【本】『国際バカロレア教育と教員養成 未来をつくる教師教育』
大学院の教育学研究科に在学していた私は、「絵本の原作と翻訳を比較することを通してものの見方を育む英語教育の実践」を研究していた。
そのなかで出会ったIB教育。
「ものの見方」はIB教育が大切にしている「概念理解に重点を置いた指導」における重要概念のひとつだ。
わたしの実現したいことは、IB教育と非常に親和性が高い。ということには、IB教育の授業を履修してから気づいたのだが。
IB教員養成コースは履修希望者が多く、IB教育の基礎となる授業を履修した学生のなかで選抜が行われるほどだった。なんとかその選抜を突破してMYPのコースを履修した際、参考図書として提示されていたのがこちらの本。
東京学芸大学国際バカロレア教育研究会 (2020) 『国際バカロレア教育と教員養成 未来をつくる教師教育』.学文社
MYPの教員養成コースが始まる前にざっと読もうとしたのだが、一度読んだだけではなかなか理解が追いつかない部分もあった。私の印象としては、多少IBについての知見がある方向けといった印象だ。
国際バカロレア(IB)教育の使命
第1章で書かれていることを紹介する。
IBって何?と聞かれることは非常に多い。また、エリート教育でしょ、と言われることも多い。
理念としてはそんなことはないのだけれど、日本にはIB校が200校できると言われていて、現在はまだインターナショナルスクールや私立学校が割合として多いため、そのような評価になりがちなのかと思う。また公立であっても選抜のある学校であったりすることも、そういった印象を与えがちなのかもしれない。(個人的な見解です)
ちなみに日本におけるIB教育について知りたい場合、こちらのサイトを見るべき。
この本の第1章ではIB教育の概要が語られているが、わたしが「IB教育はいいな」と思うところは、こちらのサイトからの引用部分であるここ。
IB教育の目指す学習者像は、地球市民の育成と共通するところを個人的には感じている。
終わりに
IBのMYP教員養成コースにて学んでいるなかで、理解できない事がらに出会った際などにこの本を手に取ることはあった。東京学芸大学大学院のIB教員養成にご興味がある方には、間違いなくおすすめの一冊である。
また、IBは全く初めてという方でも、関心のある方がざっと概略を掴むことには適しているかもしれない。(前述のように、IBを学ぶ前のわたしには難しかったが)