【本】『外国語教育研究ハンドブック-研究手法のよりよい理解のためにー』
これは、M1の統計ゼミの際、理解の助けになると博士課程の院生に勧められて手にした本である。院生の間では「赤い本」と呼ばれていた。
竹内理・水本篤 (2014) 『外国語研究ハンドブック-研究手法のよりよい理解のために-』.松柏社
(この記事を書いている2023年1月11日現在、出版社のサイトでは品切れになっています。)
外国語研究に必要な様々な統計手法をゼミのなかで学んでいたが、これがなかなかに理解困難で、理解の助けになるかとこの本も読んだが、この本もなかなかに難しかった。
というのも私は、大学は文学部であったため教育学の知見に乏しく、統計についての知識はほぼないに等しい状態であった。しかも大学を出たのももう何十年も前で卒業論文に統計は使っていなかったのだ。
この本の帯には、「研究を志す大学院生、中学・高等学校教員、大学教員、教育産業従事者に必携の一冊」と書かれている。なるほど、と思った。私は、学部レベルで統計を学んでからこの本にたどり着くべきだったのだ。
統計ゼミで指導してくれていた博士課程の院生に、「この本よりも易しいレベルで統計を学ぶにはどうしたらいいでしょう」と相談すると、この本を紹介してくれた。
小島寛之(2006)『完全独習 統計学入門』. ダイヤモンド社
これは、本当に初心者にも易しく、かくして私は、「赤い本」とこの本を二冊携えて、統計ゼミに臨むこととなった。
修了した今になって
しかしながら、修了した今になって、時折開くのは「赤い本」だ。
在学中は主に統計手法を学ぶためにこの本を用いていたが、わたしは今のところ、自分の論文に統計を用いたことがない。いま、関心を持って学んでいるのは質的研究の分野だ。
質的研究については、いまも大学院のゼミに参加させていただき、まだまだ学びの途中なのだが、ほんの少し、質的研究を学んだうえでこの「赤い本」を開いてみると、面白い。
いや、本当に。
質的研究について書かれた本だけでなく、たくさんの手法のなかのひとつとして質的研究に触れられていることで、質的研究の立ち位置みたいなものも垣間見ることができる気がします。
ということで、この「赤い本」にはまだまだ今後もお世話になりそうな予感です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?