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わかりやすい話し方のために:理由が欠けている場合

こんにちは。
元アメリカ大学スピーチ講師の高橋です。

初めての方はこちらから(自己紹介)。
月木に、中級者(TOEIC600点以上)向けに、スピーキングやプレゼンがアップする方法を書いています。

今回は、私が気になっているロジックについて、数回に分けて書いていこうと思います。

英語で分かりやすく話すためには、必要なロジックの型がある、ということを書きました。以下です。

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ロジックの型とは、

🍰ショートケーキをイメージしてください。4層です。こちら。

最上段(いちご):トピック・何について話すか(どういう目的で話すのか:ただのおしゃべり?あるいは、~を決めるということ?)

二段目(ケーキ スポンジ):結論1(自分は賛成・反対のどちらか、あるいは~という考えを持っている)

三段目(ベリーの層にベリー2つ):ここが、理由2つ

四段目(ケーキ スポンジ)結論2(ご自分の意見、再び)

この構造、です。上から下に向かって話していきます。

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通じない、よくわからない話し、というのは、上の4つの層の
1.どれかが抜けている
2.順番が狂っている
3.一つの層と次の層のつなぎが甘い、

のどれか、あるいは複数の事が原因です。
解決方法は、前の記事に書きましたので、ご覧ください。

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今回は、三段めの「理由の所」が、抜けていると、どんな風に会話が
なってしまうか、を書きます。

それが、起こっていたら、「理由が未設定だった」、と気づけますね。

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1.あなたがスピーカーの時:聴いている人達は、「スピーカーがそう言う根拠は何か・具体例は何なのか?」と疑問に思っています。直接それを質問してくれればいいのですが、遠慮したりして、あなたには、伝わってこないかもしれません。ただ他の場所が抜けている時より、質問し易いと思います。

2.あなたがリスナー(聴く側)の時:「この人は 何を持って、そう言うのだろう。具体例があると もっとわかりやすいな。」って 思われるかもしれません。

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これが起こってしまう原因:自分の意見に、皆も賛成してくれるだろう、
自分と同じように、皆も考えてくれるだろう、という期待が大きい時に起こります。「説明しなくても、わかる。」という無意識の思い込みみたいな物です。

日本のように、長い歴史を通じて、人々が文化や価値観を共有している、ハイコンテクスト カルチャー(high context culture)の国では、↑の皆同じだろうと思いこむ、確率が高いのです。以心伝心等の、言わなくてもわかる、という状態が よく起こるからです。)

逆にアメリカのような、ローコンテクスト カルチャー(low context culture)では、「皆が違って当たり前」の前提のもとに、「わかるだろう」、は日本人ほど、期待されていません。

聴く方は、特にスピーカーと反対の意見の場合は、「何をして、あの結論になったのだろう」「自分は、こういうことだと理解したけれど、具体例を言ってくれると、そこが確かめられる。」と思いがちです。(「具体例は?」と訊いてみれば いいだけです^^)

上のような、「皆知っているだろう、同意すべき」という思いの強い方が
話すと
、質問の時間もとってくれず、質問しただけで(内容を聞く前に)、気分を害するような人が、いる時もあります。「生意気」等というのは、違うと思います。

日本の色々な注意書きに、「~してはいけません。~は禁止です」とは、書いてあるけれど、理由がない物が多いのは、ハイ コンテクストカルチャーのせいだと、私は思っています。

日本の学校教育も、お手本が一つあって、それを真似することに、焦点が向いていませんか。それに対して、色々な方向から考えてみる、という風にはなっていない気がするのです。先生の講義と、生徒同士のディスカッション、どちらが多いでしょうか。変わっていくといいのですが。

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改善方法:結論を述べたら、なぜそれに至ったかの理由、具体例を言いましょう。
もし、理由が言えないのなら、あなたと反対意見の人は、何が気になるのか、を考えましょう。そして、そこを説明するように、話せばいいです。

あるいは、あなたの意見には(結論には)反対でも、あなたがその結論に
至った道筋や、具体例を聞けば
、結論をうまくサポートしている、と思ってもらえるかもしれません。

会議等の議題に、賛成か反対かを決めなくてもいいのならば、あなたの意見が、つじつまのあった物として、あなたの結論に反対の人たちも、そこは納得してくれるでしょう。

もし、話し合いの場の目的が、ある問題を色々な角度から見て、最善の対処法を決める、ならば、反対派も賛成派も どちらの意見も聞いて、なぜその意見に至ったのかの、理由と具体例が、それぞれの結論をきちんとサポートしているのか、検証しあえばいいでしょう。

そうすれば、会議全体として、非常にバランスのとれた、包括的な議題への見方を、会議の参加者全員が、シェアできる、といういい結果になるでしょう。

はい?具体例ですか^^ 例えば、メーカーA社がB社と合併すべきか、をA社の社員さんたちが、話し合っているとしましょう。当然、賛成派と反対派が出ますね。

賛成派は、なぜ賛成なのか、理由と具体例を述べます。(コストが低く、わが社の製品が作れるー具体的に一つ、1000円オフでできる。年間にすると、1億円が浮く。

反対派も 理由と具体例を述べます。(今まで通りの品質を維持できるか、不安だ。ーB社には、わが社のような、品質管理のシステムがない。)

すると、賛成派と反対派が、違うことについて、気にしているのが、わかります。前者はコスト削減だし、後者は品質維持なのです。それをお互いに
聞くことによって、そこには、注意が向かなかったが、今わかったので、考えてみよう、という流れが生まれるのです


その結果、立場を変える人も出るかもしれないし、会議として、何に焦点をあてて、この合併という問題を考えなければ、いけないのかが、前よりも広がって、参加者全員が、より広い視座を持てたはずです

例で、論点が明らかになったでしょうか。そうだといいですね。
お試しあれ。

今日はここまでです。お読みいただき、ありがとうございました。

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