ゆずのちらし寿司
#note100本ノック
Day 40
冬生まれのわたし。
誕生日に食べたいものと聞かれ、思い出したのは母のつくるちらし寿司だった。
ゆずのお酢
わたしの実家には、一般的な「米酢」は置いていない。
代わりに、父の故郷である徳島の、ゆずのお酢を使っている。いや、厳密には「お酢」ではなく、「ゆずの果汁」らしい。
子どもの頃から「お酢」だと思い込んでいたのだが、父の親戚のゆず畑で取れたゆずを絞った果汁だったと最近知った。
まあしかし、これが実に美味しいのだ。
母のレシピ
わたしが子どもの頃、外食することは年に数えるほどしかなかった。
誕生日に母に「何が食べたい?」と聞かれ、小さいMAKIはいつも「ちらし寿司」と答えていた。
大人になってから気づいたのだが、ゆずの香りがするちらし寿司を置いているレストランはおそらくない。(いや、あるかもしれないけれど、わたしは今のところ出会っていない)
あのゆずの香りたつちらし寿司は、母にしか作れないということだ。
誕生日にやりたいこと
美味しいレストランに出掛けるとか、旅行に行くとか、ほしかったバッグやアクセサリーを買うとか…ではなく、今年思いついた「誕生日にやりたいこと」は「母とちらし寿司をつくる」ことだった。
母に伝えると、とても喜んで「ちらし寿司つくるの、久しぶりやなぁ」と。近頃、
すっかり作る機会もなくなったからなあ、と。息子たちが大きくなってからは、実家の両親のもとを訪れる機会はそう多くなくなってしまっていた。
母のそのことばを聞いて、とてもとても反省した。自分の誕生日は、生み育ててくれた両親に感謝を伝える機会でもある。でも全くできていなかったなあ、と。
母と作ったちらし寿司
今年、母と作ったゆずのちらし寿司。
すっぱいもの好きなわたしが味見したせいか、いつもよりほんのりゆずの香りの強い、でもやっぱり子どもの頃からの大好きな味わいに包まれていた。