国際協力年賀状、龍を描くシリアのサラーハ君
今回、江ノ島に伝わる五頭龍の絵を描いてくれたのは、シリアのサラーハ君です。
2011年サラーハ君が生まれシリア内戦が始まる
2011年にアレッポで生まれると、シリアはすぐに内戦になりました。家を追われ国内避難民として避難していたアレッポ大学にもミサイルが飛んできました。
4歳でがんになる
4歳でがんになりますが、アレッポのがん専門病院はテロリストに爆破されてしまっていました。
そのために、ダマスカスの病院に行く必要がありましたが、シリアはいろいろな勢力に分断されてしまい安全な道がありません。
お父さんが行方不明、イスラム国の犯行か?
車の運転手をしていたお父さんも、2016年には行方不明になりました。イスラム国に誘拐された可能性が高いと言います。いまだに消息は分かりません。
2018年には、シリア政府が国土の大半を支配し、アレッポ―ダマスカス間の道路の治安は安定しました。
2020年アメリカの経済制裁が強化!ウクライナ戦争でさらに経済は悪化
しかし、2020年からアメリカが厳しい経済制裁を課したために、燃料や物資が不足し、通貨価値が下がり物価が高騰。2022年のウクライナ戦争がはじまると、ロシアへの経済制裁が科せられ、ロシアとの関係が深いシリアへの制裁もさらに厳しくなり、シリア通貨の下落と物価の高騰がさらに進みます。
2023年、トルコシリア大地震が襲う
そして2023年2月には、トルコ・シリア大地震がおき、アレッポ、イドリブを中心に被災しシリア8476人がなくなっています。サラーハ君の親戚もなくなり、一家も避難生活を余儀なくされました。
彼の病気は多発性骨肉腫です。今、がんの治療のおかげでがん細胞は収まっていますが、骨の成長がうまくいかず歩くのもままならない状況です。
イスラエルの空爆がシリアにも!
サラーハ君家族は、アレッポの飛行場の近くに住んでおり、内戦が始まってからは、イランの拠点があるとしてイスラエルが度々空爆します。地震が起きた直後にもアレッポの飛行場が空爆。
そして、ガザでの衝突が激化するとまたアレッポの空港が攻撃されました。
シリア国営通信によると、シリア北部アレッポの空港に14日深夜、イスラエル軍の攻撃があり、空港が閉鎖された。内戦下のシリアでは12日にもアレッポと首都ダマスカスの空港にイスラエル軍による攻撃があったとのこと。
近くに住んでいる小児がんの男の子サラーハ君のお母さんが詳細を知らせてくれました。
「はい、私たちは通りに逃げて家を出ました。サラーは眠っていましたが、激しい音で目が覚めました。地面が動きました。私たちはとても怖かったです。真夜のことです。今日私たちは、ダマスカスにいます。サラーは、ガンの検査をしなくてはなりません。私たちは空港に非常に近いエリアにいます。アル・マリキヤと呼ばれる地域の人々は警告を受けています。空港は数発のミサイルにさらされる可能性があるので家を出た人もいるし、彼らの言うことを信じない人もいる。多くの救急車がその地域に来ました。子供たちは恐怖のあまり泣き叫んでいました。なぜ私たちは難民にならずにここにいたのでしょう。爆発音は、空からなのか、地震なのか、空港の爆破なのかわかりませんでした。私たちはとても疲れていて、子供たちも疲れています。サラーは極度の恐怖のあまり、もう何も食べません。私はとても怖くなっています。通りの人々は皆パニックになりました。」