Snow Man「Two」歌詞考察
※あくまでも個人的な解釈です。
※7000字オーバー、めちゃ長いです。
Snow Manって誰?という方へ
簡潔にいうと、日本の9人アイドルグループです。
ジャニーズと呼ばれていた事務所から2020年にデビューした比較的新人……だけどメンバーのうち2/3が三十路という、まあ苦労人エピソード多めのグループでもあります。
家族が好きなので、私も一緒になってYouTube見たり時々テレビ番組見たりしてます。
アイアム冒険少年のめめこじ好きだったなぁ。
今日の記事でご紹介します曲は、彼らの3rdアルバム「i DO ME」に収録されている「Two」でございます。
基本的には9人なんですけど、この手のアイドルには「ユニット曲」というものがございまして、これはその1つですね。
メンバーのうち渡辺翔太くん(しょっぴー)と目黒蓮くん(めめ)が2人で歌っています。このコンビは通称「めめなべ」と呼ばれております。
ちなみに、1stアルバムには360mというこれまた素晴らしいバラードのユニット曲がありまして、この曲でも2人は良い味出しています。
(360mは3人ユニットなので、3人目である阿部ちゃんの良さも語りたいけど泣く泣く割愛)
考察の前提
何はともあれ原曲を聞いてほしいです。YouTube版はフルじゃないんですけど、私は基本的にYouTubeの民なのでここを勧めたい所存です。
・あくまでも個人的な解釈です!他の方の解釈を否定するつもりは一切ありません。
・本記事で引用している文章は全て「Two」の歌詞です。
・MVは考察に含めません。
・登場人物はめめ、しょっぴー、女の子の3人とします。
・同性愛(BL)は想定に入れていません。
3番目については、私が映像の解析をできない人間だからです。
気になる方はYouTubeのコメント欄をご覧ください。しょっぴーの目に映っているのが~など、愛に満ちたファンの観察眼すごいです。
4番目の前提は、スノ担(Snow Manのファン)である家族と解釈が割れたため書いておきます。
めめとしょっぴーは別人格の男の子を歌っているのか、それとも2人で1人の気持ちを歌い繋いでいるのか、これによって180度変わりますからね。
やっと考察始めます
Aメロ冒頭はめめパートです。
この「僕ら」は、めめとしょっぴーを表していると考えます。
根拠は、後の部分で「彼女」と並列で使われていること。
2人の強い友情関係が冒頭に置かれると「こりゃ後で拗れるパターンだな」と思っちゃうのは勘ぐり過ぎですかね。
続いてしょっぴー。
先ほどの前提でいうと見つめた「二人」はしょっぴー以外、つまりめめと女の子ということになります。
この時点でしょっぴーは三角関係を意識しています。
「二人[つまり、めめと彼女を]見つめた」ということは、めめと彼女が一緒にいるところを目撃したのでしょう。「気づかれないように」したのは、自分が割って入ってはいけない空気を感じていたからでしょうか。
ただ、その空気を感じていたとしても、それはあくまでもしょっぴーの主観。私たちまで彼の解釈をそのまま事実と受け取るのは危険な気がします。
Bメロの前半がめめ、後半がしょっぴーです。
ワンフレーズ(?)を2人で歌い繋いでいるので、これは2人どちらかというより両者がそれぞれ抱く共通の気持ちだと思いました。
さあ、この「細い糸」が難解です。
これがつないでいるのは彼女と僕じゃないんです。「彼女と僕ら」なんです。
文法だけみると、この糸が何本か(?)は少なくとも2つ解釈できます。
・「しょっぴー」「めめ」「彼女」をそれぞれつなぐ3本の糸
・「しょっぴー&めめ」と「彼女」をつなぐ1本の糸
この記事の最後であるタイトルの考察で述べますが、私はこれを前者=3本の糸だと思っています。
少なくとも、「誰よりも知っていたはず……細い糸の意味を」と2人が思っているのなら、2人とも「彼女はあいつのこと好きなんだな」ってお互いに思っていることになります。
もはや確信に近い言い方ですけど、2人にその辺のコミュニケーションはないのね。まあ男の子ってそんなものなんですかね。冒頭で「言葉さえいらなくて」なんて言ってましたし。
あのね、言葉はいるんだよ。
はい、サビに入りました。
1番では前半2行をめめ、後半2行をしょっぴーが歌っています。
めめは自分から女の子への想い、しょっぴーはめめの気持ちにそれぞれ目が向いています。
しょっぴー、「わかってるのに」とか言っちゃってるけど本当に分かってるんかい?
「隠してる優しさ」を持っているのはめめですが、ここでしょっぴーが「叶わないこの胸の痛み」が「同じよう」と表現しているのが奇怪です。
しょっぴーは何が自分とめめで「同じ」だと思っているのか。少なくともめめと彼女が相思相愛だと思っているなら、めめもしょっぴーと同じ失恋気分を味わっている……とは考えませんよね。
歌詞の文節を分解するのはナンセンスと言われるかもしれません。
が、今までの文脈と合わせると私はこう考えました。
「同じように」に掛かっているのは「叶わないこの胸の痛み」ではなく想いを「隠してる」ことでは?と。
台詞調にするならば、「僕は失恋(あるいは彼女やめめ、3人全体の関係が変わってしまうこと)が怖くて気持ちを隠しているけど、めめは僕に気を遣って自分の気持ちを隠してくれている。同じ『隠す』でもこんなに違う。なんて優しいやつだ」みたいなことを考えているのかもしれません。
2番Aメロ、めめが歌っています。
めめ視点なので、ここの「2人」は恐らくしょっぴーと彼女です。
おやおや、おかしいですねえ。めめはめめで、しょっぴーと彼女はお似合いだと感じて胸を痛めているわけです。
つまり、しょっぴーの想像は杞憂で、めめと彼女も明確にくっついてはいないんですね。
少なくとも、めめはそう認識しています。
そして1番Aメロのしょっぴーと似た思考回路です。
それだけ長く、深い付き合いってことですよね。
2番のBメロはしょっぴー担当。
せっかく「帰り道のホーム」で一緒になって、めめに言わせれば楽しそうに笑っていたはずなのに、しょっぴーは彼女への気持ちが「行き先のない」ものだと思っている。
むしろ、そこでの会話の中で脈のなさを感じているのかもしれません。
「あ、自分じゃないんだな。めめなんだな」としょっぴーが思い続けるのはなぜか。
もうこれは解釈というより妄想に近いのですが、めめが遠目に見ていたしょっぴーと彼女の会話の内容がめめ関連だとしたら辻褄合いませんか?
彼女の立場からすれば「今ここにいない共通の友人」を話題に挙げてもおかしくないですよね。
めめなべが親友だと知っていれば、なおさら。
でも、彼女のことが大好きで、かつ彼女とめめは相愛だと思い込んでいるしょっぴーからすれば、「彼女は僕を前にしてめめの話をするのか。終わったな」になりません?
ちなみに、この歌に「恋」という言葉は出てこず、終始「想い」というワードで表現されています。
ところがここで、恋や想いと類義語でありながら同義語ではない「愛」が出てきます。
恋する人が叶わない「想い」を「愛」に昇華させる方法はただ1つ、
諦める、あるいは抑えることです。
実際にできるかどうかは別として。
2番サビの前半はめめ、後半はしょっぴーです。
もう私のスタンスがぶれっぶれなんですけど、ここをそれぞれのパートと見るか、2行目と3行目は意味が繋がっているからめめなべ共通の感情と見るのかすごく悩みました。
というのも、歌詞を通しで見ると数字の表記に揺れがあるんです。1番しょっぴーは「二人」、2番冒頭によるとめめは「2人」。
だとすると、めめが「三人」と漢数字を使っていることに違和感を覚えませんか?
まあ「重なることのない3つの心はいつかきっと二つと一つに分かれてゆく」なんて表記揺れにもほどがあるんですけどね。だとしたら歌詞全体でも漢数字と算用数字を統一してほしい!!!!!
というわけで(?)ここはめめなべそれぞれが抱く共通の想いじゃないか、と仮定しました。
(蛇足:この表記分けを見ると、私が前提で書いた「めめとしょっぴーは別人格として描かれ、2人のキャラクターをそれぞれ歌っている」根拠はあながち間違ってないのかなぁと思います。)
2人が愛しく「想う」のは彼女です。
悲しくなるのに「願う」のは、自分と彼女が結ばれるというあり得ない未来なのか、友人の幸せなのか。どっちともとれますし、どちらも含まれているのかもしれません。
でも、後者の方が強めなのかな。「その[つまり、自分以外の2人の]背中見送るほど強くなくて」と歌っているので。
それにしても、ここのサビは他のサビと比べてもかなり興味深いです。
「二つと一つに分かれ」るのは「いつか」の未来なのに、今の時点で既に3人を「重なることのない……心」と表現しているんです。
じゃあ、どこが重なっていないのか。
ベン図で考えると、3つの円が重なるとはA and B and Cであって、それ以外は全て重なっているとは言いません。
つまり、めめと彼女だけ重なってる、しょっぴーと彼女だけ重なってる、これでも論理的には「重なることのない」と言えてしまいます。
でもね、なんかこれって屁理屈な感じしません?考察にわざわざベン図持ち出させるんか?とメタ視点が持ち上がってきます。めめ勉強苦手だし
ということで素直に考えると、3人どことも心が重なっていないんです。
1番で「細い糸」と表現されている3人の関係は、この時点でもまだ確定していないんです。
まだ変えられる。友人と彼女が結ばれていない以上、自分に可能性がないわけじゃない。でも結果がどちらであろうと今とは変わっていく、恋も友情も「いつかきっと……分かれてゆく」んです。
ラストで2人が辿り着く決断には、まだ至っていない様子です。
前半をしょっぴー、後半をめめが歌っています。
ここは2人が歌い繋いでいるので、ほぼ確実にめめとしょっぴー共通の感情だろうと思い込むことにします。
「その想い」は、めめにとってはしょっぴー、しょっぴーにとってはめめの恋心でしょう。お互い、相手が彼女とうまくいくことを願っている。心の奥底からそう思えないとしても、そう思いたいと思っている。
一応、自分の想いが届くことを願っていると解釈できなくもありません。
ただ、その場合は「この」を使うんじゃないかというのと、「届きますように」という祈りのような言葉遣いからは、1番サビなどの「叶うならあの指を~」に出てくるエゴイスティックな感情が感じられないんです。
だから、ここはもうちょっと利他的で綺麗な気持ちな気がします。
さて、しょっぴーが「共にいるはず」と考えていた相手は誰でしょうか。
特定する鍵は恐らく「当たり前に描いていた」。
3人が、あるいはめめなべのどちらかが彼女とずっと一緒にいた描写は歌詞全体通して存在せず、あるのはめめとしょっぴーの2人が長い期間友人であったことです。1番冒頭が分かりやすいです。
であれば、「共に」いたのに今後「形を変えていく」のはめめとしょっぴーの関係ではないでしょうか。
とはいえ、形が変わるのは「未来」なので、これは仮定の話です。実際にはまだ変わっていません。
先ほどの2番サビと状況は同じ。
でも今度は、いずれ彼女と親友が結ばれる、1人になるのは自分とお互い考えています。
変わっていったその先で、親友の「その想い」が叶うことを願っているからです。
前半がしょっぴー、後半がめめです。
ですが、最後の「優しさだから」だけは2人で歌ってます。
先ほどの「その想い」で触れましたが、しょっぴーやっぱり諦めきれていませんね。
さて、映像は解釈に入れないとかいいながら、スノ担家族が購入したドームツアーの円盤映像を考慮に入れます。
このしょっぴーが歌う「奪い去りたい」のパート、MVはじめとする収録バージョンでは比較的綺麗に歌っています。が、ライブではかなり感情をむき出しにして歌っているんです。
しょっぴーは人見知りボーイなので、収録では大人しく/ライブではイケイケというのはよくあることなのですが……。
でも、他の部分はライブでもしっとり歌っていたので、ここは意図的に変えてきたように思います。
しょっぴーは「叶うなら……奪い去りたい」んです。めめから彼女を。でも、それを叫ぶように吐き出すのは、現実には決して奪い去れないことを意識しているからなんですよね。あるいは、友人から奪い去りたくないのかもしれない。どっちも本心なのかもしれません。
一方、めめはめめで「叶わないこの胸の痛みを抱き締めてく」覚悟をしています。
だから話し合えって。
まあ、できないよなあ。それが恋であり、友情だもんなあ。
この部分は1番サビの「叶わないこの胸の痛み」までは一緒なんですけど、その先が全然違います。1番でしょっぴーはめめの優しさにフォーカスしていましたが、めめは自分の想いと向き合っています。
1番サビのしょっぴーは悩み苦しみ、ラスサビのめめは腹を決めています。
これは2人の性格による違いなのか、それとも1番から2番という時間軸による違いなのか。
後者じゃないか、というのが私の意見です。根拠は、最後の「優しさだから」を2人で歌っている点。
2人それぞれ事実の解釈は違うのに、自分がすべきことは諦めることだと考えている点は共通している。
長い付き合いによって構築されてきた2人の似た価値観が、時間の経過とともに同じ結論へ導いたのかな、なんて印象を受けます。
2人が、自分が身を引くことをそれぞれ「それだけが僕にできる優しさ」とちょっと狭い視野で選択肢を絞っているのも切ないですね。
それは誰に対する優しさなのか。親友を邪魔したくない優しさ、彼女を困らせないようにする優しさ、もっと拡大解釈するなら、これ以上自分を傷つけないための自分に対する優しさなのかもしれません。
結論、決定的なことは何も起きないまま、男2人はどっちも手を引いちゃったんですね。
心の葛藤で完結した以上、彼女は何も気づいてない可能性すらあります。
そうなると、「三つの心[が]二つと一つに分かれてゆく」未来、あるいは「当たり前に描いていた共にいるはずの未来がいつの間にか形を変えていく」事態は回避されました。
めでたし、めでたし……?
その先の妄想
さて、かくして2人の友情は少なくとも表面上保たれたわけですが、イケメン2人にモテていた彼女は、3人の関係はどうなっていくのでしょうか。
実はSnow Manの歌に出てくる女の子って、個人的に結構悪女だな~と思うタイプが多いです。(キッタキッテナイとか君の彼氏になりたい。の3部作とか)
「男子ってあほやね」って見方もあるのでね、あくまでも私の感覚ですけども(予防線)
そういうメタ視点で考えると、「Two」の彼女もそのうちアッサリ他の男の子と付き合って、「同性の意見が聞きたい」なんて彼氏にまつわる恋愛相談をめめなべにするんですかね。ウワーきつい。
でも、そしたらめめなべは完全に吹っ切れられるから、男の友情は強まるのか。
ある意味ハッピーエンド?
タイトル回収
はい、最後。タイトルの「Two」は誰を指していたのでしょうか?
結論、私には分かりませんでした!
パッと思い浮かぶのはめめとしょっぴーの2人(Two)なんですけど、もう1個の可能性も完全に捨てることができなかったんです。それは、
・めめと彼女
・しょっぴーと彼女
・めめとしょっぴー
それぞれ2人(Two)の関係です。
というのもこの歌には、めめとしょっぴーが一緒に何かをするシーンが一切描かれていないんです。
2人で何かするっていったら、2番でしょっぴーと彼女がおしゃべりしてるくらい。他はずっと、2人それぞれが自分と友人、自分と彼女、友人と彼女の関係性を想像しています。
ここで、私が1番Bメロで糸の本数をやたら気にしていたことが効いてきます。
あの時点では3人それぞれに細い、不安定な糸が繋がれていて、この先どうとでも転がりかねなかった。自分と彼女との糸を強くしたい、でも友情の意図も切りたくない、そもそも自分から伸びる2本の糸が1番切れやすいかもしれない。
そういう状況だったのかなと。
そういうめめなべの主観に立ってものを見るなら、Twoは何もAさんとBさんの2人とは限らないんじゃないかな、でも確証はないな、というフンワリした着地です。
個人的に、こういう日本語で綴られた、しかも一連のストーリーになっている歌詞が大好きなので、このたぎる気持ちをどこかに残しておきたい一心で書きました。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
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