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コンビ結成した話。

先日、めでたくコンビを組んだ。
コンビというのは、もちろんお笑いのコンビである。
このことを友人数名に告げてみたが、ほとんどの反応は「は?」だった。
それもそうだろう。私は、芸人になりたいとは一度も言ったことがないし、お笑いに夢中になっている様子も見せていなかった。
だけど、コンビを組んだのだ。

ところで、コンビを組んだと言うと、まず聞かれるのは、「誰と?」である。
相方とは、私が11月末〜12月頭に表現のWSに参加した際に出会った。

時期はなかなか寒くなってきたころだったが、相方(となる人)はサンダルを履いていた。そして、「まだ衣替えしてないんですよね〜」といって、コートの下に半袖を着ていた。私が長袖を重ね着している頃である。
しかし私は、その瞬間なぜか、「あ、これは友達になれる」と確信した。

友達になりたいと思ったならば、もちろんご飯に誘う。私は、12月にご飯に行く約束をした。

約束の当日、お店に来た相方は、相変わらず、サンダルだった。

美味しいご飯を食べながら、それぞれの近況を話したような話していないような、何を最初に話していたかはあまり覚えていない。

そして、コントやりたいんですよね、やってみたいです、やりますか?、やりましょうといった感じの話になった。

コンビ爆誕。

なんか話が飛んだように思われるだろうが、これが全てである。

相方はもともとお笑いが好きで、ネタも披露したことがあるそうだ。私のようなお笑いの“お”の字もよく知らないような人間をよく受け入れてくれたと思う。

そういうわけで、私は、人生で初めてネタというものを書いてみることになるのである。

もう一度、言う。ネタを書くのだ。

なんという響きだろう。ネタを書く、ああ、この響き。かっこいい。

さて、肝心のネタはというと、作った時にはそれなりの達成感はあった。
しかし、数日後に読み返すと、それはそれは恥ずかしいもので、ネタを書いた紙を床に叩きつけたいくらいだった。

まぁ、床に叩きつけるのはあれなので、そっと机の上に伏せておいた。

笑いを生み出すのって、タイヘン。
そんな当たり前のことに気づいてからというもの、テレビでみる芸人の方々がますますキラキラ輝いて見えた。

ジャルジャルさんのコントなんて見たら、あまりの素晴らしさにひっくり返った。
神だ。まじで神。

自分のネタの面白くなさに愕然としながらも、ネタを考える日々は続く。

仕事終わりにカフェに行って、「お仕事終わりですか?」なんて爽やか店員さんに声をかけていただき、「ハイ〜」と返事しつつも、心の中では、「今からネタを書くんだ!!」と自分で自分に酔いしれていた。

何も完成していないのにすぐに酔いしれてしまうタイプなのだ。

頭の中ではすでにM1のVTRの中に自分がいるのだが、現実では大したネタは浮かばない。
最初に絞り出したネタは、「桃太郎がスパイとして鬼の養成所に潜入する」という、今考えると意味がわからないネタだった。

母に話したら、「その話の掴みは何?」と言われた。お笑い養成所の講師か。

そんなわけで、最初に考えたネタは、相方にも見せられず、そっと心の中にしまった。

さて、2日前のことである。私たちは、とうとうネタを1本作ることができた。

寒い1月の夜に、2時間、暖房もつけずにネタを考えた。(正確には20分つけた)
そして、相方は相変わらず薄着だった。

完成したネタがどれくらい面白いかはさておき、作れたということがまず素晴らしいと思う。1月29日を祝日にしてもいいくらいだ。

お笑いという大海に丸腰で出航した私。
この先、もっとネタができるのか、面白いものが書けるのか、お客様の前で披露することがあるのか、それはまだ分からない。

だけど、なんかこれ、青春じゃん?めっちゃ青春じゃん???

せっかく新しいことにチャレンジできたのだから、気の済むまで楽しんでいこうと思うのである。

続報をお楽しみに。(あるかわからんけど)

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