Zoom読書会のお知らせ/テクトニックカルチャー
すでにSNS等では告知していますが、読書会を再開します!
2020年8月8日(土)18:30〜
「テクトニックカルチャー」 ケネス・フランプトン 2001年(邦訳版2002年)
前編:序章/2章/3章
Zoom開催しますので、所在地にかかわらず参加可です!
参加希望される方は info@mya-o.com まで、氏名、所属、連絡先などを書いてお送りください。
参加無料です。
ボリュームがあるので前後編に分けます。今回は序章〜3章まで。後編は4章以降の作家各論の予定です。
本書は今我々がが自明の用語として使っている「空間」は近代への転換点において発見あるいは発明されたものである、というところから始まります。
建築における空間の位置付けを、建築を実際に成立させている技芸…構法や構造を読み解くことによって「中和する」試みであると書かれています。
そこで序章では様式建築時代の末期、空間の時代に移行する、その直前の時代に活躍した建築家/理論家であるゴッドフリート・ゼンパーに着目しています。
ゼンパーは建築の構法的要素を象徴的/技術的、あるいは表象的/存在論的という二つの側面に分けましたが、ゼンパーの時にはまだ等価であった二つの側面がゼンパーからフィードラーを経由しシュマルゾウに至って、初期近代建築家の実践を挟みつつ、建築の象徴的側面のあり方についての議論が肥大し、技術的側面が徐々に抜け落ちて、建築の中心的命題が空間へと大きく旋回していくダイナミクスが書かれています。(と、ここまでで序章の半分くらい笑。)
この本を読むにあたって、フランプトンが提示しようとした批評性について理解するためには、2000年前後の建築思潮についても知っておくといいかもしれません。
というのは、発行からほぼ20年経った今、とりわけ日本の建築世界では、フランプトンが本書で捉えようとしていた結構的表現、建築の技芸的側面を押し出した作品がむしろメジャーになっていて、ともすると論点がわかりにくくなっているかもしれないからです。
20年近く経ってやっと本の影響が現れてきた?…ともあれ時代の変遷を感じます。
邦訳版は高額になってしまっているので、本が手元になくても参加可、聞くだけ参加もOKです。
むしろこの機会に内容を頭に入れておこう…的な使い方もアリかも(笑)。
基本的には本を肴にワイワイ話す会なので、気軽に参加してください。