【絵本で英語を練習する】『It's Raining! It's Pouring!』
大学院の英語教育サブプログラムの院生だった頃、特に初等教育を学ぶ学生が中心になった「絵本で英語を練習する会」という自主ゼミがあった。
ある先生の研究室で週に一度、絵本を音読するために集まるのだが、先生もそこにいてくださってより英語らしい音で読めるように鍛えてくださるという贅沢な勉強会だ。
先生の研究室にはたくさん絵本があって、それらの絵本は「英語らしいリズムで、韻を踏んでいるもの」に限られていた。なので学生は、思い思いに絵本を手にとっておもむろに声に出して読む、そんな場所だった。
私が在学していた頃はコロナ禍でオンライン開催だったり、ハイブリッドだったりしたが、お忙しいなか時間を割いて学生の音読につきあってくださった先生には感謝しかない。
そこで、わたしが「絵本で英語を練習する」ために用いた絵本を紹介していこうと思う。音読の練習には、どれも自信を持ってお勧めできる本たちである。
(ただし、わたしの研究テーマである「絵本の原作と翻訳を比較することを通してものの見方を育む」とは別の視点でのおすすめである。)
It's Raining! It's Pouring!
タイトルだけ聞くと、Nursary Rhymeの?と思われるかもしれないが、こんな絵本である。
Polly Peters (著), Jess Stockham (イラスト)(2008) 『It's Raining! It's Pouring!』.Child Play
この本は、わたしにとっては読み聞かせには不向きな本だった。というのは、絵の持つ力が素晴らしすぎて、「英語を練習するための音読」ということを忘れて、絵本そのものに見入ってしまったからだ。
それくらい、子どもたちの心を引きつける絵である。これに音読をつけられたら最強の読み聞かせ絵本である。
雨の日に外で遊べない子どもたちが家のなかを探検する話なのだが、これは誰しもが子どもの頃に経験したのではなかろうか。
絵本を見ていると練習にならないので、練習用のプリントで練習することにしたくらいだ。(それくらい、好き)
どうやらわたしは音読で、このmakeのmの子音を落としがちなようだ。
explorers の後半部分lorersのrの音。
後ろにeven が入った時のwe've のv の音。
found のfの音。
これはよく陥った罠みたいなものなのだが、1行4拍で読むと、3行目と4行目の間で一回切れてしまう。
でも意味の上では3行目から4行目にかけてひと息で読まないと。
なので、文字だけ追って意味を置いていかないこと、と
注意されるパターンのひとつだった。