドさんにカジュアルに言われて、びびる私たち。


最近公開されるようになったという、かつて王族が水浴びをした場所も見ることができた。ところが水は出ていない。どうして?と聞くと、急速な都市開発によって、水脈がどんどん枯れていっているんだそうだ。

王族の水浴び場

たぶん、世界は加速度的に同じような道を辿っている。

博物館に展示されている写真を見ながら、ガイドさんの「この祭りも今はないね」なんて言葉を何度も聞いた。これまで沢山行われていた祭祀や文化が、近年急速に無くなっていっているらしい。

先ほど見たカーラ・バイラブ像の昔の写真。全てがかっこいい

この日、パタンに集まっていたたくさんの人たちだって、ほとんどの人は洋服を着ていたし、クリスマスのサンタ帽をかぶってたりする。(そもそもクリスマスも休日だし)皆が当たり前にスマホを使っている、その姿は、私の生まれた国だって同じ。

固有の何かが薄まっていくことは、時代の流れとはいえ、やっぱり寂しい。
ネパールは、まさにその急速な過渡期にあるのだと思う。
パタンを歩きながら少し感傷的な気分になってしまった自分は、勝手なもんだ、と思う。だから、消えてしまう前に、いま目に焼き付けておきたい風景があるし、旅をする意味がある、とも思うけれど。

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