7つの大罪②~日本人が英語が話せない理由:丸覚えさせる教育~
こんにちは。
TOEIC500点以上中級以上の方むけ スピーキング・プレゼン英語コーチの高橋です。元アメリカの大学でスピーチ講師をしていました。クライアントさんの目標到達率90%以上です。
上記の方達向けに、月、木でスピーキング、プレゼン力アップのヒントを書いています。次回の更新は、7/19です。
初めての方はこちらから(自己紹介):
私の対象は、中級者以上なんですが、人はいきなり中級にはならないので、初級の方も含めて、日本人が英語スピーキングが苦手な理由を書いています。7つあり、7つの大罪として、全体像を、書きました:こちら
必要な方に届きますように。
その1つ1つを掘り下げて書く二回目、丸覚えさせる教育についてです。
最初に断っておきますが、基礎的な単語や文法は、覚えなくてはなりません。それを否定するつもりはありません。
私が警鐘を鳴らしているのは、単語や文法事項につき、それが与えられた場所(テキスト、教室)でしか、使えないような、思い出せないような方法で、覚えている、ということです。
例えば、日本語対英語の1:1対応。英単語があって(文はなく)それを日本語に換えなさい、と言う問題、あるいは その逆で、日本語を英単語に換えなさい、という問題。これらは、二重の意味で、スピーキングで使える力を損なっています。
まず、(その英単語の意味を 日本語で覚えられているとして)英単語1つに対して、日本語は1つ(あるいは、その逆)だという間違った考えを植え付けます。受講生さんには、「あなたは、翻訳家になるわけではないのだから、意味が通れば○です。」と言っているのですが、例文に入れて、その単語の和訳が、意味が通れば、複数の答え方があってもいいのではないでしょうか(それが、×になってしまうのが、試験で多いのでは。)
もう1つ、例えば日->英で訳するときに、日本語が名詞ならば、英語も名詞で出さなくてはいけない、という無意識の思い込みみたいな物を取り込みます。逆の言い方をすれば、日本語の品詞と英語の品詞は、同じでなくて、いいのです。これに、気がつけると、訳や理解がとても楽になります。伝えたい意味を、使える形で出せばいいので、すぐ言えるようになるからです。
例を挙げると、例えば「ぶどう」がすぐに英語で出なかったら、フルーツで(カテゴリー)、小さな球状の実がたくさんなる(外見)黄緑や濃い紫色(色)の甘い食べ物、と言えばいいのです。ワインの原料になる(用途)、もいいですね。すると、伝わりますよね。
いや、そんなにまどろっこしいことでは、駄目なんだ、一言で伝わらないと、という方もいるかもしれませんが、間違った訳の単語を連発して、より相手を混乱させてしまうのと、1つずつ積み上げて描写していって、伝わるのでは、どちらがいいでしょうか。
昔 飛行機に乗っていた時、お隣の若い日本人女性が、果物の好みをCAさんから訊かれた時、マスカットを連発されていました(が通じませんでした)。Grapesと言うべきでしたね。↑の描写をされたら、一発なのに、と思いながら、にわか通訳をしておりました。Musk ratsという名前の泳げる齧歯類もいますから、意味が間違って伝わってしまう可能性もありますね。
また これは緊急の時のサバイバル術になりますが、言いたいことを伝えるのに、必ずしも言葉でなくてもいいですよね。本当かどうか、日本人は絵が描ける、ということを言われました。ささっとイラストで、ぶどうの絵を描けば、伝わること間違いなし、だと思うのですが。。。🍇
(アメリカでしたゲームに 名前はPictionaryだったか、ささっとお題のイラストを描いて、チームメンバーに何か、当ててもらい、たくさん当たったチームが勝ち、というのがありました。イラスト好きな方は、お勧めします。動物、食べ物など、次々と出てくるお題に、頭をひねりながら、描いたの面白かったです。)
次に、英単語1つに対して、1つの訳、にこだわっていると、複数の意味がある、ということを、ないがしろにします。なので、面倒でも、最初、その単語に出会った時に、2つ(以上)の意味を確認しておくと、いいと思います。
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さて、丸覚えさせるのは、単語だけではありません。今は、なされないようですが、私が中学の頃は、教科書のページ、1~2ページ分ぐらいの英文を暗記してくる、という宿題がしばしば出されました。書いてある通りに、本を見ないで言えるよう、練習するのですね。
英語のクラスではなくなってきたことかもしれませんが、プレゼン・スピーチの分野では、まだまだ根強い習慣です、原稿をそのまま覚える、という習慣。聞くところによると、スピーチ大会や、英検1級の二次のスピーチの所にも、この丸覚え戦略で臨もうという方や、そうさせる先生が多いようです。
丸覚えには、利点があります。そのまま全部間違いなく言えれば、スムーズに聞こえ、文法も間違いがない(原稿通りなので)ということです。
ただ、困ったこともあるのです。大きく分けて2つ。
○1つ:もし 途中で間違ったり、忘れたりしたら、どうリカバリーするのでしょう。最初に戻って、言い直すのでしょうか。緊張はつのるばかり。きちんと思い出せますか。伝統的な考え方だと、そこは完全に覚えて、という一択だけなのです。
それだったら、要点だけ書いたメモを作って、それを見ながら、その場で瞬間英作文をすればいいのでは、ないでしょうか(メモの作り方から、記憶のつなぎ方まで、お教えできます。)
○2つめ:何か、一定時間内に話しをまとめて、口頭発表するときに、原稿を書かないと、うまく対応できなくなる。つまり、その場で短時間で考え、口頭発表できる力が、損なわれるということなのです。
これができないと、例えば留学の際の英語の足きり試験、IELTSやTOEFLiBTでも、苦戦します。英検1級の二次でも、然り、です。(過去問で、答えの原稿を100通りぐらい、違う出題分野毎に作っておく、予備校もあるそうです。やれやれ。同じ予備校出身者が、同じトピックについて、スピーチしたら、どうなるのでしょうね。またその後のQ&Aでは、うまく対応できるのでしょうか。)
テストだけではなくて、あなたが留学先、外国人とのディスカッションなど、その場で考え 発表するような場では、事前準備で、暗記のみ、原稿書きのみ、では通じないのです。
見ればわかるけれど、すぐに言えない単語や言い回し、あなたはどのぐらいありますか。それを100%、言えるように(正しい発音と文法づきで)しておけば、いいのではないでしょうか。
まあ それには、何をどんな順で言えばいいのか、というロジックの問題もからんでくるのですが、今回は触れずにおきます。
これで、今回は全てです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回は、英語が話せない3つ目の理由、日本語のような発音、を扱います。発音練習は何を目指してすれば、いいのかについても、触れていく予定です。
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