見出し画像

空色のインク

#note100本ノック
Day 67

最近、空色のインクとガラスペンを買った。

わたしは小さい頃、
お手紙を書くことが大好きだった。

宛先は、京都

物心ついたとき、
わたしは山口県に住んでいた。

その後、小学生になり千葉県へ。

郵便でお手紙を書いていたのはこの頃で、
宛先は、いつも京都。

京都に住む母方の祖父母に宛てて、
せっせと手紙を書いていたのだ。

手紙が届くと、必ず
おばあちゃんから電話がかかってきた。

MAKIかー?おばあちゃんやで。
お手紙おおきに。

おばあちゃんの電話の決まり文句より

電話の始まりは
いつもこんな感じだった。

大好きなおばあちゃんとお話しできることが
うれしかった。


「はなうたおてがみ」

来週、オーガニックラーニングでお手紙講座が行われる。「はなうたおてがみ」という講座だ。(楽しみで待ちきれない♪)


講師の藤田三奈子さんのおっしゃることばって、いつも心に刺さる。

(手紙を受け取る相手は)想いながら書いてくれた、その想いを受け取るの。

三奈子さんのことば

(お手紙をもらってうれしいという)よろこびを相手に贈るの。

三奈子さんのことば

このことばで気づいた。

孫のわたしは祖父母に手紙を送るという行為を通して、
「喜び」を贈っていたのではないか。


あの頃を思い返す

祖父母は京都で、
小さな自転車屋さんを営んでいた。

小さいMAKIが送ったおてがみは、
郵便屋さんが届けてくれていただろう。

お手紙を受け取った祖父母はきっと、
こんな会話をしていたんじゃないかなあ。

郵便屋さん  「こんにちはー。
        タカハシさん、郵便です!」

おじいちゃん 「今日も寒いですなあ、おおきに!」

        MAKIからの手紙と気づく

       「おおーい、MAKIから手紙来たでー」

おばあちゃん 「ほんまかいな。よし、開けたろ。」
       「おじいちゃん、おばあちゃんへ…」
       

MAKIの想像の会話

おじいちゃんは、
いつも自転車を修理していたから手が真っ黒だった。

だからきっと、
届いたお手紙はすぐにおばあちゃんに渡して、

おばあちゃんは仕事してるおじいちゃんに聞こえるように
すぐに声に出して読んだんじゃないかな。

そして…

おじいちゃん 「夜、電話したれよ」
おばあちゃん 「そうやな」

MAKIの想像の会話

こんな会話になって、
夜、うちに電話がかかってくる。

そんな流れを
想像してしまった。

もう亡くなった二人との
お手紙の思い出を思い返しながら、
なんだか涙が止まらなくなってしまった。


仕掛け人は母

わたしの祖父母へのおてがみ、
おそらく、仕掛け人は母だ。

結婚して故郷の京都を離れ、
なかなか両親に会いにいくことも
ままならなかっただろう。

母は娘にお手紙を書くことを教えて、
孫からの手紙という喜びを
会えない両親に届けていたのかもしれない。


空色のインク

だからわたしは、決めている。

空色のインクではじめてお手紙を書く相手は、
母にしよう、と。

空色のインクで書かれた娘からの手紙は、
きっと母に喜びを届けてくれることだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?