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合間あいまに不如帰 #5(終)

小間切れに観る、刀ステ悲伝の感想

貴重な機会をいただきまして、刀ステの悲伝を観ております。
時間の都合上細かく分けて観ていますが、視聴後に感想が溢れたので書き留めました。

注意点
・ネタバレを含みます
・考察や主観が多くあります
・初見で観た後そのままの鮮度の内容で書いています
・ときどき別作品の話を例に出す場合があります
そっと温かい目で読んでいただけると幸いです

(2022/10/27)
遂に完走しました!
三日に渡って観たので連続して感想を書いています。

初回↓


五区切り目 1:54:00~2:11:00 

考察や方向性を言語化してくれた説明パート

義輝が桜について刀剣男士たちに語るシーンから始まりました。
現代人も少し知っている話を昔の人が語ってくれるのってなんだか勉強になる気分です。
不如帰、タイトル後半の回収も入りました。「帰る」「如かず」というなんだか物騒で妖しい奥ゆかしさのある日本語のお話に、ニヤリと笑ってしまいたくなるような面白さを感じました。刀剣と似た魅力の一つがあって個人的にとても好きな説明になりました。武将の感性の高さを思わせるシーンでもあり、いいですねぇ…

鵺が時鳥となりました。名前を与える、というと武将だ!と実感しました。今思い返すと人だからできることだったり、義輝は鵺に愛着を持ったのかなと考えたりもしています。かけがえのない瞬間のように見えました。

本丸に戻ります。
各々が主張をぶつけあっていて、その中で今まで観た中で浮かんできた疑問点や考察、この後どうしたいのか、というのを話してくれました。例えば、三日月はどの結末を求めているのかなどです。
長谷部を見て軸がぶれないなあと感じて、そういえば他の刀もそうだなと思っていいなと改めて気付きました。一方で揺れ動く山姥切も人の身を持ち、皆の意見に触れたり、近侍であったり、この本丸での三日月とのやり取りなどがあるからこそ悩んでいると思いこちらもまたいいですね。

そして出陣の儀!ラジオでもよく聞いていた刀ステの名場面が見られて嬉しかったです。格好良かった!

五回目はここで一区切りとさせていただきました。
改めてこの物語の方向性を再確認した回となりました。
本丸側としては立て直して、各々の思いを胸に挑むというところでしょうか。
良い緊張感をもって次回に進みます。


六区切り目 2:11:00~3:00:00

起承転結ならここが本気の「転」

(そういえば歌仙の台詞から、黒鎧→黒甲冑でした。すみません)

さて、この時間の再生直後に、飛ばし忘れて冒頭から始めたのかのかと本気で思いました。あの待ち望んでいた2周目が遂にきました。今までの物語を経て、見え方の違いが楽しみになります。演出の違いが刺さりました!

時鳥の動きの違いがありましたね。名を得て、自我が確立した。名の力を大切にする文化好きです。鵺と呼ばれたときと時鳥のとき、そして集合体である彼らとの違いはやはり名があるかどうか、主命があるかどうかでしょうか…

黒甲冑との最終決戦です。対するのは燭台切と鶴丸。
鶴丸の「物が主を気取るとは」というところ、甲冑ベース?とても過去作を見たくなりました!
黒甲冑から燭台切への「それは刀なのか?」その答えを言葉そして動きで表しているように思えました。燭台切光忠の誇り、強さを感じた一面でした。
諸事情あって一時停止したのですが、その瞬間の燭台切の動きや姿がものすごく格好良かったです。
劣勢になった時、燭台切の本気の叫びを聞いて、「ああ、ここは戦いの場だ。皆本気で動いている」ととても感じました。

それぞれの戦闘シーンです。大包平、戦闘絵をもとにした立ち姿かっこいいです。階段上でしているのも観客側がよりその画角から見られそうでいいですね。
歌仙と山姥切、布がはためく!あの登場時に感じる安定感が最高です。歌仙、美しく力強い殺陣!
長谷部と不動、刀の軌道が美しいです。燃えている(光っている)ので今までは身のこなし方や服の動きに注目していたのが今回は刀の軌道に釘付けになったことを感じました。長谷部は圧し切ってます。切れ味抜群。

時鳥との戦いが来ました。スッと立つ姿を見て、良い刀だ…と改めて感じました。
二振との戦いの中で時鳥が「ははは、笑っている場合ではないか」と言ったとき、ゾッとしました。三日月…?
時鳥の心からの叫びを聞いた不動は「あれは…!!」と訴えます。自身の体験と重ねたりもありますが、相手に寄り添っているようにも感じて短刀だと特に感じる場面でもありました。
修行の旅を経てそれらの葛藤に向き合い、乗り越えた刀は強いようです。

山姥切が三日月を探しながら単騎で軍に突っ込みます。次から次へと切って切って…必死さと強さを感じます。

歴史が動く場面。まさかここであの逸話が出てくるとは思いませんでした。義輝さん、あの後人々が繋いで現代もなお美しく在ります!武士どうしの今から討とう、討たれようとする中でもお互いを尊敬し合うやり取りがすごいなあと感じます。
義輝と小烏丸の場面では、小烏丸の「難しい問い」への返答がとても嬉しくなりました。残し続けたいと繋ぐ人々、刀の存在する意味をその時とのときで問い続けて研究する人々もその言葉から感じて、そういったことも大切にされている作品と改めて思いました。
そして、義輝が刀剣男士たちへ「乱れ舞い…」と言葉を贈った瞬間は本当に鳥肌が立ちました。
骨喰と大般若と義輝の場面、義輝が辞世の句を詠います。どなたかがおっしゃっていましたが、本当に美しく散り際の桜のようでした。人が覚えている、このこともすごく力強いメッセージのように思えました。骨喰の「なぜだろう…」には切なさがこみ上げました。どんなものでも悲しいときは悲しい…

さて、残るは三日月宗近。時間がないと言っていたことからも思いますがこの辺りから「どう結の目は終わる?」という疑問が強くなっていきました。

各男士のダイジェストシーンが来ました。洋楽がまた異質で、それでいてなぜか親和性が高く美しかったです。斬るときの力強さは変わらず伝わってきて、これをその速さにしたらと思うとワクワクが止まりませんでした。一つ一つにまた小さな物語のある一戦で一瞬なのに見ごたえがありました。そして目が足りない。横に切った時の爽快感最高です!

三日月と、対峙します。
やはり三日月は別格の強さがありました。小烏丸の台詞から、幾度も廻ってきたものが得たものの強さと、ずっとずっとひとりだったのかもしれないという悲しさを思いました。
皆が戦う中、「違う、やめてくれ」とふるふるとゆっくり首を振る山姥切を全景でその様子を見つけてすごくつらくなりました…

ここで状況が一転します。
横並びの瞬間、「え?」と自分自身で考える時間が止まりました。
「何が起きた?何が起きている??」この物語の本気の「転」です。
山姥切が見る、歴史上の人物と叫ぶ言葉にやっとのことで様子を掴んでいきます。満身創痍の中でも剣豪と戦い渡り合えるところは刀剣男士だなーとちょいちょい現実逃避をしつつ笑

水面のシーン。静けさと孤独感が際立ちます。そこに現れた三日月宗近。その衝撃に「そうか、悲伝でだったか…」と思わず空を仰ぎました。三日月から、望む結末について話がありました。先を繋げる、その規模の大きさに驚き物語の面白さに感動しました。この場面は三日月にとってどう映っているのでしょうか、言葉から何度も考えました。

深く構え、いざ戦おうとしたときで区切り目とさせていただきました。
たぶんもうこれ以降は止められないと本気で思いました。緊張感が凄かった。本当にあっという間に50分がたってしまいました。実は三区切れ目くらいで全体の時間を読み違えていたことに気付きました。後半パートずっとクライマックスだけど凄く面白いです!


七区切り目 3:00:00~3:16:46

最高峰の戦い。

山姥切と三日月宗近の本気の勝負が始まりました。
これまでの中で一番この世界観にのめり込むスピードが速かったと思います。それくらい凄まじい戦いでした。美しく、悲しかった。三日月は終盤でふと笑いが零れていましたね。山姥切相手で本気の戦いだからこその表情だと思います。
遂に、「何度も交わした約束」が明らかに。その内容に感情の昂りが抑えられませんでした。まっすぐ!綺麗だ!
「悲」の話と山姥切の嗚咽、大きな悲しみと悔しさをひたすらに感じていました。

場面転換。
柔らかい風景に不動と鶯丸と鶴丸。以外な組み合わせに思いました。このやりとりを見られるのもメディアミックスの魅力です。
 古備前の回想、安定の面白さ
 不動と長谷部、呼び方や掴み方から感じる温かさ
 九曜と竹雀の気の置けない間柄
どれもあまりに平和な一面で、さっきの場面は…とびっくりしました。骨喰と大般若の静かなやりとりや小烏丸を見て、その後かとじわじわと理解していきます。どんな刀?と問われたときの大般若の返答で刀帳についてストンと収まった感じがしました。

本当のラストシーン。皆の決意を感じます。
そして、三日月宗近。
本当に大混乱で最高でした。他の作品も見ればもっと背景が分かるのかな?観たい!

ラジオで聴き慣れたあの音楽と共に名物の番傘が出てきました!それぞれの振り方、構え方のちがいが素敵。
大切にお辞儀されていて、感謝の気持ちでいっぱいになりました。ありがとうございました!


ここで区切りとなります。
完走しました!本当に観れて良かった!没入感がケタ違いにすごいです。
他の作品も観たらどんな驚きがあるのだろう?と早くもワクワクが止まりません。
また、細切れに観ては感想を書く方法をやってみましたが、これもまた面白かったです。状況や感情の整理が追いつきながら観られます。展開予想しても思いっきり驚かされてすごい物語!
いつもより多く場面や感想を自分自身拾えた気がします。書き出す中で作品の良いところに改めて気付いたり、まだまだ書ききれていなかった注目の場面をさらに見つけることができました。見どころや魅力がたくさん詰まっている作品です!
この後もまた思い返して考察したり、作品を見たり、原作を楽しんだりとたっぷり楽しみたいと思います!

Special thanks!
 悲伝を観る機会をくださった先輩
 感想を書くきっかけをくれた友人

ここまで読んでくださりありがとうございました!

マキバ